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デジタルゴールド ―― 女神に接続された暗号  作者: パランティーリ
第六章:SHA-256に浮かぶ刻印 ―― 異教徒の存在
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33, クリプト……仮想通貨の内部構造に、「世界大戦」と、その執行年月が、初めから刻まれていた。そういうことだったのね。

 わたしは、不思議と落ち着いていたわ。もう……どのみち変わるわけではないし、受け入れるしかない。


「はい……。SHA-256に刻まれていたスコフィールド注釈付聖書は、ジェネシス版の方なのです。そこに迷いや曖昧さは一切なく厳格に刻まれて、それはつまり、初版で……終末に関する部分は、黙示録の出来事は神の計画として未来に現実の出来事として起こると理解される。それを厳格かつストレートに注釈として記した聖書、なのですよ。」

「……、……、……。覚悟はしていたわ。でも、ありがとう。ちゃんと伝えてくれて。それにしても……その解釈。相当な内容を記した聖書が、暗号の内部なんかで、ずっと長い間、息を潜めながら存在していたってことなのね?」


 暗号論的ハッシュ関数SHA-256に、こんな内容を平然と仕込む相手。


 当然、それは迷うことなく ―― 強烈な「ジェネシス版」の方だったのね。


 ううん……もう、こんなの……。暗号ではなかった。


「はい、そうなるのです……。」

「もう、水くさいわね。わたしだって『最高の駒』として、動かされていたことくらい、自覚はあるのだから。」


 その言葉を放った瞬間、ミラーアリスが静かに首を横に振った。


「大精霊ネゲート様。それは違います。わたしは、あの働きがなければ……今は無かったと考えています。それは……大精霊フィー様も同様です。」

「……。それなら、ちょっとは救われるわ。でも……ううん、なんでもない。」


 デジタルスケープゴートの、あの瞬間だけは……。いつでも鮮明に思い出せる。


 それくらい、強烈な出来事だった。あれから、気づいたら……。


 そして、わたしは核心へと近づいていく。スコフィールド注釈付聖書のジェネシス版が示す、その解釈の真意。


 それが、SHA-256を経由して、クリプトに接続されていたということは……。


「ネゲート……。その表情から……気づいたのですね。その内部構造には、終末――それは秩序の再構築という表現すら生ぬるい……、『世界大戦』という、究極のニュアンスも含まれていたことになるのです。」

「……、そ、そうね。」


 秩序の再構築。これも……見方を変えれば、ゆるい表現だった。


 そこは理解していたつもり。でも……言葉にされると、やっぱりきつい。


 これは――そう……。


 クリプト……仮想通貨の内部構造に、「世界大戦」と、その執行年月が、初めから刻まれていた。そういうことだったのね。


 それにしても……こんなところで……「世界」という概念に触れるなんて。ううん……あの聖霊様とやらは、そこまで考えた上で、すべての計画を……計画?


 そうよ。神の計画というのは、聖書の概念。


 つまり……。


 聖書を設計図のように読み取り、その示す神の計画が、神の力によって現実の中で必然的に成就すると理解する立場。その計画は終末――すなわちハルマゲドンを経て、千年王国へと至り、最終的には新天新地において完成する。


 ……それで。


 こんなものが、SHA-256に浮かび上がる刻印として、その設計根幹に組み込まれていた。あの頃は、ただの黙示録の刻印だと思っていたのに……。まさか、こんな次元のものだったなんて……。


 そして、このSHA-256刻印には、具体的な執行年月まで正確に刻まれていた。それが……これとも結びついていた。


 黙示録、執行年月、スコフィールド注釈付聖書のジェネシス版。その順で、「闇側」に刻まれていく。


 この書物は語る。――こんな構造だったのだと。


 そして、その執行年月は、秩序の再構築が始まった、その年を正確に指していた。


 ハッシュ関数は、完成後の内部変更ができない。出力ハッシュ値が変わってしまうから。


 つまり……。最初から、すべてが綺麗に組み込まれていた。そう考えるしか、なかった。


「……。なんかもう、誰もが駒になるほど、すさまじい出来だったのね。」

「……、はい、なのです。それで……、なのです。」

「それで……?」


 どうやら、このスコフィールド注釈付聖書のジェネシス版には、もう一つ重大な要素があるなんて。それは――「Segregate」という単語と、やたら相性が良いということ。


 それって……。

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