表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
12/34

第12話 コタローの能力

 私の予感の通り、アーデル国王は魔物退治を頼んできた。


 魔物……。それに、魔王退治まで……。

 私はオルエンデ村でのんびり暮らしたいのに……。それに、いくら強いとは言え、コタローにあんまり無理させたくないよ……。


「どうした、これは非常に名誉なことだぞ」


 黙り込んでしまった私に王様はこう言う。


「当然、冒険費用は王宮持ちだ。宿屋なんかも当然タダだぞ」


「……」


「もちろん、討伐の際には褒美をたっぷりやるぞ」


「……」


「これは、この国、ひいてはこの世界の、魔物で困っている人たちを助けることになるんだ!」


 その時、コタローが

「わん!」

 と、鳴いた。


「どうしたの?コタロー。皆を助けるために旅に出たいの?」

 私はそう聞いた。


「わんわん!」

 コタローは鳴いて答える。


 そっか……。コタローが行きたいなら……。


「分かりました!魔物の討伐の旅に出ようと思います!」


 私はそう答えた。


「よしっ!決まりだな」


 王様がはっはっはっと笑う。


「旅の細かい準備などはヴァンに教えてもらうが良い」


 ヴァン王宮書記官が

「はっ」

 と答えた。


 そうして、私とコタローは魔物討伐の旅に出ることになったのである。


※※※※※※※※※※※※


「まずコタロー様とユキ様には能力鑑定を受けてもらいます」

 王宮事務局に戻ると、ヴァン王宮書記官はそう言ってきた。


 能力鑑定……? 随分ゲームっぽいんだな。私は思った。


 そして、「能力鑑定所」という看板が掛かった建物に連れていかれた。


 中に入ると、なんだか怪しげなひげもじゃのおじいさんがいた。これが能力鑑定士さんなんだろうか?


「むっ……!」

 おじいさんはコタローを見るやいなや驚いたような声を上げた。


 コタローは

「ヴヴヴ……」

 と、警戒のうなり声を出す。


 それも気にせずにおじいさんはコタローを舐めるように観察した。

 そして、


「これは、すごい!」

 と、言った。


「どんな感じの能力ですか!」

 付き添いのヴァン王宮書記官が、すかさず尋ねる。


 すると、おじいさんは

「この犬は、ティルヴィングの魂を継ぐものじゃ!」


 と、答えた。

 ヴァン王宮書記官は

「す、すごい!本当にティルヴィングの魂を継ぐ犬が現れるなんて……!」

 と、言いながら涙を流した。


 私はティルヴィングのすごさも知らないのでイマイチ話についていけない。

 それに、ファイアードラゴン戦では消耗していたし、本当にそこまですごいのだろうか……? と、思った時おじいさんがその疑問を打ち消すようなことを言った。


「まだ、この犬は本当の力を出し切っていない」


 そうなのか……!コタローまだ強くなるのかぁ……!


「本当の力はさらなる強敵との戦いで発揮されることになるだろう……」


 こうおじいさんは続けたのであった。

 そうして、コタローの能力鑑定は終わった。


 私はコタローがとても頼りがいある姿に見えたのであった。




「そして、そちらのお嬢さん」


 おじいさんが私に近くに来るよう促す。


 そしておじいさんに舐めるように観察された。ちょっと恥ずかしい。


「私には何か能力がありますでしょうか?」

 と尋ねると、


「うーん」

 おじいさんにはしばらく考え込んでしまった。そして、


「コタローの飼い主、という能力じゃな……」


 と、言われた。「コタロー飼い主」そのまんまじゃないか⁉


「あの、何か魔法が使えたりは……?」


「特にないな……」

 おじいさんにそう言い切られてしまった。


 しかし、おじいさんはフォローするように

「コタローの飼い主とは、ティルヴィングの魂を継ぐものの飼い主じゃ。唯一この気難しい犬と心を通わせることができるのは、特別な事じゃ……!」


 と、言ってくれた。

 そう言われると、嬉しい気がした。コタローの飼い主でよかった!


 こうして、私の能力鑑定も終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ