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102/211

101, わたしは……おそるおそる、過去のタイムラインを、覗き込むことにしたわ。

 パランティーリの内部には――過去に、その石が捉えた映像。そして、他の石から受信した光。それらすべてが、「地層」のように積み重なって保存されている。……そんな仕組みだった。


 つまり――過去の映像を、直接得ることができる。


 そういうことよ。そのことを、数学の女神――パランティーリへ伝えると……。


 特に反対されることもなく、「覗き込んでも構わないよ」と、静かに告げられたわ。


 ……。そこで、わたしは――おそるおそる。過去のタイムラインを、覗き込むことにした。


「これは……、あいつ?」


 思わず、声が漏れた。


 だって――最初に映し出されたのは。


 そうね……。


 真っ黒な何かを、呆然と見つめながら。まったく動かない、「あいつ」だった。


 ……。時間軸は、いつ頃なのかしら。


 でも――ただ懐かしい、という感覚とは違った。


 何かが、違う。まるで――異なる次元が、そのまま重なって映し出されているような。


 そんな曖昧な境界ごと溶け込みながら――その映像は、目の前へ現れていた。


 ……。それから、あいつは。


 ほんの少しだけ、動き始めた。右手で――何かを、カチカチと操作し始めた。


 ……あれは、何かしら。


 なんだか――これは、観てはいけないものへ触れてしまったような。


 そんな感覚が、あったわ。


 おそらく――何かの情報入力。


 だとしたら。物理的な装置を、手で操作して入力している。


 つまり――かなり古い時代のもの。


 そんな印象を受けたわ。


 ……。やがて。


 真っ黒だった画面の一部へ――「緑色の数字」が浮かび始めた。


 そして――あいつは、突然、頭を抱え始めた。


 ……。それにしても。


 これだけ膨大な過去の映像があるというのに。


 最初に映し出されたのが――これ、なのね……。

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