第六十二話 〜隠された陰陽師〜
おはようございます!!
前回、訓練場をざっと見ましたが、今回はもう少し詳細を説明します。
また、新しい陰陽師についても話が出ます!!
本当の登場はいつになるかわからないですが、謎に包まれた人物です!!
そろそろ大きく物語が動きます!!
お楽しみください!!
訓練場の真ん中付近まで歩いてきて全容を確認した。全体はサッカー場のように長方形をしている。訓練場のフロアは基本的には土で、ところどころ障害物のように岩だったり瓦礫だったりがおいてある。フロアを囲むようにある観客席も椅子があったり少し広間になっている空間があったりまばらだ。そして目を引くのが訓練場長辺の片側の壁にでかでかとモニターがある。訓練場で模擬戦があったり催し事の時に人物を、アップする際に使用しているようだ。ライブ配信もしていることがあるみたいだし、そう言った設備もあるのはいいと思う。あと、気になるのは観客席とフロアの境目に球体がついている。天井にも何箇所か見受けられる。
「恵慈さん…あの球体ってなんですか?」
私は特に気になったその球体について質問した。
「ん?ああ、あれは結界を張るときの媒介だね。模擬戦とかは激しくなりがちだから、見ている人たちに被害が来ないように、物理や能力の影響を遮断する結界を張ることにしているんだ。結界もこれだけ大きいとなかなか力を使うからあんまり張らないことにしているんだ。」
「あー、これだけ大きいと大変そうですね。」
なるほど、そういった時のための結界か!?それは必需品だな。
「まあ、それでも省力化はしているから昔に比べたらいいんじゃないかな?まあ、長老と忠志くんの試合には必須だろうけどね。」
そういえば2人の模擬戦があるんだった。話ぶりから場所はここでやるのかなと思った。
「ああ、そうでしたね!ここでやるんですか?」
「多分ここでやるんじゃないかな?東京だとまだ心配だし、この地下は頑丈だしね。今日の夕飯の時にでも聞いてみようか?」
「そうですね!今、長老は東京で賀茂さんに連絡とっているんですよね?居場所もわからない人とどうやって連絡取るんですか?」
初めてのことで色々聞きたいことが出てくる!!
「ああ、それね。昨日は紹介できなかったんだけど、東京に1人だけ陰陽師がいたんだよ。その人の力を使って連絡とるんだよ。」
恵慈さんの話で手段は理解したけど、まだどうやってという疑問は残る。
「その人の力って?」
私の言葉に恵慈さんは答えた。
「彼女は『白澤』という妖怪と契約しているんだ。その妖怪は知識が豊富で妖怪について知らないことがないと言われている。陰陽師と契約することで、新たな能力に目覚めて、自身の知る妖怪がどこにいるかがわかるんだよ。妖怪を通じてコミュニケーションも取れるみたいだね。まあ、人に直接繋がることはできないみたいだけど、契約している人、使役している人なんかにはその妖怪からことづけして貰えば済む話だね。」
「あー、なるほどー。それで連絡するってことなんですね?……って待ってください!?そうなると空亡やソラも登録しましたけど、プライベートもダダ漏れってことですか!?」
いくら人間とは直接コミュニケーションを取れないとしても、四六時中一緒にいる妖怪と繋がれたらプライベートなんてものはあってないようなものじゃないだろうか。登録は尚早だったろうか?
「まあ、それを気にする人もいるよね。でも、白澤は契約者の命令がないと効果が発揮できないから白澤から連絡が行くことはまずない。それに契約者は人間だけど、陰陽省で陰陽師として働くものとしてその辺はしっかりルールを設けているから、余程のことがない限り契約者からそう言った命令がいくこともない。本当に有事の時にしか連絡はしないという規約になっているんだ。」
「そうなんですね。まあ、なんとなく理解しました。人間だし間違えることもあるかと思いますが、納得しておきます。」
ルールだけで縛るのには限界があると思うけど、まあ、そういうことなら素直を納得しておこう。
「ああ、あと、契約者の彼女…あ、女性なんだけどね?ものすっごい人見知りでコミュ障だから彼女の方から人に話しかけようという気はさらさらないみたいなんだ。まあ、そんなのもあって雇ったみたいだけどね。」
「な、なるほど……。」
人見知りでコミュ障……。ルールなんかより断然信用できる言葉だった。しかも、マイナスと捉えず、その性格を利用しての職についている。ある意味逞しい人ではありそうだ。
「実際に彼女に実際に会ったことある人って長老しかいないから、どういう容姿とかもわからないし、名前も公表されていないから謎に包まれている人物ではあるね。」
「え!?名前も公表されてないんですか!?」
「うん。まあ、こんな能力だからね。トップシークレットの厳重セキュリティーで守られているよ。誰かに攫われたりして悪用されても困るからね。個人情報以上の管理体制だよ。しかも彼女自身は戦闘向きではなさそうだしね。」
うん、確かに今聞いた情報だと完全に争いごとには向かなそう。
「普段はなにしているんでしょうね?」
「……うーん。想像もできないなー。正直どこにいるのかもわからないしな。家でゲームでもしているのかな?完全に偏見だけど。まあ、僕が知っている情報もブラフの可能性も否定できないけどね。」
「はー、完全に謎に包まれた人物なんですね。気になるけど、ちょっと掘り起こすのは難しそうだし、なにがあるかわからないから気にしないことにします。」
「ふふ、それがいいよ。…おっと。」
恵慈さんは何かに気がついたかのように反応を示した。なんだろうと恵慈さんを観察したところ、その理由はすぐにわかった。
「長老から電話だ。ちょっとごめんね。」
長老から電話が来たようだ。ここは地下ではあるが電波は通じているみたいだ。自分の携帯を確認したが電波に問題はなさそうだった。
『ここはなかなかいい訓練場じゃないか。』
恵慈さんとの話に区切りがついたことを察知して空亡が話しかけてきた。
「あ、最近こっちの事情に合わせてくれてありがとうね!退屈でしょ?」
最近は私の初出勤とかでバタバタしているから静かにしてくれている2人にお礼を言った。
『いや、問題ない。むしろ我らは我らで周りの観察を集中してできるからいいこともあるぞ?』
―そうですよ。会ったことのない妖怪なんかも色々いそうですし、楽しいですよ。空亡とは念話で話をしたりしていますし。―
「そうだったんだ!?それならよかった。それで?いい訓練場というのは?」
空亡の言ったいい訓練場という意味がよくわからなかったので聞いてみた。
『ああ、この場所妖力が豊富なんだ。妖怪達やそれと共に戦う陰陽師達にとって普段以上の力が出せるはずだ。だが、その妖力の濃度もまばらで薄いところと濃いところがある。場所によっては負荷をかけることもできる。妖力の感じ方や操作を習得するのにもってこいの場所といえよう。』
「なるほどー。そんなことがあるんだ!?人工的に作れるのかな?」
『おそらくな。妖力の濃い場所の地中にでもなにかしらの媒体を埋めたりして妖力が集まりやすくしているのだろう。呪物なんかは妖力を集めやすいからな。』
呪物…確か呪いについてはあんまり解明されていないけど、そういった効果はうまく利用しているんだなぁ。
「そっかー。訓練場だけあって色々考えられているんだね。確かに妖力の濃淡を感じるかも…。」
「そう。そうなんだよ。これは最近できたシステムなんだけどね。」
そう言いながら、長老からの電話が終わった恵慈さんが話に混ざってきた。
「あ、おかえりなさい。長老大丈夫でした?」
「うん。大丈夫だよ。忠志くんと連絡が取れたってさ。長老の目論見通りって感じかな。予定通り、模擬戦をやることになったみたい。善は急げってことなのかな?模擬戦は明後日ここでやることになったよ。」
「わあ!急ですね!?…いや、まあ、それくらいじゃないと間に合わないか。」
模擬戦まであと2日というスピード感。
いつにも増してことの進みが早いな!?
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
陰陽省にはまだ契約者がいましたね!
いつ登場するでしょうか!?
性格的に出てこない可能性もありますね!笑
長老と賀茂さんの模擬戦もあと少しです!
今後もお楽しみください!!
次回は10/6朝アップします!!




