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戦っちゃいました! その1


いつものようにカスピエルは天界から下界へ降りた しかし今回の服装は違った いつもは水色を基調としたひらひらしているドレスを着ていたが、今回は白い半袖(はんそで)のTシャツに青の短パン、そして白のキャップ帽子(ぼうし)を深くかぶっていた


視察の時はウリエル様からドレスを着て行くようにと言われていましたが...紫苑くんと会う訳にはいきません だからあまり目立たない服装にしてみました 下界のふぁっしょんし?を参考にしてみたのですが...大丈夫でしょうか?


「エルさん...?」


「!?」


カスピエルの背後からカスピエルを呼ぶ男の声がした カスピエルは聞きなれたその声の方を振り向いた


振り向くとそこには私服姿の紫苑が立っていた


「やっぱりエルさんじゃないですか。」


「・・・どうしてですか?」


「え?」


「どうして私だと分かったんですか? だって、前とは服装も違いますし...顔だって帽子を深くかぶって見えにくくしたんですよ!?」


「どうしてと言われても...なんとなくエルさんに見えたってところです...。」


「なんとなく...?」


「エルさん、今お時間ありますか?」


「え?」


「これから家に帰って蒲公英(たんぽぽ)と公園に行く予定なんです。」


もしかして、お誘いをいただいているのでしょうか...? でも私はもう紫苑くんとは...!


「もし、よかったら...エルさんも一緒に...」


紫苑のその言葉でカスピエルは一瞬驚いた しかしすぐに表情を冷静にした


「すみません...。 私は...一緒には行けないです...。」


「そ、そうですか...。 すみません、いきなりお誘いして。」


「いえ...。」


紫苑はとても悲しそうな表情になった


「それじゃ...また。」


紫苑は帰って行った


紫苑くん、すみません 私だって本当は紫苑くんと過ごしたいです...でも私は天使で紫苑くんは人間......決して結ばれてはいけない禁忌の恋なんです... だから私は紫苑くんのことを諦めるとウリエル様とお約束しました 紫苑くんもどうかいい人を見つけて下さい 紫苑くんが素敵な方(かた)と巡り会って幸せになることを願っています


「・・・まさかいきなり服装を変えた意味がなくなるとは思いませんでした。 でもこれで紫苑くんのことを気にせずに視察が...でき...ますね...。」










カスピエルは街(まち)の中(なか)をひたすら見て回った しかし異変(いへん)らしい異変は確認できなかった


神様がこんなに早いペースで私を視察に行かせるのはきっと下界で何かが起こっているか、起こるということなのではないでしょうか? だとしたらお店なんて回っている場合ではありません! 早く手がかりを掴(つか)まなくては...


カスピエルが商店街の中にある4階建てのデパートの前を歩いている時だった デパートの4階の窓が割れて緑色の炎が燃え盛っていた


「!? 火事!? でもあの炎の色は...? ・・・緑?」


カスピエルはデパートの中へ入る 階段を駆け上り4階に着いた


「!!」


カスピエルの視界に映ったのは30人程の男女が一か所に座っており、その前に拳銃を持ったショートヘアで大学生くらいの男が立っていた


さらに運命のいたずらか、その30人程の人達の中に紫苑と蒲公英も居た


「エルさん!?」


「ああ? なんだてめえ?」


男は拳銃の銃口をカスピエルに向ける


「わざわざ上って来たお嬢さん、てめえから殺してやってもいいんだぜ?」


「なぜこんなことをするのですか!?」


「力を試したいからだよ!!」


「ならばもう気が済んだはずです!」


「お前が決めることじゃねえんだよ!」


「いいんですか? 私は本当のあなと同じ次元(じげん)の者ですよ?」


「!! ほう...まさか俺と協力しようってのか!?」


「・・・ここにいる人達を全員解放してください。  その後にあなたのお話も伺います。」


「・・・いいだろう。 お前らもういいぜ。 出ていきな。」


それを聞いた囚われた人達は最初困惑していたが切り出した1人の後に続いて走りながらデパートを後にした


「エルさん!」


「てめえも早く帰りやがれ!」


「エルさんも! 危ないですよ! 俺があなたをまも...」


「紫苑くん!」


「は、はい!」


「蒲公英ちゃんを連れて早く帰ってください。」


「で、でも...!」


「早くっ!!」


「!?  はい...。」


紫苑は蒲公英と一緒にデパートの外へ出た


「これで邪魔者は居なくなったな。 さあ! 教えてくれよ! 今どうなっているんだ? 俺以外の封印されてた悪魔達は全員蘇ったのか?」


「なるほど...やはりそうでしたか。」


「・・・あ?」


「炎を見て不思議だったんです。 なんせ炎の色が緑色なんですから。」


「おい、いったい何を...」


「かつて神様に封印されし悪魔...アモン。」


「!? どうしてそれを!?」


「本に書かれていたんです。 緑色の炎を操る悪魔であり」


「てめえは...」


「『味方を信用し疑わないため騙しやすい』と。」


「なにもんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「私は熾天使ウリエルの弟子、上級天使・カスピエルです!」


「て、天使だとぉ~!?」


「下界の異変はあなたのことだったみたいですね。 あなたを倒して下界の平穏を取り戻します!」


「クククク...! 上級天使ごときが俺を倒すだと? 判断を誤ったな! 俺を倒すのなら熾天使の方を連れて来るべきだった!」


「あなた程度にウリエル様のお手を煩わせるわけにはいきませんから。」


「ならば倒してみせろ!! 悪魔を侮(あなど)ったこと後悔させてやる!!」


「必ず倒します!!」



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