104, パランティーリって、重要ではない日常のシーンなんてスキップして……世界線の動向を左右するほどのターニングポイントのみを断片的に記録していくものだったのね。
次の場面は――これって、そうね。
ええ――間違いなく、SHA-256だわ。なぜなら――。
「暗号論的」と「ハッシュ関数」……そんな単語に混じって――そこへ姿を見せ始めていたのが「MD構造」だったからよ。
そして――出力ビット長は、256ビット。……そう。もう、間違いない。
これは――SHA-256を、真実として映し出している。
つまり――そういうことだったのね。
パランティーリは、重要ではない日常の断片なんて、ほとんど記録しない。世界線の動向を左右するほどの――重要なターニングポイント。それだけを、断片的に記録していく。
……そういう仕組みだった。
だからこそ――そこへ残された「現在の真実」は、特に重要。
この先――そこへ映し出された真実が、わたしたちへどのように作用していくのか。
そんな構造まで、少しずつ見えてきたわ。……でも。
なんで――あいつの日常なんかが、記録されていたのよ。
……ううん。あいつのことだから、きっと何かある。
絶対に――何かあるわ。そうじゃなきゃ、おかしい。その後の行動。
きっと――そのうち、繋がってくるはずよ。……そうよね。
それで――今は、SHA-256よ。
SHA-256の構造と共に――そこへ並んでいたもの。それは……。
何かしら、これ。
「確率論」と――「必然性」。
……えっと。
まず、「確率論」。こちらは、雪崩効果と関係していそうね。入力のわずかな差異によって、出力全体が大きく変化する。
……そういう性質。
でも――「必然性」って、何かしら。
ハッシュ関数に――必然性……?
……。同じ入力に対して、必ず同じ出力を得られるってことかしら? でも……そんなのは「ハッシュ関数」に含まれるわ。
必然性――そうなる以外にあり得ない性質。
……そういう意味よね。
つまり――必ず出現する、何か。
そうよ。それは――SHA-256の「必然性」。
そして――その正体こそが。
SHA-256に浮かぶ――刻印だったわ。




