第26話 マカガストロシスの薬
ビックベアー対コタローの戦いが始まった。
コタローの突き、嚙みつきにビックベアーは薙ぎ払いで応戦。コタローは素早くよけてビックベアーの脚にかみついた。
「グルルルル……!」
ビックベアーは痛みでうなり声を上げる。コタローはがっしり嚙みつき離さない。
「「ヤー!」」
そこへ、先ほどは倒れていた騎士たちの槍が加勢する。
コタローを振り払おうとビックベアーは必死に暴れた。
「キャゥゥ!」
しばらくしてからコタローがビックベアーに振り払われ、地面に叩き付けられる。
「ライフ・リカバリー!」
ナナが唱える。
コタローは何事もなかったかのように立ち上がり、今度はビックベアーのお腹を突きいた。
「グギャア!」
急所だったようで、ビックベアーは悲鳴をあげ、倒れた。そこに、コタローの嚙みつきと騎士たちの槍を浴びせられる。
しばらくして、ビックベアーは動かなくなった。
……! 討伐完了だ……!
コタロー! お疲れ様!
ナナは、コタローの他に騎士たちにも「ライフ・リカバリー」をかけてあげた。
「ビックベアーの胆ってどうやって取ればいいのが……?」
私はナナに尋ねる。
「お腹を開くしか無いですね……」
とナナは言った後、続けて
「私もあんまりやりたくないですね……」
と、言った。
よく分からないけど私がやるしかないのか……! と思って覚悟を決めたその時、
村人がわらわら出てきて
「ビックベアーの解体をするぞー!」
と、言った。
ホセおじさんにこれはどういうことかと聞くと、ビックベアーは貴重な食料だから解体してみんなで食べることにしたということだった。
「エヴァおばあさん薬の材料に胆が必要なんで、取ってもらえますか?」
と、聞くと、ホセおじさんは
「もちろんいいべ」
と、快諾してくれた。
これで、私がビックベアーのお腹を開けて胆を取り出すというグロい作業はしなくて良くなった。
みるみるうちに解体が進む。そのうちにホセおじさんが、
「これがビックベアーの胆だべ」
と、よく分からない内臓を持ってきた。
私はちょっとうぇっとなるが、笑顔を作って、
「ありがとうございます!」
と、言った。
早速エヴァおばあさんの薬を作ろう!
エヴァおばあさんの家の台所を借りて、私とナナはマカガストロシスの薬を作ることにした。
オルエンデ魔法果をアイテムボックスから取り出して、種を取り出す。
「果肉には薬効はないけどおいしいんですよ」
と、ナナが言うので果肉も取っておくことにした。
そして、ナナはビックベアーの胆を煮込み、私は魔法果の種を煎じた。
「これでいいでしょう」
ナナが言うので二つを混ぜ合わせた。
これをスプーン1杯分飲ませればいいらしい。
奥の部屋で横になっているエヴァおばあさんに、薬を持っていくと、彼女は嬉しそうに、
「よく作ったねー。ありがとう」
と弱弱しくほほえむ。
「まずいかも知れないけど、早速飲んでください」
私は水で薬を飲ませた。
「あら! なんだか良くなってきたみたいだわ!」
と、エヴァおばあさんは少し笑った。
「そんなにすぐには効かないですよ」
と、ナナは言うが、何だか飲む前よりも血色も良く、本当に良くなってきたみたいだ。
コタローも嬉しそうに、
「わん!」
と、鳴いた。
エヴァおばあさんに魔法果の果肉を食べさせてもいいかとナナに聞くと
「大丈夫ですよ」
と、答えたので、私は魔法果の果肉を持ってきて
「食べますか?」
とおばあさんに聞いた。
「少しだけ食べたいわね。残りはあなたたちが食べてしまいなさい」
と、言うのでエヴァおばあさんにスプーン1杯食べさせた。
「とてもおいしい……」
飲み込んだ後、エヴァおばあさんは優しくほほえんだ。
さて、とてもおいしいという、貴重なオルエンデ魔法果。一体どんな味がするのだろう……。私はわくわくした。




