第13話 ヒーラーのナナ
能力鑑定が終わって、能力鑑定所から出た所で、私はふと思い出した。
コタローはファイアードラゴン戦では、戦いの後消耗していた。そんな時、村長さんが「ヒーラーが居ればすぐに直せるのだが」と、言っていたことを。
私は、ヴァン王宮書記官に
「冒険のパーティーを増やすのはアリですか⁉」
と聞いてみた。
すると彼は
「全然OKですよ。ただコタロー様が強いのでそんなには必要ないでしょうね」
と、答えた。
私は、ファイアードラゴン戦でコタローが消耗した事、ヒーラーという職業の人がいて欲しいことを伝えた。
「そういうことでしたら、冒険者ギルドでヒーラーで登録している冒険者から、良い人を探すと良いでしょう」
と、ヴァン王宮書記官は答えた。
「早速、冒険者ギルドに行ってみましょう」
そうして、彼は私をギルドまで案内した。
ギルドに入ると、冒険者風の人たち、大剣を差した剣士や杖を持った魔導士と思しき人たちがひしめいていた。
やっぱり異世界なんだなぁ……。
私は感慨深く彼らを見回した。
そして、受付のカウンターに並んだ。
順番が来ると、私はギルドの受付嬢に事情を説明した。すると、彼女は「ヒーラー」というタイトルのファイルを持ってきて、
「こちらの方から、パーティーに入れたいと思う人をピックアップしてください。後日、ユキ様の方で面談を行い、正式加入となるか決めてください」
と、言ってきた。
私は、ヒーラーのファイルを受け取り、案内された椅子に座ってヒーラーたちのプロフィールを眺めた。能力も書いてあるが、私にはよく分からない。
「酒が大好きな42歳 男です」
うーん……。私はお酒飲めないしなあ……。
「女の子大好きです!女の子と冒険したいです!」
こりゃダメだ……!
パラパラめくっていくと
「動物好きの21歳 女です!」
という、プロフィールが目に入った。
ナナという名前の冒険者で能力も悪くなさそうだ。
早速、ナナという冒険者を面談希望にすると受付嬢に伝えた。
すると、少ししてから
「ナナ様なら、本日の午後に面談可能です。面談はこちらにギルドにて行いますがいかがでしょうか?」
と、言われた。
私は、
「はい!」
と、答える。
そして、一旦ギルドでの用事は終わった。
ギルドから出るとヴァン王宮書記官が待っていて、
「良いヒーラーの求人はありましたか?」
と、聞いてきたので、私は、
「はい……。まだ、一緒に冒険してくれるかは分からないけど……」
と、答えた。
※※※※※※※※※※※※
そして、午後
私は、ギルド2階の面談室にて、コタローとともにナナを待っていた。
そろそろかな……。
コンコン
ドアがノックされると、
「失礼します! ヒーラーのナナです!」
と、待ち人が入ってきた。
ナナは若く健康そうな顔で、杖を持ち、そして少し短いスカートを履いている女性だった。
そして、すぐにコタローを見つけると
「わぁ! 可愛いワンちゃん!」
と、言った。
「わんわん!」
コタローは吠える。
「なでてもいいですか⁉」
と、ナナが聞いてきたものの、なでようとすると、コタローが牙をむいて威嚇してきたので、すぐに手を引っ込める。
「ごめんなさいね。私以外にはいつもこうなの」
私が謝ると、ナナは
「いいえ。そういうワンちゃんっていますものね」
と、理解してくれた。
うんうん……。良い子そうだ……。
そして、ナナは
「自己紹介が遅れましたが、私は、ヒーラーのナナ・シュタイン、回復魔法には自信があります!」
と、自己紹介した。
私は、
「私は山田ユキ、こちらは犬のコタロー、コタローは魔犬ティルヴィングの魂を継ぐものだそうです。私には何の能力もありませんが……」
と、自己紹介した。
そう言うと、ナナは、
「ティルヴィングの魂を継ぐもの……⁉ この可愛いワンちゃんが⁉ すごい! そんな方たちと冒険出来たら最高です!」
と、やや食い気味になる。
「私もあなたをパーティーに加えられたら心強いです」
「光栄です!」
こうして、ヒーラーのナナを冒険のメンバーに加えることが決まったのであった。
このお話を読んでいただきありがとうございます。いつもは書かないあとがきを書きます。
ユキとコタローの冒険も、ナナという新しい仲間を加えて新しいステージに進みます。そんなキリのいいタイミングなので、読んでくださった方にお願いがあります。
もし、このお話が面白かったり、先が気になるなどありましたら、是非とも評価やブクマをいただけると幸いです。泣いて喜びますんで(笑)




