邂逅
商店街からかなり離れた住宅街にある一軒の家 3階建ての清潔感溢れる家に紫苑はカスピエルを連れてきた
勿論、紫苑は商店街からカスピエルをおんぶしてきたのだ 紫苑は肩で息をしている
「エル...さん、着きました...俺と...蒲公英の、家です...。」
「うー?」
カスピエルは不思議そうに紫苑と蒲公英の家を見る
「それじゃあ入りましょう。」
「うう。」
紫苑は右ズボンのポケットから家の鍵を取り出しドアを開ける 2人は家に入った
「おかえりおにぃ...!? エルさん!?」
蒲公英は驚く
「そうだよ。 ちょっとリビングのソファまで連れて行くから先に行ってて。」
「うん!」
3人はソファに座る 紫苑とカスピエルが同じソファに横並びで座り、テーブルを挟んだ向かい側に蒲公英が座った
「蒲公英、落ち着いて聞いてくれ。」
「うん。」
「エルさんはどうやら記憶喪失らしいんだ。」
「記憶喪失?」
「ええと...『一緒に過ごした思い出』 だったり、『友達のことや自分のこと』 を忘れちゃうことなんだ。」
「エルさんは蒲公英のこと覚えてないの...?」
「ああ...。 それに話してみた感じだとどうやら『言葉』 も忘れちゃったみたいなんだ。」
「そんな...!」
「だから蒲公英、俺はエルさんが記憶を思い出すまで家に居てもらおうと思う。」
「ほんと!?」
蒲公英が目を輝かせる
「エルさんの家も知らないからこうするしかないと思う。」
「でもパパとママは大丈夫かな...?」
「大丈夫だよ。 どうせ海外出張中だから帰って来ないよ。」
「・・・うん。」
「だけどな蒲公英、エルさんが記憶喪失ってことは色々と教えたり手伝わないといけないんだ。 お兄ちゃん1人じゃ大変だから蒲公英も手伝ってくれるか?」
「うん! 蒲公英もお手伝いする!」
「ありがとう。」
「あうー?」
蒲公英がソファからおりてカスピエルの方へ歩く
「エルさん、よろしくね!」
蒲公英はカスピエルに抱き着いた カスピエルは喜ぶ
「ううー!」
「カスピエル様...! いったいどちらにいらっしゃるのですか!?」




