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第10話 王都からの呼出

 ファイアードラゴンを何とか撃退し、私とコタローはまた異世界スローライフを満喫していた。


 普段はエヴァおばあさんの畑の手伝いをして、たまに釣りをしたり……。そんな日々が続くと思っていた。


 しかし、そう上手くはいかないものである。


 ある日、突然に、ヴィル村長の家に呼ばれた。村長は何だか苦い顔をしている。


「突然だが、ユキ様とコタロー様に王都から来てほしいという命令があった」


 そして、村長は私に手紙を見せる。


 中には、


「コタロー殿、ユキ殿へ。 至急王都の王宮事務局に来ていただきたい。これは王命であるので必ず守るように。   

ヴァン・F・セスタス王宮書記官より」


 と、書いてあった。


「えっ、私何か悪いことでもしたんですかね⁉」


 私は焦って村長に尋ねる。


「いや、そんなことではないと思うのだが、このまえのファイアードラゴン討伐の活躍が王様の耳にも入ったからではないかと思う……」


 村長は相変わらず渋い顔で答える。


「王命だから守らなきゃならないんですね……」

 私は憂鬱と不安が入り混じった気分になる。


「行ってみないと具体的に何の用なのか分からないが、行くしかないだろうな」


 ヴィル村長もそう答える。


「ユキ様とコタロー様にはずっとここにいて村の防衛を頼みたかったんだがな……」

村長はそう続けた。


「確かにそうですよね!私たちがいない間に襲撃があったりしたら心配です!」

 私もずっとここにいて村を守っていたい。だからそう答える。


「代わりに王都から5人の騎士様が派遣されるそうだ」

 ヴィル村長はそう言った。。


「だから、まあレッドドラゴンとかが来なけりゃ当面は大丈夫だとは思う」

 と、彼は続けた。


「だから行くしかない、か……」

 私は自分に言い聞かせるようにこう言った。



※※※※※※※※※※※※※※※※


 着替えや食料を、エヴァおばあさんにもらったリュックに詰めて、王都行きの準備を済ませた私は、早朝コタローとともに馬車で村を出ることになった。


 村の皆が見送ってくれる。

 エヴァおばあさんは泣きながら

「達者でねー!また戻ってくるんだよ!」

 と叫んだ。


 私も泣きそうになる。ぐっとこらえて

「必ず戻ってきますー!」

 そう言うと、馬車に乗り込んだ。


 御者が、

「出発しますか?」

 と尋ねるので、私は、

「はい、お願いします」

 と答え、馬車はゆっくり村を出るのだった。




 ユキとコタローの新たなる冒険が始まろうとしていた。


 馬車に揺られて1時間も経つと、ユキは眠り込んでしまった。前日は準備で遅くまで起きていて、今朝は早朝に起きたので眠かったのだ。コタローも隣で丸まって寝ている。


「王都に着きましたよ」


 御者がそう言う。

 ユキはハッと目を覚ます。何時間眠り込んでいたのやら。外はもう真っ暗になっていた。

 そして、「王都」、と言われたそれは、堅牢な壁に囲まれた大都市であった。奥の方に城らしき高い建物も見える。


「ここから先は一般の馬車は立入禁止なので降りてください」

 御者にそう促され、ユキはコタローを抱いて降りる。


「ありがとうございます」

 そう言い、御者に代金を渡して、王都をきょろきょろ眺める。賑わっている居酒屋らしき建物がいくつもある。そして宿屋や、よく分からない魔法道具などを売っているお店などがあった。

 どれも、ユキたちが住んでいた村とは比べ物にならない賑わいである。


 王宮事務局はどこだろう……?


 通りかかった人に勇気を出して尋ねると、王宮事務局の場所を教えてもらえたが、あいにく今日はもう夜だから閉まっているらしい。


 ユキたちは明日の朝、王宮事務局を尋ねることにした。


 近くの宿屋に行って泊まれるか聞いてみたら、空きがあるとのことだったので、泊まることにした。コタローも一緒に泊めてくれるか心配だったが、この世界の宿屋はあまりそう言うことを気にしないらしく、一緒に泊まることができた。


 翌朝、宿屋の朝食を食べると、ユキたちは王宮事務局に向かった。

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