第七十六話 〜旅路〜
おはようございます!!
刀をとりにいく旅路。
未来と空亡とソラ、普段のメンツに賀茂さんと雪さん。
異色メンバーが揃っての旅路です。
みんなの旅にはどんな困難がふりかかるのか!?
お楽しみください!!
「あ!もうすぐ着くって!」
その声にみんながハッとした。
今、ここには私、賀茂さん、雪さんの3人とネックレス状態のソラと球体状態の空亡。
空亡は私の膝の上にいる。さっきいきなりビクッとなったのには私がびっくりしたけど、特に気にするほどのことでもないらしい。
思い立ったが吉日というように、昨日空亡の刀をとりに行く話をして、
「明日から行くぞ!今日はこれから準備時間に費やせ!」
とのことで、賀茂さんが仕切って昨日は旅の準備をした。そして、次の日である今日、出発することになった。
新幹線から見える晴れ渡るいい景色が私たちの旅を祝福してくれているようだ。
……
…………
………………
「…と思っていたのに……。」
「いきなりなんだよ!?」
急にガッカリし出した私に賀茂さんがびっくりしたように返答してきた。
「いや、あんなに綺麗でピカピカ晴れていたのに、着いた途端に土砂降りなんてついてない!っと思って。」
そう、新幹線で進んでいる時はすごくいい天気だったのに、樹海の入り口に着くや否や、土砂降りとなったのだ。正直この天気で樹海に入るのは危険があるかもしれない。なにか陰謀的な術式でも組まれているのだろうか…。と、思うくらいのタイミングだった。
「流石にこの雨で樹海はあぶねぇな。なあ、空亡、仕方ねぇよな!?」
ことの発端の空亡に了解をとる。
『うむ。まあ、この雨では仕方あるまい。明日、仕切り直すとしよう。雨が止んだとて、地盤は緩んでいるから油断はできんがな。』
「そっか。そうだよね。じゃあ、今日はどうしようか?」
今後の方針を考えることとなった。今日はこのまま進むわけにはいかないし、帰っても面倒だ。
「仕方ないし、ここらで一泊じゃないかな?」
雪さんが提案した。そう言いつつ、スマホでなにやら調べている。
「……。うーん。ちょっと先だけど、色々ホテルはありそうね。平日だしそんなに混んではいないんじゃないかな?」
そう言って、色々調べてくれている。
「しょうがねぇな!ホテル代は経費で落ちるだろ。なんかいい感じのところ選んで予約しちまえ!」
賀茂さんは大雑把だ。でも、それには賛成。どうせ泊まるならいいところがいいよねー!一応、長老には連絡しておいた方がいいかな?
「んー…。じゃあこことかどう?」
―天国庵―
「てんごくあん…??」
「あまくにあんって言うらしいよ。」
雪さんが訂正してくれた。
「へぇー!内装も綺麗だし、いい感じじゃないですか!?値段もそこそこですね!私、一応長老に連絡しておきますよ!」
「ありがとう。」
私は長老に電話をし、泊まりになること、経費で下りるのか確認してみた。
『未来ちゃん達のことは完璧にフォロー体制だ!問題ないぞ!じゃんじゃん使えー!ガッハッハ!』
バカみたいに気前が良かった。国税だと言うのに、それはどうなんだろうか。総理にどやされても知らないぞ?
「問題ないみたいですー!」
まあ、それとこれとは別。私達はできるのであれば不自由なく行きたいので、お言葉に甘えます。
「じゃあ、予約するねー。」
雪さんはそういうと、手慣れた手つきでオンライン予約をした。
「おっけー。とりあえず、男女で別れて2部屋ね。」
「おう、さんきゅー。」
「ありがとうございます!」
宿の予約も済んだし、雨も強いし、早速宿へ向かった。
―天国庵付近―
宿の付近まで来たところで、さらに雨が強くなってきた。今日はこんなに雨が降る予定ではなかったと思うけど……。
ここら一体は市街地からは少し離れた場所で、周りは整備されてはいるが、住宅とかはなく、自然に覆われた場所だった。少し丘のようになっており、頂上付近に天国庵の屋根が見える。もう少し歩いて行くことになりそうだ。近くに川もあり、晴れた日であれば川で遊んだりバーベキューをしたりもできるらしい。
ふと、先にある橋に人が立っているのが見えた。そこには和風を着た女性が傘もささずに佇んでいた。
この道を進むと天国庵だから、旅館の人かな?と思い顔を見る。雨に濡れた髪が顔につき、煩わしそうだな、と呑気に考えながら見ていたが、次の瞬間……
「ガァッ!!!」
その女性と10メートルは軽く離れていたと思ったが、鬼のような形相の女の顔がすぐ近くにあり、私に噛みつこうとした。
「ぅわッッ!!!??」
私は驚き、目を閉じていた。これはやばい、死んだかも……。と脳裏に浮かんだが、一向に痛みはこない。すぐ目の前で、うぐうぐと変な音だけが聞こえる。恐る恐る目を開けると、
私に噛みつこうとしたその女の顔を空亡がアイアンクローをかけるかのように鷲掴みにしており、その女の口からうぐうぐと声が出ていた。
『未来!大丈夫か!?』
空亡は私の危機をいち早く察知して助けてくれた。
「ごめん、ありがとう。大丈夫!…てかなになに!?」
『話は後だ。こんな雨の中だが、戦闘準備だ。下がっていろ。』
空亡は掴んだ女の顔を女の体がある方へ振り払った。女は元の体に戻る気はないのか、首を伸ばしたままだ。もしくは、延びた状態が普通なのか。
「……そう簡単にはいかないか。」
女は呟きながら、体勢を整えた。
首が伸びたことを考えるとろくろ首か!?とも思ったが、肌が鱗のように雨でツヤツヤしているのがわかった。
「……、あれは?」
『あれは、濡れ女だ。』
……濡れ女??
「はっはぁ!濡れ女如きが邪魔立てするってぇのか!?…あ!ちょうどいいや!空亡の兄ちゃんと嬢ちゃんでそいつ倒してみろよ?俺も教えるにあたって実戦を見ておきたいしな!」
そう言って少し離れたところで見物をするように構えている。
「え!?まじ!?いきなり!?」
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
刀をとりにいく旅路の中、平和に済む事はないでしょうね。
早速、困難が降りかかります。
濡れ女。新たな妖怪との戦闘になります。
そして、ついに未来の戦闘が始まります!
是非お楽しみください!!
次回は10/20朝アップします!!




