戦っちゃいました! その2
カスピエルはアモンに向かって走り出す アモンは向かってくるカスピエルに銃口を向けて1発撃ち込んだ
放たれた弾丸がカスピエルの右腕上腕部を貫く
「うぐぅっ...!!」
「それでもカスピエルは止まらずにアモンの近くまで行った そしてカスピエルの右足がアモンの顔めがけて蹴りにいく
しかしその蹴りは空を切る アモンが顔を反らして避けたのだ
アモンがカスピエルの唯一地面についている左足に弾丸を1発撃ち込む
「ああっ!!」
蹴りが空を切った反動と左足に受けた弾丸の痛みでカスピエルは体勢を崩し倒れる
「おいおいおい、お前さっき俺になんて言ったんだっけなぁ~? う~んとぉ~? そうだそうだ、確か~...『必ず倒します!』 だったかなぁ~? 『あなたを倒して下界の平穏を取り戻します!』 とも言ってたなぁ~? なのに現状はどうだ? 逆に倒されちまってるじゃねぇか!」
アモンはカスピエルの真似をして笑う
「・・・っ!」
カスピエルはアモンを睨む
「いい目だな...お前が天使なんかじゃなくて悪魔だったなら惚れてたぜ。」
「たとえ私が...天使では...なく悪魔だったとしても...あなたのような狂気に囚われている方は...好きにはなりません...!」
「悪魔は皆狂気に囚われているようなもんだぜ? お前も悪魔だったら今の思考と大分変わるさ。 真逆とまでは言わないがな。」
「だとしてもあなたはタイプじゃないですね...!」
実戦経験が無いとこんなにも劣勢になるものなんですね... 帰ったらウリエル様に実践での戦い方を教えていただきましょう...
「それじゃあ終わりにするか。 命乞いでもするか?」
「冗談言わないで下さい。 私は負けません。」
「おいおいおい、お前まだ勝てる気なのか? 天使ってのは案外頭が悪いんだな。」
たしかにこの状況でかつのは絶望的です ですが勝算が全くないわけではありません 手さえ触れることができれば運命の書で...!
「それじゃぁな、哀れな天使よ。 せめてお前のことは覚えとい...」
カスピエルはかぶっているキャップ帽子を左手でアモンに向けて投げる
「なっ!?」
カスピエルの予想外の行動にアモンは怯む
「悪あがきだぜ!!」
アモンは銃を持ったままの右手でキャップ帽子を弾く
「!? 居ない...だと?」
「ここですよ。」
「しまっ...」
カスピエルはアモンの背後から背中に左手を押し付けた するとカスピエルの左手が触れた箇所に金色の文字で『体から悪魔が追い出される』 と浮かび上がる
「ぐわあああああああああああああああああああああああ!!」
「どうやら効果は絶大のようですね。」
「て...てめえええ! なにしやがったああああああああああ!?」
「すぐに分かりますよ。 ほら。」
「!?」
アモンの体が金色に光って倒れた
「悪魔は本来、冥府にて存在できる者たち。 そのあなた達が下界で存在する方法は人間に憑依すること...ならば憑依されている人間から追い出してやればいい。 そうすれば...」
アモンが倒れている近くで緑色の炎が牛の顔をした人型へと変わる
「悪魔はやがて消滅する。」
「・・・正直、驚いたぜ...。 まさかあの状況から俺をここまで追い詰めるとはな...。」
「自分でも出来すぎだと驚いています。」
「そうか。 だが誇っていいぜカスピエルよ。 お前ら天使が仕えている神様とやらは俺達を封印するのがやっとだった。 その点お前は俺を消滅に追い込んだ...お前の勝ちだ。」
「私は神様からお力を頂いているんです。 ならば神様の勝ち言えるでしょう。」
「いいや、それは違うぜ...力というのは持っているだけじゃ何の意味もない。 その力を如何に使えるかが重要なんだ。」
「・・・。」
「だから俺も最期くらいは自分の力でお前を道連れにするぜえええええええ!!」
アモンは口から緑色の炎をカスピエルに向かって吐く その炎は放射状となってカスピエルを襲う カスピエルはバックステップで後ろに下がるが炎はカスピエルの上半身を焼く
「くぅっ...! 熱くて痛い...!」
「まだだ!」
アモンは両手を前に突き出す するとその両掌の前に剣の形にされた緑色の炎が出来上がった
「剣!?」
「これでお前を...」
アモンの両手が崩れ去った
「・・・時間切れか...。」
「はい...終わりです...。」
「さらばだカスピエル...精々頑張りな...」
アモンの体は灰となって消えた
「・・・。」
「エルさん!!」
紫苑が1人で戻って来た カスピエルは振り返る
「紫苑くん!? どうして戻っ...」
「エルさんを守...!?」
紫苑が鼻血を噴き出して倒れた
「紫苑くん!?」
カスピエルが慌てて紫苑のもとへと走り、紫苑を抱える
「大丈夫ですか!? しっかりしてください!!」
紫苑は揺さぶられて意識を取り戻す
「エ、エルさん...服が...」
紫苑はカスピエルから顔を背けて言った
「? ええ、ちょっと炎で焼けてしまいました。 それより早くここから去りましょう!」
「・・・は、はい。」
2人は立ち上がる
「エルさん...これを着て下さい...。」
紫苑が自分の着ていた上着をカスピエルに渡す 顔を背けたままで
「? ありがとうございます。」
2人はデパートの裏口から外へ出た
「エルさん、あの男を1人で倒したんですか...?」
「ま、まあそんなところです。」
「すごいですね...俺なんかエルさんを助けれない自分が...」
「そんなことないですよ。 紫苑くんが助けに来て下さった時は私、とっても嬉しかったです。」
「・・・!」
そしてカスピエルは上着を紫苑に羽織らせるように返し、耳元で囁く
「ありがとう。」
紫苑は振り向くがそこにカスピエルの姿はなかった




