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デジタルゴールド ―― 女神に接続された暗号  作者: パランティーリ
第十五章:暗号通貨 サトシ・ナカモトの正体
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103, 現状は、未来に残されていた分を、すべて使い果たした後ではないか。

 ……。わたしは、冷静になって。あいつが放った言葉――。


「現状は、未来に残されていた分を、すべて使い果たした後ではないか。」


 その意味を、ゆっくりと解釈していった。


 未来に残されていた分……それを、どうやって使い果たすのか。


 うん――そんな方法なら、すでに「発明」されていたわ。


 それが――「きずな」と呼ばれる、Bond。


 ……そう。それは、現在の真実として――パランティーリにも並んでいたわね。


 一応、パランティーリへ真実として映し出されている以上、きずな――Bondもまた、「0から1への創造」だったのでしょう。


 でも――0から1への創造として、パランティーリへ映し出されたからといって、それが、美しいものになるとは限らない。


 ……そういうことだったのね。あくまで、与えられるのは「手段」。


 そして――それを扱う者によって、結果は大きく変わってしまう。


 そういうものだった。


 ……。


 そして――きずな。


 そう……きずな、よ。たしか――たった三か月分の「利払いだけ」で、当時のクリプト市場の時価すべてを吹き飛ばしかねないほどの額を要求されていた。


 ……そんな、絶望的な話まであったわ。


 それで――朝から晩まで、「利率を下げろ」と叫ばれていた。


 でも――利率を下げてしまえば、今度はそれ以上のインフレが襲い掛かる。


 すると――きずなの信用そのものが失われてしまう。


 ……そんな状況だったはずよ。それなのに――こんな惨状を作り出した者たちは、なぜか先に逃げていく。


 ……ほんとうに、不思議よね。


 市場で「神」とまで呼ばれていたのなら。せめて、この惨状を何とかしてから引退してほしい。


 ……そう思ってしまうわ。


 でも――それでも、パランティーリには、その一部始終が、しっかり記録されていた。


 つまり――パランティーリは、それをわたしへ見せたかった。


 ……そういうことだったのでしょうね。


 そして――また。


 映像は、次の場面へ移っていった。


 ……不思議。こうして過去を、「再生」するみたいに映し出していくなんて。

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