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第15話 新たなる冒険の幕開け

 そうして、ユキとナナ、コタローは夕飯を食べた後、空きのある宿屋にチェックインした。


 頼んだのは2人部屋だ。

 部屋に入っていなや、ナナが

「コタロー君はティルヴィングの魂を継ぐものなんですね! この小さなワンちゃんにそんな力があるんですね⁉」

 と、聞いてきた。


 私は、コタローが魔物の前では大きくなったり、光に包まれてファイアードラゴンの火の玉を食らっても平気だった事などを説明した。


 そして、どうやら力を使い過ぎると消耗するようで、後から弱ってしまう事があるということも伝えた。


「それで、ヒーラーの私を採用したんですね!」


 ナナは察しが良い。


「戦いとなったらコタロー君のことじゃんじゃん回復しちゃいますよー!」

そして、そう機嫌よく答えるのだった。


 それからナナとは色々な事を話した。

 彼女は孤児院で育てられ、院長に回復魔法の才能を見出されたこと。そして、しばらく院長の元で修業してから冒険者ギルドに登録したことなどである。


「院長先生はとても優しかったですよ。その院長先生に人の役に立つ仕事をしなさいって言われたから、今こうしてるんですよー」

「あ、まだ今のところ特に役には立ってませんけどね!」

 と、続けた。


 私は、

「これからきっと皆に感謝されるようなすごい役に立つ働きができるよ」

 と、フォローした。


「そういえばユキさんはどこ出身なんですか?」

 ナナは何の気なしに聞いてきた。


「えっ……」

 私は回答に困る。


 そして、少し考えてから

「東京都○○市という、この世界じゃない場所で生まれ、育ったの」

 と、言った。


 ナナはきょとんとする。

「どういうことですか⁉ そうすると、どうやってここに来たんですか⁉」

 と、聞いてきた。

 当然の反応だ。


「半年ほど前、車……ってのは機械でできた馬車みたいなものね。に、コタローと一緒に轢かれて、意識を取り戻したらこの国のオルエンデ村の近くにいたの」

 私は答える。


「なるほど……。よく分からないけどそういうこともあるんですね!」

 ナナはとりあえず納得したようだった。


 それから私はこの世界に来てからどうやって暮らしていたか、どうして王様から魔物退治を依頼されたかを説明した。


「なるほど……。コタロー君が最強の魔犬になったから、王様に依頼されたんですね……! よく分からないけど頑張りましょう!」


 ナナは理解できているのかよく分からないけど、そうやって私を元気づけた。


 その後、私たちはアイテムボックスに色々なものを詰め込んだり、装備を整えたりして明日からの冒険の準備をした。


 コタローは私の脇で丸くなって寝ていた。


 私たちはその後、寝床に入ると、またもや色んな話をした。院長先生は優しかったけど、孤児院での暮らしは厳しかったことや、私の元居た世界の色々な機械や、この世界の魔法の事など。そうして、気が付くと二人とも寝落ちしており、朝になっていた。


「わんわん!」


 コタローが吠える。


「どうしたのコタロー?」


 私がそう声をかけると、コタローはヴァン王宮書記官に貰った魔法の地図をくわえて持ってきた。


 私はそれを受け取り、見ると、

「光ってる!」

 しかし、私には地図の左側やや上が光っているということしか理解できず、それがどんな地方なのかは分からない。


 起きてきたナナが脇から地図を見て、

「これはゴルダ火山地方ですね! 早速行きましょう!」

 と、言った。


 そうして、私達は新たなる冒険に行くことになったのである。

 ゴルダ火山地方には、果たしてどんな魔物が待っているのだろうか……。

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