第六十一話 〜未来のスタイル〜
おはようございます!!
前回の続きで未来の適性検査をします。
未来の適性とそれによる注意点を恵慈さんに教えてもらえます。
忘れているかもしれませんが今回図録も出てきます!笑
どうぞお楽しみください!
恵慈さんから自分の適性検査の結果を教えてもらっているが、力に対する感受性が豊かであること、改良や回復なんかの技術も会得できそうとのことだった。親譲りってことだろうか?
「未来さん特有の適性も一個あるよ。まあ、これも感受性の賜物なんだけどね。」
「え!?なんですか!?」
私特有の適性!?
「常世の存在との親和性が高いってところかな。おそらく未来さんは妖怪達との契約ができた場合、かなりの数の妖怪達と契約できると思うよ。」
「おお!!そうなんですか!?」
「契約についてはまだ不明瞭なところが多いからなんとも言えないけど、長老や賀茂くんを見ていると力への親和性が高い人が契約数多い気がするんだよね。」
そうなんだ。じゃあ、私もいつか契約できるかな……!?
「ただ、未来さんには気をつけてもらいたいことがある。これは、肝に銘じておいてほしい。」
「…え!?は、はい……。」
さっきまではいい感じだったけど、まあ、注意点とかもあるよね。せっかく教えてくれるし、しっかり胸に刻んでおこう。
「その感受性の豊かさが仇になることがあるかもしれない。特に精神に直接働きかけてくる攻撃なんかはもろにダメージを受ける可能性がある。あと、まだ陰陽師になりたてというのもあるけど、力の制御がお粗末だね。結構ダダ漏れ。よくない妖怪とかには勘付かれる可能性が高いね。」
「そ、そうなんですね……。」
どんどん注意点が出てくる。だけど、聞いていると、確かにそうかもと思う節はある。おそらく、常世の存在がこれだけはっきり見えるのは感受性のせいだろうし、玉藻前に操られたのもそれのせいだろう。
「…ということで、まずは未来さんに学んでほしいのは力の制御からかな?師匠と修行はしているみたいだけど、もう少し経たないと成果が目に見えてこないかな?あとは実戦経験が圧倒的に足りてないって感じだね。今度の長老の模擬戦とかも見て勉強するといいよ。」
長老の模擬戦か…。確かに他人の試合とかみたことないもんなー。思ってたのと違った見方ができそう。
「それと、空亡さんとソラさん。」
『ん?我らか?』
―なんでしょうか?―
いきなり自分の名前が呼ばれてキョトンとした様子だった。
「君達は未来さんを少し甘やかしすぎですね。今日はこれくらいでいいのでは?とか地道に強くなっていこうとか言っているのではないですか?」
『…う…。』
―ま、まあ、それくらいはよくありませんか?―
恵慈さんは2人の私に対する指導を的確に言い当てた。
「はい。間違ってはいません。これくらいでいいのでは?と提案するのはいいと思います。ただ、未来さんの成長幅が潜在能力に対して小さいのです。おそらく師匠の甘やかしもあるのかもしれませんが。できるだけ未来さんの限界を超えるくらいを目処にしてください。」
『―…はい……。すみませんでした。―』
「そして未来さん。あなたも、限界に挑戦しようね。」
「……はい。頑張ります。」
痛いところをつかれてしまった。自分ではやりきっているつもりだけど、確かに普段ももう少しは頑張れる気がする。自分に対する甘えもあったのだろう。これからは気を引き締めにいこう。
「よろしい!まあ、こんなことを何回も言われるのは嫌だろうし、これから変えようと思ってくれているみたいだからもう言わないよ。さっきまで話したことを肝に銘じて修行に励みましょう!」
「はい!ありがとうございます!」
恵慈さんは私達全員のことを的確に分析した。
「それともう一つ、最初に聞いておくべきだったかもしれないけど、未来さんのスタイルってどんな感じかな?自分も前衛になるのか、後衛に徹するのかって感じだけど。」
あ、そういえば恵慈さんには話をしていなかったな。
「あ、はい。私もスタイルと言われたら経験があまりないので、よくはわからないですけど、多分後衛って感じかと思います。」
『そうだな。基本は我等が前衛、後衛に未来を据えて封印の機会を狙うと言った感じか。』
空亡が助け舟を出してくれた。
「封印…ですか?」
『我が持っているこの図録に封印するのだ。』
久しぶりの登場だけど、あんまり使用する機会がないことはいいことだよね??
『ここには常世で妖力を充分に満たした頁がある。妖怪にはそれぞれ弱点となる妖怪がおり、それに対応する妖怪を封じることができるのだ。』
「なるほど。珍しいものですね。確かに力をひしひしと感じる図録ですね。」
差し出された図録を見ながら感想を述べた。
『平安から今まで妖力を溜め続けていたからな。ただ、この図録は人間にしか使えない代物でな、作成者である安倍晴明の子孫である未来が1番扱いに長けるということだ。』
「なるほど。つまり……空亡さんと未来さんは出会うべくして出会った……。」
なにやらふむふむと独り言を始めた。
「あの、それで、それが関係あるのですか?」
「……ああ!ごめん!スタイルの違いによってトレーニングも変わってくるからね。参考にしようと思って。トレーニングメニューは後でまとめて渡すね!とりあえず、今日はこれから訓練場を見に行こうか。」
「訓練場ですか!?気になってたんですよねー!」
そう、どの支部にも訓練場があるというのは聞いていたが、実際にどんな場所から知らないので気になっていた。自分ももしかしたらそこで訓練をする可能性もあるのでちゃんとみておきたい。
「よし!じゃあついてきて。」
恵慈さんは私を案内するべく先に歩き出した。一度外に出るみたいで駐車場へ出た。朝入ってきたカモフラージュの壁を内側から見ると普通に透けており、視覚的には一方向から見えなくなっているようだった。
訓練場はこの駐車場のさらに地下にあるようで、駐車場の隅に鉄の非常口のような大きめの扉があり、そこから訓練場に通じているらしい。
―ギイイィィ……―
恵慈さんが扉を開くとそこにはさらに地下に続く階段がある。その階段を下っていく。普通に天井には蛍光灯、壁も白く清潔感もある。地下に行くが閉塞感は感じられないくらいの広さもある階段だ。
「訓練場は基本的にこの場所からしか入ることはできない。ちょっと面倒だけど、エレベーターがないから階段だけなんだよね。」
恵慈さんは少し不満げに話をした。
群馬支部の訓練場が陰陽省始まって最初の訓練場であること、地下への通路がやけに長いこと、立ち入りが大変なこと、また、それにより今は地上が主な建設地であることを教えてもらいつつ、訓練場にきた。確かにこの長さの階段を使うのは大変だ。
2人で話をしながら階段を降りていくと一つの広間に出た。そこは休憩所のような感じで椅子やベンチやテーブルが置いてあったり、お手洗いがあったり更衣室と書かれたプレートがある部屋への入り口があったりする。おそらくここで準備をして訓練場へ入るのだろう。
「さあ、やっとここまでついたね。ここは見た通り準備するホールだね。訓練場で何か催し事がある時はここが受付になったりするよ。」
「へぇー!訓練場で催し事やったりするんですね!?」
「まあ、そんなに頻繁にやるわけじゃないけど、今度長老の模擬戦あるけど、そういった、模擬戦に準じたイベントなんかはここでやったりするね。陰陽師達のデモンストレーションとかもあるかな?」
「へぇー!陰陽省達の力とか見てみたいですね!」
頻繁ではないけど、一般職員にも公開したりしているらしく、自分たちがなんのために働いているのかを認識してもらうためにも役立っているそうだ。まあ、陰陽師がどんなことを普段しているのかはわからないだろうから、そういう機会があるのはいいと思う。私も見てみたいくらいだ。
「さあ、じゃあ訓練場に入ってみようか!」
「はい!」
この広間から訓練場への入り口は一つだ。特に扉もない奥に続く通路がある。この通路を抜けた先が訓練場になっているようだ。私たちはコツコツと足音を鳴らしながら通路を奥まで歩いていく。次第に明るく開けてきた通路の先には訓練場が見えてきた。
大きさにしてサッカーのグラウンドくらいの広い空間の周りを観客席が一周ビシッと並んでいる。観客席は斜めに5列くらい並んでおり、訓練場の中が見やすいようになっている。
「……うわ……」
私は思わず声が漏れてしまった。
「びっくりでしょ。こんなに広い空間が地下にあるんだからね。」
「…はい…」
私は言葉にならない感じで返答をした。想像していた訓練場はせいぜいテニスコートくらいかと思っていたけど、ここまで広いとは。
「陰陽師の戦いって、常世の存在を使役したりするからどうしても規模がでっかくなっちゃうんだよね。とりあえず広くっていうのをコンセプトに作ったみたいだよ。」
「そ、そうなんですね。広さもここが1番広いんですか?」
「いや、広さに関しては京都の訓練場の方が広いかな?京都は陰陽師が多いから広い場所が必要みたいだね。それでも、京都の次に広いよ。」
はあー……こんな世界があったなんて本当に知っていることって一部なんだなー。
「ちょっと真ん中の方まで行ってみようか?」
「あ、はい!」
私は恵慈さんと共に中央の方へ向かった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
久々の図録でした。まだまだ未来の実力が使用まで追いついていないです!
ちゃんと図録を使用できる日が待ち遠しいですね!
訓練場も出てきましたが近いうちに模擬戦があります!
是非お楽しみください!!
次回は10/5朝アップします!!




