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第22話 グリムヴェルトフルーツ

 3人の娘さんに怪我がないか確かめると、皆大きな怪我はないようだったが、キングゴブリンに連れ去られる時にできた打撲や小さな切り傷があった。

 ナナが「ライフ・リカバリー」をかけてやる。


 ゴブリンが設置したと思われる松明で洞窟内は明るいが、外はもう真っ暗だ。

 夜の森を抜けるのは危険なため、私たちは洞窟内で一夜を過ごすことにする。


 コタローと私は洞窟の奥まで見に行ってゴブリンの残党がいないか確認したが、ゴブリンは1体もいなかった。

 とりあえず洞窟内は安全なようである。


 私たちはとりあえず洞窟の端で身を寄せ合うことにした。

「寒いですね……」

 ナナが言う。


 確かに布団も何も掛けてないので寒い。娘さんたちが風邪をひかないか心配だ。


 ……! 私はあることを思いついた。


「コタロー……! 今大きくなれる⁉」

 すると、コタローは金色の光に包まれ大きくなってくれた。


「コタロー! 横になって娘さんたちを温めてくれるかな⁉」

すると、コタローは言う通りに横になってくれた。


 娘さんたちはおっかなびっくりしながら、コタローの毛に体をうずめる。

「とても温かいです……」

 娘さんの1人が言った。


 よし……! これでオーケーだ。コタローは私以外になつかないけど、私のお願いは聞いてくれるし、優しい犬なのよね!


 私が先に見張りをして、半分くらい経ったらナナが見張りをすることにした。


 娘さんたちは色々疲れたらしくぐっすり眠っている。

 時間が経って私も眠くなってきた。


 ナナを起こして、見張りを変わってもらう。

 そして、私はコタローに体をうずめてぐっすり眠った。


 起きると外はすっかり明るくなっていた。娘さんたちももう起きている。


「村の人たちも心配していると思うから帰りましょう」

 ナナが言う。


 コタローは元のサイズに戻り、私に向かって尻尾を降った。


 また、3時間歩くのかあ……。私はちょっとだけ憂鬱になった。


 帰りは来た道を真っ直ぐ戻る。


「あ、グリムヴェルトフルーツだわ!」

 道の途中で、娘さんの1人が言った。手には美味しそうな紫色の丸い果実がある。


「これは……?」 

 私が聞くと


「グリムヴェルトの森名物、グリムヴェルトフルーツです! とても美味しいんですよ!」

 と、言った。


 ……確かに美味しそうだ。私はじゅるりと唾を飲み込む。


 気づくと周りの木に同じフルーツがたくさん実っていた。昨日はそんなことを気にする余裕もなかったから気付かなかったけど。


 娘さんたちは、グリムヴェルトフルーツを次々取った。

「持ちきれなくなりそうよ。かごはないかしら……?」


「かごはないけどアイテムボックスがありますから、好きなだけ取っていいですよ」

 と、私はアイテムボックスを取り出して言う。


「これが魔道具アイテムボックス!」

 娘さんたちはしげしげとアイテムボックスを見つめた後、またグリムヴェルトフルーツを取り始めた。


 娘さんたちは山のようにグリムヴェルトフルーツを取ってきたので全部アイテムボックスに入れた。


 そして、私たちは村に帰った。


※※※※※※※※※※※※


 村の人が家から出てきて、

「無事だったのか!」

 と、彼女たちの無事を喜ぶ。


 気づくと沢山の村人が出てきて、ちょっとしたお祭りのようになっていた。


「この方たちがキングゴブリンを倒して娘たちを取り返してくれたそうだ……!」

「なんと! 素晴らしい!」


 私とナナ、コタローは次々に村人に讃えられる。


「いやあ、王様からの依頼なんでね……」

 私は照れてよく分からない謙遜をした。


 ナナが思い出したように

「娘さんたちの取ったグリムヴェルトフルーツはどうしましょう?」

 と、聞いてきたので、娘さんたちに聞いてみた。


「少しこちらももらいますが、残りは助けてくれたお礼としてあげます!」

 と、言うのでどっさりグリムヴェルトフルーツを貰った。


 食べるのが楽しみだ!

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