第18話 異世界グルメ
人の背丈よりも大きく、額に角を生やした金色に輝く毛並みを持つ魔犬コタローは、勇敢にヴォルケーノヴァッファローの群れに向かっていった。
そして、相手に突かれるよりも早く、ヴォルケーノヴァッファローの脇を突く。
そして、嚙みつき攻撃も忘れない。
「コタロー頑張れ……!」
「コタロー君、そこよ!」
私とナナは物陰からコタローを応援した。
ヴォルケーノヴァッファローを4体ほど倒した時だった。コタローが1体のヴォルケーノヴァッファローに嚙みついていると、他の個体が脇から突進してきて、コタローはもろにそれを食らってしまった。
「キャウウン」
コタローの体が宙を舞う。
「コタロー……!」
私は悲鳴をあげる。
その時だった。ナナが
「ライフ・リカバリー!」
と、杖を掲げて唱えた。
すると、キラキラした光が現れ、コタローに吸い込まれて行った。すると、コタローは何事もなかったように立ち上がり、また勇敢にヴォルケーノヴァッファローの群れに立ち向かっていったのであった。
これがヒーラーの力なのか……!私は感心する。
「すごい! ナナ」
「これくらい、ヒーラーとしては普通ですよ」
ナナは得意そうだ。
その後は特に苦戦することもなく、ヴォルケーノヴァッファローの群れはコタローに倒されたのであった。
戦いの後、念のためにもう一度コタローには「ライフ・リカバリー」を浴びてもらった。
「コタロー……! 偉い! すごい!」
私は元の姿に戻ったコタローを抱きしめる。
「わんわん!」
コタローも元気そうだ。
すると唐突に、ナナがヴォルケーノヴァッファローの死体にサバイバルナイフを突き立て、肉を取っているのが見えた……⁉
「ナナ⁉ 何してんの⁉」
私は思わずこう尋ねる。
「ヴォルケーノヴァッファロー肉はおいしいんですよ。私たちが食べられる分だけとっておきましょう!」
と、言った。
ナナ……。何でもできるんだね。
そうして、肉を取り終えると私たちはヴォルケンの街へ向かった。
魔法の地図の光は消えていた。とりあえずはミッションクリアということだろう。
ヴォルケンの街に着くとナナは
「休みたいですね! ヴォルケーノヴァッファローの肉も調理してもらいたいし。昨日の温泉宿に行きましょう」
と、言った。
確かに、休みたい……。私は特に何もしてないけど。
そうして、昨日の温泉宿に行くことになった。
料理人に多めにチップを渡して、ヴォルケーノヴァッファローの肉を料理してもらうことにした。コタローの分も味付けなしの茹で肉を作ってもらうことにした。
そして、夕飯前にナナと温泉に入った。ミッションクリアした後の温泉は格別だ……!
そして、温泉から上がると、ヴォルケーノヴァッファローの肉料理ができていた。
豪快に焼いたステーキだ。
コタローにも茹で肉をやり、私たちも食べる。
じゅうじゅう焼けた肉をほうばる。
「おいしっ……!」
それは、少し辛い牛肉のような味だった。嚙むごとに肉汁が出てきてとってもジューシー
「おいしいでしょう?」
ナナが聞いてきた。
「うん……! おいしい。でもナナはどうしてそんな知識を?」
「冒険者になる時に魔物グルメ講座を受講したんですよ。だからちょっと詳しいんです」
「なるほど……」
魔物グルメ講座なるものがあるのかー。私は感心した。
その日は温泉宿に泊まった。
翌朝、魔法の地図を見ても光っている所はなかった。
「今日からどうしよう」
私が尋ねると、
「しばらくここに居てもいいんじゃないですか?」
と、いうので私とナナ、コタローは温泉観光地を満喫することにした。




