滅亡した超科学文明
第9話 滅亡した超科学文明
先ごろ、探査船フリーダムフォレスト号の探査機ドローンが、一枚の航空画像を送ってきた。
ジャングルの奥深くに、不思議な文様の人工物を発見した。
あの伝説の超古代科学文明都市、エルドラールではないかと議論された。
エルドラール。
それは何世紀にも渡って、冒険者や研究者達が必死に探し求めても見つからなかった幻の都である。
エルドラール。
それは神秘に満ちた超古代科学文明だった。
「これは大発見ではないか!」
キャプテン・スレインは興奮して言った。
「確かに、これがあのエルドラールなら大発見だろう。」
「実際によく調査しないと分からないがな。」
「やっと俺達、仕事らしい仕事を始めたな。」
そして直接エルドラールに行って調査することになった。
キャプテン達は、魔物を倒しながらエルドラールの中心を目指す。
「これがあの伝説のエルドラールか。」
「今はただのジャングルですね。」
「それにしても、植物とモンスターだらけだな。」
そう言うとキャプテン・スレインは、ビームライフルで魔物トレントを撃ち抜いた。
キャプテン・スレインは木や草の間に石のブロックを発見した。
「おい! あれじゃないのか?」
「おおお!」
思わず周囲の者達から驚きの声が上がった。
キャプテン・スレイン達は遺跡に近寄った。
明らかに人工的に作られた、石でできた建造物だった。
「これは凄い!」
「全部撮影して記録するんだ。」
「やってますよ。個人用にも動画を保存しておこう。」
石のブロックには不思議な文様が刻まれていた。
「なんだ? この絵は?」
壁画には絵と文字が書かれていた。
「これは、何かの事件か歴史が書かれているのかもしれないな。」
「重要な情報は全て記録しろ。船に戻って後で解析しよう。」
「わかりました。」
キャプテン・スレインの指示で、施設にあった壁画を調査のため記録していった。
「キャプテン・スレイン。」
「なんだ?」
ギルバートが探査端末を見て言った。
「この地下に金属反応があります!」
「おお! でかしたぞ、ギルバート。」
早速地下の倉庫に行ったところ、様々な金属が地下の倉庫の中にあった。
「この金属で船のエンジンを直せればよいがな。」
「一応持ってきた簡易アナライザーで金属分析してみますね。」
「うむ。」
「もし使えそうな金属なら、持ち帰ろう。」
ギルバートは簡易アナライザーで分析をおこなった。
「キャプテン。これはなかなかの金属ですよ。」
「使えそうか?」
「かなり使えます。」
「それでは、探査車を持ってきて運ぶとしようか。」
キャプテンは端末で探査車をオートモードでこの場所へ誘導した。
遺跡の調査と金属の回収を済ませると、探査船に帰還した。
船に戻ると、遺跡情報の解析に移った。
「キャプテン、これは一体どういう事なんですかね?」
「なにが、どうなんだ?」
セドリックが画像をキャプテンに見せて説明した。
「この壁画の絵と文章を解析したのですが、古代文明に大事件があったと書かれていました。」
「ふむふむ。それで?」
「はい、この壁画を見て下さい。」
モニターの画像が壁画に切り替わった。
「わかりますか?」
「何か、こう、人が魔法を使った絵か?」
「はい、そうです。その通りです。」
セドリックは次の絵を見せた。
「この絵は、魔法を見た人が科学道具を捨てて、魔法の杖を握っています。」
さらにセドリックは次の絵を見せた。
「そして、これを見て下さい。」
「魔法の杖を握った人の後、科学文明都市が燃えて廃墟になっています。」
「つまり魔法を手に入れた超科学文明都市の人が、科学を捨て魔法を手に入れたんですよ!」
「それって、俺達と同じような事をやったんじゃないか。」
「そうです。魔法に魅入られて科学文明を捨てたんです。」
キャプテンは古代文明都市エルドラールの謎をついに見つけ出したのだった。
しかし魔法により脳を焼かれたクルー達と同じような現象が、エルドラールにも起きていた事に衝撃を受けた。
古代文明の人達は、魔法に魅入られた。
宇宙船を作るほどの科学力があったのに、魔法の偉大さを知り頭を焼かれて、科学文明を捨てた。
「これが真実ならば、滑稽な末路だな。」
「実に滑稽な終わり方ですね。」
「しかも、我々と同じだから笑えないな。」
「確かに……。」
探査船フリーダムフォレストのクルー達は複雑な心境だった。
◆
エルドラールの地下倉庫からは、アダマンタイト、オリハルコン、ヒヒイロカネ、ミスリル等を回収していた。
これで破損したエンジンパーツを修理し、帰還することができそうだった。
早速、破損したエンジンパーツを工作室で作成することになるのだが……。
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