第24話 エヴァおばあさんの病気
その夜、私はオルエンデ村の夢を見た。涙を流し私の出発を見送るエヴァおばあさんや、ホセおじさん達。エヴァおばあさんとの質素だけれども温かい日々など。
目を覚ますと、私はますますオルエンデ村に帰りたくなった。
魔法の地図をチェックしてみるが、とりあえず光っている所はないようだ。
ナナに、
「この世界に来て初めてお世話になった村に帰ってみたい」
と、思い切って伝えると
彼女は
「魔法の地図が光ってないならいいんじゃないですか」
と、言ってくれた。
オルエンデ村にはここから馬車で2日程度かかるそうだ。
早速私たちは準備して馬車を手配して貰った。
「もっと居てもいいんですよ……」
この村の村長はそう言った。
私たちが出発しようとすると、沢山の村人たちが出てきて見送ってくれた。
※※※※※※※※※※※※
幸い道中は何も起こらなかった。私たちは御者に代金を渡してオルエンデ村に降り立つ。
オルエンデ村はこの前王都に旅立った時と変わらないように見えた。
私たちが来たことに気づいたホセおじさんやヴィル村長が家から出てきて迎えてくれる。
「帰ってきたんだな!」
「魔物討伐隊に任命されたんだって⁉ 活躍はうわさで聞いてるぜ」
「ヒーラーを仲間にしたんだってな。彼女がそのヒーラーさんかい⁉」
結構私たちの事はオルエンデ村にも伝わっていたようで、村の人たちは口々に私たちを讃えた。
……でもエヴァおばあさんが居ない……!
「エヴァおばあさんはどうしたんですか……?」
と、私がヴィル村長に尋ねると、
彼は答えにくそうに
「病気で寝込んでいるんだ……」
と、言った。
……!
「様子を見てきます……!」
私とナナ、コタローは急いでエヴァおばあさんの内に向かった。
ノックもまともにせずエヴァおばあさんの家に上がり込む。
エヴァおばあさんは奥の部屋で横になっていた。
「エヴァおばあさん! ユキです! コタローも居ます」
と、声を掛けると、彼女は弱弱しい顔でほほえみ、
「よく帰ってきたねぇ」
と答えた。
私は泣きそうになる。
コタローも悲しそうだ。
ナナに、
「『ライフ・リカバリー』で何とかできないかな」
と、尋ねるも
「うーん……。これは病気だね。『ライフ・リカバリー』は怪我を治す力はあるけど病気には効かないんですよ……」
と、言われてしまった。
……どうしよう……。
ナナは
「私はユキとコタローの仲間になったヒーラーのナナです」
と、エヴァおばあさんに軽く自己紹介をして、おばあさんの症状について質問したり、お腹を触ったりした。
私がナナはそんなこともできるんだと思いながら見ていると、
「これはマカガストロシスだと思います!」
と言った後
マカガストロシスは放置すると死に至る病気であること、しかし、オルエンデの魔法果の種を煎じたものと、ビックベアーの胆を煮込んだものを合わせたものが特効薬になると説明してくれた。
……!
そうなのか……!
「早速薬の材料を手に入れよう!」
私が言うと、
ナナは少し困った顔をして、
「魔法果もビックベアーの胆も市場にはほとんど出回らないんですよ……」
と答えた。
そして続けて、
「魔法果はオルエンデの森の奥深くにあるかもしれません。ビックベアーもいるかも……」
と、言った。
「じゃあそれを取りに行こう!」
私は言う。エヴァおばあさんを見捨てる訳にはいかない……!
「そうですね! 行きましょう!」
ナナが答え、コタローも
「わん!」
と、鳴いた。




