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『Ray of sunshine』レイ オブ サンシャイン - Stunning sky in Florida - 突然の御曹司との生活……?! 過去を紐解きフロリダの空の下で輝くサクセスストーリー  作者: 彩川カオルコ


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第90話『The Birth of a New Bond』新たに結ばれた同盟

有紗を見守るジェンミの気遣いに感心しながら、率直に有紗への気持ちを尋ねる司に、ジェンミは穏やかな表情のまま笑顔で答えた。


「うん、好きだよ。自分でも驚くほどにね」


そう言ったジェンミの側で、何気ない表情のままプールサイドを気にするそぶりを貫く玲音の様子を、司は横目でうかがう。

玲音はスッと立ち上がると、表情を一切変えずに子供たちの方へと歩いていった。


二人して、しばしその背中を見送る。

ジェンミの臆することない表情に、司は一息つくと笑顔を向けた。


「ずいぶんあっさりと白状するのね。ジェンミさんらしいけど?」


ジェンミは肩を上げる。

「だって、本当だからさ」


「そう。出会ってからそんなに間がないようにも思うけど?」


「おかしいかな?」


「まぁ、おかしくはないわね。濃密な時間を共有してきたわけだし」


満足そうに微笑むジェンミを、司は改めて真正面から見つめる。


「もう有紗はあなた達にとって、そういう大きな存在になったのね。むしろありがたいわ」


「そっか、良かった」

ジェンミはホッとしたように肩を下げた。


「ツカサはさ……ボクだけじゃなくて、レオに対してもそう思ってるんだね」


「え……?」


「だって、" あなたたち " って」


「ああ……そうね。玲音にも、ただならぬ(えん)を感じてるから……今もこうして有紗がこのアメリカで安全に楽しい毎日を送っているのは、あなたと玲音のお陰よ」


「よかった、ツカサに認めてもらって。なんせ、ツカサはアリサのママだからね!」


「あはは。同級生なのにあの子と私は昔からこんな感じよ! 私がフケてるんじゃなくて、あの子が奔放(ほんぽう)過ぎるのよ!」


「あはは、確かに! っていうか……ツカサさぁ、ボクが『エプコット』について行ったって言った時……あんまり驚いてなかったよね?」


司は焦りを取り繕うように顔を上げながら首を横に振った。

「え……そんなことないわ、驚いたわよ?」


ジェンミが怪しい表情で見つめる。

「そうかな? もしかして、知ってたり……する?」


「まさか! どうして私が?」


ジェンミがフッと息をついた。

「実はアリサにバレてたりするのかなって、ちょっと思ったんだけど……いや、それはないか。もし知ってたら、アリサならボクに直接言うもんね? 黙ってるなんてあり得ない」


「そうよ! 黙っておけない性格だし?」


「ははは。そうそう」


二人は見合って笑う。


「まぁだからって……尾行とは、なかなかよね?」


そのワードにジェンミが()ねた声をあげた。

「尾行だって?! ちょっと! ツカサまでストーカー扱いするの?! だってさ、朝になって急にだよ? アリサ、勝手に一人で決めちゃって! 楽しみにしてたボクを置いてきぼりにするなんて、ひどくない?!」


「ふふっ」


「なに?」


「ごめんなさい、年上の男性に言うのはなんなんだけど……なんだか、かわいくて」


「ボクが?」


「ええ。ふふふ」


「もぉ……からかわないでよ。でもまぁ……いいや、ツカサなら」


司は嬉しそうにまた微笑む。

「あら、特別にお許しがもらえた!」


「似てるんだ。初恋の人に」


「有紗が?」


「ううん、ツカサが」


「えっ? 私?!」


「うん。少しお姉さんだったけどね。なんか話しやすくてさ」


司は納得したように(うなづ)く。

「あら、マセた男の子だったのね? あなたらしい。なら……私も」


司の少し神妙な口ぶりに、ジェンミが乗り出す。


「え? なに?」


「あなたにね、とっても似てる人がいたのよ。すこぶる素敵な人でね」


「ボクに似た……素敵な人?」


「ええ」


そう言いながら司は優しい表情でジェンミを見つめた。


「でも……そうね、ジェンミさんの雰囲気は、どっちかって言うと私の年の離れた弟に似てる。いや、そっくりかも?!」


真相をはぐらかした司に乗るように、ジェンミはあからさまに頬を膨らませて見せた。


「ちょっと! ボクの方が年上なんだけど!」


「あはは、ごめんなさい。でも話しやすいのはそのせいかもね」


「ならさ、いい加減 " さん()け " はやめてよね。ジェンミでいいよ、my sister! 」


「うふふ、Okay! ジェンミ!」


二人は改めて握手を交わした。

ジェンミのしなやかな手をスッと外し、司は改めて彼の全貌を眺める。

そしてまたおどけたように、ジェンミを横目で睨んで見せた。


「まぁでも……ジェンミは、ただ可愛いだけでは済まされないほどのプレイボーイだから、実態は手強そうだけどね?」


「ひどいなぁ、こんなにフェミニストなのに?」


「それは認めるわ」


「へぇ、そこはあっさりと認めてくれるんだ?」


「ええ。だって、有紗と二人きりで旅行して、セパレートとはいえ同じ部屋に泊まってるのに、ボディーガードを(つらぬ)くなんて、なかなかよ?」


ジェンミは意味深な目つきで司を見返す。

「ふーん。ツカサはさ、ボクとアリサがホントに何にもないと思ってるの?」


「思ってるわよ。有紗からはなにも聞いてないし」


そう即答する司に、ジェンミは口を(とが)らせた。


「そんなの、アリサが言わないだけかも知れないじゃん? 二人のヒミツにしてるかもよ?」


司は(うつむ)いてフッと笑う。

「何年親友やってると思ってるの? 何かあったらわかるわよ。ニオイで。あなたと玲音だって、そうじゃないの?」


ジェンミは一瞬、目を伏せた。


「いや……ボクはレオのことは手に取るようにわかるけど、レオはボクのことは全然わかってないと思う」


「そうかしら? 素直じゃないのね、あなたも玲音も。そこは似た者同士なんじゃない?」


「はは。ツカサは手強いな」


「これでも三児の母親だもの、男の子の心理には詳しいの」


「さすがだね。ウォーレンファミリーはボクにとって理想の家族だから! ツカサの子供になりたいくらいだよ」


「そう? ならいっそ、ウチの子になってみる?」


「わっ! なりたいかも!」



第90話『The Birth of a New Bond』新たに結ばれた同盟 - 終 -

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