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第31話 デュラハン

 雪の残る平原を半日ほど歩いた。魔法の地図が赤く光っている場所に近づきつつある。そろそろ何か見えてくるかな……。


 私はグッと緊張しながら、辺りを見回す。


 すると、平原の真ん中にいかにも怪しく、禍々しい岩山があり、地面に面する場所には入り口とみられる洞窟のような穴がぽっかりと開いていた。


「あれが魔王軍のアジトかな……?」

 私はナナに尋ねる。


「そうかもしれませんね……」

 ナナも緊張したように答えた。


 コタローが

「わんわんわん!」

 と、吠えて怪しげな岩山の方に走り出す。


 すると、岩山の穴から禍々しい気配を纏って、首のない馬に乗った騎士が現れた。当然馬も通常の馬ではなく魔馬のようだ。


「デュラハンだ……!」

 ナナが叫ぶ。


 デュラハンはこちらに向かって駆けてくる。

 コタローが金色の光に包まれ真の姿を現す。


 コタローは翼でひらりと空に舞い上がりデュラハンに向かってブレスを吐いた。


バシッ


 何と、デュラハンは携えていた剣でブレスを弾いたのである。


 ……! なんてことだ……! コタローのブレスを弾くなんて。これは強敵に違いない……!


 その後もコタローが空からブレスを吐くが、全て弾かれてしまった。


 コタローは戦略を変える。


 地面に降り立ち、デュラハンに果敢に突進する。


 デュラハンの乗っている馬にコタローの角が刺さった。しかし、そこにデュラハンの剣が襲う。


「キャン……!」

 コタローは弾かれ地面に転げだされてしまった。


「ライフ・リカバリー」

 ナナがすかさず唱える。


 コタローは再び立ち上がるが、剣を振り回しすデュラハンに近づけないでうなり声をあげるばかりだ……。


「私たちもコタロー君に強力してあげなくちゃ!」

 物陰から戦闘を見守っていた私にナナが言う。


「どういうこと?」

 私が尋ねると、ナナは

「私たちがおとりになるの、その隙にコタロー君がデュラハンに攻撃する!」

 と、言った。


 おとりになるの……。正直怖い。でもコタローだけ頑張ってるのも申し訳なく感じた。


 私とナナは二手に別れてなるたけ走ってデュラハンの目を引き付けることにした。首が無いから目はどこにあるか分からないけど……。


「よし……!デュラハンこっちだよ!」

 私とナナはそう叫んで走り出す。


 恐ろしくてほとんど後ろも見ず走った。しかし、デュラハンはこちらを追いかけて来たようだ。


 私は足がもつれて転び、そこにデュラハンの剣が振り下ろされそうになる。


 絶体絶命のピンチ……! 私は、死ぬのかな……⁉

 と、思った時


 ドガァン!


 デュラハンにコタローのブレスが直撃した。

 デュラハンは馬から投げ出され剣も吹き飛ばされる。


 そこに畳み掛けるようにコタローはブレスを当てまくった。


 気がつくとデュラハンは倒されていて、私はナナに手を差し伸べられて立ち上がった。


 ナナは

「ごめんなさい。私がおとりになろうなんて言うからすごく危険な目に合わせてしまって……」

 と、謝った。


 私は

「いや、あのまま隠れてたらデュラハンに攻撃を当てることはできなかったから、結果オーライだよ!」

 と、言った。


 コタローも心配そうに私にすり寄ってきた。


 確かにめちゃくちゃ怖かったのは確かだけど、コタロー1匹にばっかり頑張らせてばかりじゃ「コタローの飼い主」の名がすたるもんね……!


 そんな事を思いながら、怪しげな洞窟の入口を目指した。

 果たして中はどうなっているのか……?

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