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第23話 オルエンデ村の思い出

 娘さんたちの分のグリムヴェルトフルーツを渡してから、自分たちの分のグリムヴェルトフルーツを取り出してナナと食べ方について談義していると、一人の男性に声をかけられた。


 話によると彼はこの村の村長で、キングゴブリンを倒し娘さん3人を助けてくれたお礼がぜひしたいとのことだった。


 彼は私たちが持っているグリムヴェルトフルーツを見ると、

「これはグリムヴェルトフルーツじゃないか。こんな貴重なものをこんなに沢山どうしたんだ⁉」

 と、言った。


 私達は、キングゴブリン退治の帰りに娘さんたちと収穫したと言った。

 なるほど……。と村長は納得する。


 村長曰く、グリムヴェルトフルーツの木は森の奥に生えているため、村人でもなかなか取るのは難しいとのことだった。


「グリムヴェルトフルーツは生で食べても美味しいがタルトにすると最高だぞ」

 そう村長は言ってから


「私の妻にタルトにしてもらったらどうだろうか……?」

 と、聞いてきた。


 私とナナは少し迷った後、お願いすることにした。


 村長の家に招待され、私達はしばらく休む。

 やはり、昨夜は通常の半分くらいしか寝ていないので疲れていた。

 私達は気付くと寝てしまっていたようだ。

 そして、コタローも一緒になって寝ていたようだ。


「できましたよ」

 村長の奥さんが声をかける。


 私とナナはハッと目を覚まし、眠い目をこすって奥さんの待つリビングに行く。


 そこにはおいしそうなグリムヴェルトフルーツタルトと、洗った生のグリムヴェルトフルーツがあった。


「「いただきます」」


 まずは生のグリムヴェルトフルーツからいただく。

 とろりとした食感と桃とマンゴーを混ぜてもっと濃厚にしたような味……!


「おいしすぎる……!」

 私とナナはバクバク食べた。


 そして、タルト。タダでさえおいしいフルーツが甘く煮込まれてタルト生地の上に乗っている。

 甘くておいしいフルーツ部分と、サクサクしたタルト生地の組み合わせが最高だ……!


「ありがとうございます……! 最高においしいです!」

 私とナナは、村長の奥さんにお礼を言って平らげた。


「それにしても、2人であのキングゴブリンを倒すとはすごいな」

 同席している村長が言った。


「いえ、私たちがのメインの戦力はこの犬のコタローです!」

 私は言う。


「なんと……! その小さな犬っころがか⁉」

 村長と奥さんは驚く。それも当然の反応だ。


「この子、魔犬ティルヴィングの魂を継ぐものらしくてとても強いんですよ」


 コタローは

「わん!」

 と、鳴いて尻尾を降った。


「なんという……! 素晴らしい名犬だな」

 村長と奥さんは口々にコタローを讃えた。


※※※※※※※※※※※※


 その夜、娘さんたちの無事と私たちの活躍を祝う宴が開かれた。


 コタローも大きな肉を貰ってご機嫌だ。

 私とナナはたくさんのおいしい料理を食べ、村人たちから賞賛の言葉を頂いた。


 そして、それが終わると、村に1件ある宿屋に泊まることになった。代金はいらないそうだ。


 部屋に入り魔法の地図をチェックしてみるが、とりあえずどこも光っていなかったので、私たちは安心して休む。


 何だかこの村はオルエンデ村に似ているな……。久しぶりにオルエンデ村に帰りたいな……。

 私はそんなことを考えながら眠りについた。

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