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デジタルゴールド ―― 女神に接続された暗号  作者: パランティーリ
第六章:SHA-256に浮かぶ刻印 ―― 異教徒の存在
35/92

34, Segregate。それは隔離や差別という強いニュアンスを持つ単語だった。そんな単語だから、スコフィールド注釈付聖書では、それを……「選民」と解釈する、なんて。

 Segregate。


 それは、隔離や差別という――強いニュアンスを持つ単語だった。


 それが……。クリプト……仮想通貨の機能名として、突然、使われる。


 当時のわたしは……そんなことにすら、関心が向かなかった。でも、今にして思えば――それは明らかな見落としだったと、痛感している。


 もう少し、この言葉の持つ意味に……その響きに、気を遣っていれば。あんな「秩序の再構築」なんて……。


 ……ううん、違うわね。


 もう、その呼び名ではない。SHA-256の刻印から浮かび上がる「スコフィールド注釈付聖書のジェネシス版」の存在によって、それは……。


 ――世界大戦と呼ぶべきものだった。


「フィー……。Segregateなんて言葉、いつからクリプトで……?」

「はい……。ECDSAの署名の仕組みで……署名のときに必ず乱数が必要になるのです。なぜなら、乱数を怠ると秘密鍵が漏れてしまうのです。すなわち、同一メッセージに対する署名がいつも異なる内容……つまり、同じ取引内容に対して異なる署名を同時に存在させることができてしまい、そのシリアライズを含めてしまうと、同じ取引内容に対してトランザクションIDが異なるという大きな問題が生じるのです。それで……それをどうすべきなのかと、悩んでいるときに……突如、現れたのです。そのとき叫ばれた名が『Segregated Witness』だったのです。」

「……。そうだったのね。」

「……、これは書物に残っていた話なので、確証はないのです。でも……。」

「でも、フィーのことだから……刻印を知り、そこから得たスコフィールド注釈付聖書という解釈から……何か、気づいたのよね?」


 ……ええ。


 わたしも、すでに気づいていた。この「Segregate」という言葉が持つ、本当の意味に。


 それは……そう。


 スコフィールド注釈付聖書では――それを……。


 「選民」と解釈する、なんて……。

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