12.結:可愛いウサギさん
ガルード「が、がはは……! 証拠がなんだ! ここで、お前たちを黙らせれば、そんなものは関係ねぇんだよ!」
ガルードが腰のポーチに手を当てれば、巨大な大剣がその手に現れる。後ずさるレミリ。
ラビィ「おや?黙っていればいいのですか?では、勝負にしましょう」
再び、にっこり笑うラビィ。呆気にとられるガルード。
ラビィ「一対一、お互いに命は奪わない。
私が負けたら、黙る、ということで。
私が勝ったら、大人しくなってもらいますよ?」
ガルード「今更ビビったのか!?」
ラビィ「いつでも怖いでしょう。人の命を奪うなんて真似は」
ラビィが外装を脱ぎ、武器を構える。現れるラビィの肢体に張り付くバニースーツに、ガルードが舌なめずり。
ラビィ「ああ、相手を好きに出来る、という条件の方が分かりやすかったですか?」
妖艶に微笑む、ラビィ。
ガルード「一晩中、可愛がってやるよ!」
剣身を寝かせて激しく振り回すガルード。ラビィは一度目のステップで刃を避け、二度目のステップで懐へと接近。そのまま、相手の顎をカチ上げる。
ラビィ「失礼な、私は24時間365日可愛いのですよ?
あ、もう聞こえてないみたいですね」
白目を剥いて崩れ落ちるガルードに近づき、その服を引きちぎり、腕を固定するロープにするラビィ。
レミリ「ラビィ……アンタって…何者?」
ラビィ「『今は』ラビィ・バニッシュ。ウサギさんです」
真顔でうさ耳ポーズのラビィ。
場面、店の中に。
顔に袋を被せられ、椅子に縛り付けられたガルード。
口には布が詰め込まれている。
ラビィ「全ての証文は押さえました。店員にされていた、彼女達の分も。
今は、しかるべき機関に向かってるところでしょう。無論、キチンと着替えて」
呻くガルード。関心のなさそうなラビィ。
ラビィ(ネタばらしをしてしまうと、アリスは私の外套の中に居ました。
トイレで別れて、ガルードが店から出たら、証文を捜索するように頼んで。
万が一、というのは大事です。ちなみに、今は先ほどのお庭に行って貰いました。
教育に悪いので)
ラビィ「悪徳商人に苦しめられる、娘。ありがちな脚本です。ですが、私には想像力があります。
金を、時間を、なにより尊厳を奪われた彼らの怒りを思えば、八つ裂きでも足りないと考えますが、どうですかね?」
いっそう呻くガルード。
ラビィ「ですが、私にはその権利はありませんし、勝負の際に、命の保証はしてしまいました」
少し大人しくなるガルード。
ラビィ「なので、その権利を持ち。お前の命の保証をしていないゲストに、来て貰いました。
おや?頭に落としたら大変なことになってしまう金属の塊も持ってますね」
レミリ「……ガルード」
再び、わめくガルード。
ラビィ「では、不詳ラビィ・バニッシュ。カウントを始めます。10、9、8、7、6、5…」
暴れるガルード。椅子は倒れ、股間は濡れる。
ラビィ「4、祈りは十分ですか?
3、後悔は?
2、地獄というのは酷く恐ろしい所らしいですよ?
1、どうか苦しんで……ゼロ」
轟音。ラビィが武器で床、ガルードの頭の横に打ち付けた。ガルード失神。
ラビィ「……よかったのですか?レミリ」
レミリ「うん。これ以上、触れたくも…触れさせたくもないの…」
金床を抱きしめるレミリ。ラビィは背をさすりながら、庭に連れ出す。
ラビィ(…本来なら、もっとスマートに解決するはずでした。
町で証言を集め、従業員からもヒントを得て、レミリのこれまでの働き分のお金も回収出来るのが、『ゲームのクエスト』。
店の前に来たのも、様子見のつもりでした。
ですが、レミリの父をバカにするガルードの言葉に、『私が』我慢出来なくなってしまったのです)
俯く、ラビィ。
ラビィ(ゲームでこのシナリオは知っていました。その時は、ここまで感情は動かなかったのです。
でも、実際に出会ったレミリは私に親切にしてくれました。
そんな親切なレミリは、町の色んな施設を教えてくれたのに、『鍛冶屋』だけはそこに入っていませんでした。
それは、きっと、彼女の中でこの町の『鍛冶屋』は今でも……)
アリス「お姉ちゃん!」
ラビィ「おや?どうしました、アリス?」
アリス「女神様の像が汚れてるの、お掃除してあげたいけど、ダメ?」
ラビィ「…そうですね。後で、また来ましょうか?」
レミリ「ううん、今掃除しちゃおっ。アタシもしたいから、ね?手伝ってくれる?ラビィ?」
ラビィ「…ええ、お任せください。ウサギはとても綺麗好きなのです」
3人で掃除するシーン。エイプリルの町に夕日が広がる。
祈りを捧げるラビィ達の後ろから、声を掛ける長身の女性
憲兵「失礼、アナタがラビィさん?」
ラビィ「ええ、そうですが…」
憲兵「町での私闘、建築物の破壊についてお話があります。ご同行願います」
ラビィ・アリス・レミリ「「「……え?」」」
【次回、レミリさんちのバニーガールに続く】




