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087.爺、試験完了ではないのですかいのぅ?

この地での卒業試験と言う名の検査と言うか調査は済んだのじゃがの、まだ帰れぬようじゃわい。

地晶石、それがこの地で得られる晶石であり、その晶石を検知して得ることができるのか。

それが儂がこの地にて行う受験であったのじゃがの、地晶石どころか風晶石まで見付けてしもうたのじゃよ。


大体は1属性しか産出せぬものなのじゃが、稀に他属性の晶石も得られる場合もあるらしいわえ。

その『稀に』を引き当ててしもうたわけなのじゃがな、これは晶石に秘められし魔力を感じ取れねば行えぬのじゃよ。

いや、晶石自体を検知するには、っと言うのが正確じゃがな。


この晶石に秘められし魔力と言う代物が中々に難物でのぅ、外部より察知するには微弱過ぎるのじゃて。

さらに己に適した属性でのうては無理であるゆえに、中々に困難を極めるのじゃ。


このように察知困難な晶石を察知し得るにはの、属性晶石毎に相性が良い者が所在を感じ取るしかないと言われておるの。

ま、目視にて得ることも稀にはあるそうなのじゃがな、広大な砂漠の中に落とし埋もれたコイン1枚を場所を知らずに探し当てるようなものじゃてのぅ、儂ならば御免じゃわえ。


晶石に対する適性を持ち、対象の属性晶石に適合した者にてのみ行えるのじゃが…

天然晶石が埋蔵されておる場所にて検知する場合、採掘され加工された代物よりも探知は困難を極めるのじゃよ。

それが行える者は晶石への適合が認められた者でも珍しいと言われておるでな。


しかもの、属性別に検知可能な者が違うでな、今迄に複数検知できたものは数える程度じゃそうな。

大体が扱える属性は1つでな、2つや3つの別系統属性を扱える者しか存在してはおらなんだそうじゃ。


そんな状態にて全ての属性を扱える儂が現れたでな、天然晶石が埋蔵されている現場にて検知可能なればっとのぅ。

まぁ天然晶石の需要は高く、得られるなれば得たいじゃろうて。


しかも厄介なことにの、晶石が生み出される場所を荒らすと晶石が生み出されぬようになるそうな。

晶石が生み出されるには特殊な場が必要でな、採掘するために人が荒らすとの、二度と生み出されぬようになるでな。


過去に露天掘りよろしく晶石産地を荒し不毛の地へ変えてしもうた国がのぅ。

いや、晶石が得られぬだけなれば、それでも良いのやもしれぬわえ。

じゃがのぅ、晶石と言うのは魔那結晶と言い換えても良い代物なのじゃよ。


そのような代物を生み出す場は地脈や龍脈、天脈や鳳脈の集約地…いわゆる星脈の集いしホットスポットと言われる場でもあるのじゃ。

かような場所を荒らして無事である筈もあるまいてのぅ。

かの国は水が枯れ、地が荒れ干上がり、作物1つ育たぬ不毛の地へと成り下がったのじゃとか。


ゆえに、人手による大規模開発と言う名の愚行は行われぬようになったそうな。

じゃでな、1つ1つ晶石を探し当て得るしかできぬゆえ、晶石を検知できる人材が求められるようにのぅ。


まぁ、地をむ荒らさねば目視での採掘ていどなれば大丈夫ではあるのじゃ。

なればこそ、一攫千金を目論む者へ許可を与えて立ち入り許可を与えておるのじゃて。

ま、持ち込める品は検査にて限られておるゆえ、爆薬なんぞで大規模破壊による発掘は不可能じゃがな。


むろん、そのような発掘なんぞ行えば、即座に捕縛対象化してしまうからのぅ。

下手したら死刑を勧告されるだけでのうて、現地にて討伐対象とされてしまう場合もあるで注意が必要じゃ。

まぁの、国が滅ぶ恐れがある行為を(おこの)うたのじゃて、当然とも言えるがのぅ。


ま、なんじゃ、つらつらと卒業試験に対しての考察なんぞをして現実逃避なんぞ行っておったのじゃがのぅ…

これ、何時まで続くのじゃ?


次から次に現れる魔獣の(たぐい)

魔物の姿も混じる場合がの。

絶対に異常であろっ!


儂1人なれば、既に逃げ帰っておるところなのじゃがの、ダリル様とカンム様が嬉々として奥地へと進まれておるわけで…

いや、行くなれば、お2人だけで行ってくだされやっ!


なぜに儂まで討伐に加わらねばならぬのじゃてのぅ。

幸い厄介な魔獣には、あまり出くわしておらぬのじゃがの、たまに鎧熊のような輩も現れるでな。


儂は魔導銃と弓、遠隔攻撃魔術と肉体強化を禁じられての参戦とのぅ。

なにゆえ、このような危険地帯で縛りを受けねばならぬのじゃ?

儂には、そのような性癖はないわえ!


そんなことを思いつつ豚野郎の振るう錆びた剣を避けつつ懐へとのぅ。

すり抜けつつ脇腹をば薙ぎ払い移動。

直ぐに横へと避けつつ、軽く後方へと移動して他からの攻撃を避け、指弾を放つ。


放った指弾は騎士を後方より刺そうとしていたソードマンの目に。

【グガッ!】っとの悲鳴にて気付いた騎士が体勢を整えつつ下がる。

近場の他の騎士がカバーに入り事なきを得たのじゃが…彼らも災難じゃてな。


様々な魔獣と魔物が入れ乱れて襲い掛かって来た大混戦中じゃてな。

儂は敵を避けつつ移動し、すり違いざまに敵を薙ぎ(はろ)うておる状態じゃ。


いや、ダリル様やカンム様のようにのう、暴風かくやとでも言える獅子奮迅たる戦いかたも真似できるのじゃが…

それは己が1人を考えればじゃ。


ここには連れて来られた騎士達もおるでな。

彼らをフォローしつつ戦うとなれば、戦場を走り回らねばならぬでのぅ。


難敵はダリル様とカンム様が請け負ってくださっておる。

いや、嬉々として向かって行ったっと言うが正しいかのぅ。


しかし、最奥でないとは言え随分と奥地へと分け入ったわけなのじゃがの、魔物、魔獣の溜まり場のような場所へ行き当たるとは…

本当に、この地にて何が起こっておると言うのじゃっ!

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