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第七十七話 〜未来の戦闘〜

おはようございます!!

前回突如として現れた濡れ女という妖怪。

今回は賀茂さんの言いつけのもと、未来達だけで戦闘を行います。

やっと自ら戦えるようになった未来の初の戦闘です!

お楽しみください!!

「いきなり!?」

 

 賀茂さんから私たち2人で妖怪を退治してみろとの依頼があった。確かに賀茂さんは私たちが戦う場面を見たことはない。この機に私たちの戦いぶりを見て今後の指導の参考にするようだ。

 

『まあ、いいだろう。どのみち、あやつは倒さんとならんからな。』

「そうだね!じゃあ、私達の修行の成果を見せてあげようか!!」

 

 そう、結構忙しい日々を過ごしていたけど、私達もなにもしていなかったわけではない。自宅に帰ってからはお父さんと陰陽師の基礎的な訓練と私にあった陰陽的施術をしてもらったり、空亡やソラと一緒に戦闘における立ち回り方などを教えてもらったりしていた。ただ今回が実戦としては初となるので、少し緊張はある。

 

『未来、大丈夫だ。』

 

 空亡は私の気持ちを汲んで、言葉をかけてくれた。

 

「うん、ありがとう。……よし!!いこっか!!」

 

 ―妖怪の倒し方は2通りある―


 一つは消滅させること。これは直接的に妖怪が許容できないダメージを与えること。簡単に言えば、殺す事だ。人間でも、多大なダメージを与えれば死に至る。妖怪の場合はそれが物理的ではないというだけ。

 二つ目は封印する事。これには様々な制約もつくが自分より格上の相手にも有効である。

 

 空亡から託された図録は後者の封印を施すものである。

 それによって、私のような駆け出しでも、格上の妖怪を封じることができる。そして、この図録の封印は封印後に徐々にその妖怪の妖力を吸い取り、後に消滅する事になる。……らしい。まだ、体験した事がないので、空亡から教わった知識でしかないが……。

 炎烏天やソラが封印されていた物は封印ではあるが、その後の消滅までは至れない。

 この図録は消滅まで(いた)れる唯一無二の至宝の図録である。

 ……初めてこの話を聞いた時は、震えが止まらなかった。そんなものを持っていたのか……。


 これを踏まえて、私達の戦闘様式は前衛を空亡、後衛に私とソラ、ソラは状況に応じて前衛のフォロー。このような配置で戦う。空亡と対峙して弱った妖怪を私が封印するという流れがオーソドックスな流れになる。

 前衛にはプラスして、図録から召喚される弱点である妖怪もいる。しかし、召喚される妖怪は実物ではなく、図録に込められた妖力がその妖怪に近い形に形成するだけであって、妖怪そのものではない。限りなく近い形で召喚されるが、妖力の総量やその特性によっては長い時間の召喚ができない可能性もあることから、封印直前に召喚することが望ましいとの話だった。

 今回は修行を始めてから初めての実戦だ。修行の成果を少しでも発揮したいところだ!


『よし!では我は予定通り前衛だ!未来は検索、ソラは未来の護衛だ!』

「がってん!」

―いいですよ!―


 空亡の指示に合わせた。雨の降る中、濡れ女は絶えず攻撃を繰り返していたが、空亡は攻撃を軽くいなしながら指示を出してくれていた。

 空亡からの指示にあった「検索」だが、図録をいちいちめくって対応した妖怪を探すのは時間のロスだということで、1番に覚えた術式である。触媒は要らず、図録が触媒がわりになってくれる。私は教わった要領で力を練る。練った力を図録に流し、唱える。

 

「かの妖怪「濡れ女」に相対する者が宿る(こう)を求めん!急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう!」


 この呪文と共に図録が呼応するようにポウっと光を灯す。すると、パラパラパラパラっ!と素早く図録のページが自ら(めく)れていく。ピタッと止まっってページの右頁を見ると「濡れ女」と名前の書かれたページが開いている。


 前方では空亡が濡れ女と攻防を繰り返していた。おそらく、そこまで強くはない。空亡は私に経験を積ませるために、わざと攻撃をいなしている。

 そうだ。私も強くならなくちゃいけない。助けられっぱなしはもうたくさん!


「空亡!行くよ!!」

『おう!!』


「我が声に応え、その姿を現せ!!急急如律令きゅうきゅうにょりつりょう!『雷獣(らいじゅう)』!!」


 私が唱えると、図録の『濡れ女』の頁の左の頁。その妖怪の弱点となる妖怪が描かれた頁から、妖力が溢れ出しみるみるうちに形を成した。その形はイタチのような姿だが、2メートル近く大きさがある。黄色の毛と黒い毛がまだらに雷のような模様を描いている。

 私が召喚した妖怪は『雷獣(らいじゅう)』。

 雷と共に現れると言われる妖怪だ。


「雷獣!濡れ女の封印して!!」


 私の声に呼応し、雷獣が濡れ女の方へ向かう。雷の妖怪だけあって素早い。空亡の横を後ろから素早く抜き去り、濡れ女の目の前に到達すると、ドン!!と前足を地面に打ちつけた。それと同時に、空から雷が落ち、濡れ女に直撃した。

 大きな音に驚いてしまったが、勝負は決したようだ。勝負が決したと判断した雷獣は妖力に戻るかのように形を霧散させ、濡れ女を包み込み図録の中へと吸収されていった。


「お疲れ様。ありがとう。」


 雷獣への労いを込めて、言葉を贈り、先ほどまで開いていた図録を見ると、濡れ女の頁に姿が描かれており、封印された。


 ―わらわの出番はありませんでしたね。―

『初めての実戦にしては上出来ではないか?』

「ありがとう!みんなのおかげだよ!!」


 各々、感想を述べて、戦いの終わりを感じた。

 

「賀茂さん!雪さん!どうでした!?私たちが考えた戦術としてはこんな感じなんですけど……?」

「……ん?あ、おう。なかなかじゃねぇか!?」


 あれ?なんか歯切れが悪いな……?


「何かありました??」

「ねぇ、未来ちゃん。その本は一体なんなの??」


 雪さんが少し怯えたように聞いてきた。

 そういえば、賀茂さんと雪さんには図録の話はしていなかったか。

 2人は信用出来るし、話してもいいかな。

 私は2人に私と空亡の出会いから、図録のことまでをかい摘んで話すことにした。

ここまで読んでいただきありがとうございます!! 

未来達の初戦闘はいかがだったでしょうか!?

様々な要素が混ざり合っていますが、大筋は弱らせてからの封印って感じです!

基本ですね!!

これからは戦闘も少しずつ増えていくと思います!

できるだけわかりやすく書きたいですがどうなるでしょう。

次回は10/21朝アップします!

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