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ビーストギア  作者: 時根脱才 
モズキャッチャー編

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18/29

閑話「ワシはどうした」

『ビーストギア』


間話「ワシはどうした」


『――配信開始』


【きたああああああああ!!】


【配信開始!】


【待ってました!】


【通知見て飛んできた】


【また始まったぞwww】


【もう完全に恒例行事】


【不定期なのに恒例行事とは】


【怪人の都合で配信日決まるから仕方ない】


【怪人「次回は来週金曜日20時からです」】


【予定組むなwww】


【もう「配信開始」聞くと安心する】


【怪人が出てる時点で安心できねえよ】


【でも分かる】


【分かるんかい】


【今日も生きてたKID】


【生存確認配信みたいに言うな】


 今回も。


 何の予告もなく、唐突に配信は始まった。


 画面には、すでにKIDの姿が映っている。


 そして。


 その向こうには――。


【……なんだあれ】


【鳥?】


【鳥だな】


【今回鳥系か】


【なんかゴチャゴチャしてない?】


【待て】


【顔よく見てみ】


【ん?】


【マスクしてね?】


【マスク?】


【あれ野球のキャッチャーマスクじゃね?】


【…………】


【言われてみれば】


【キャッチャーのマスクだwww】


【なんで鳥が野球の防具つけてんだよ】


【野球好きなんだろ】


【怪人にも趣味くらいある】


【そこ尊重する必要ある?】


 画面の向こうで、怪人がわずかに身体の向きを変えた。


 異形の鳥。


 顔には、野球の捕手が使うものを思わせるマスク。


 そして。


 その背中には、鳥にはあまりにも似つかわしくないものが背負われている。


【待て待て待て】


【背中なんだあれ】


【なんか箱ついてない?】


【箱?】


【機械っぽい】


【…………】


【あれさ】


【何】


【UFOキャッチャーの筐体じゃね?】


【は?】


【どこが】


【よく見ろ】


【…………】


【あ】


【マジだ】


【UFOキャッチャーだwww】


【なんで!?】


【鳥+野球+ゲームセンター!?】


【情報量多すぎるだろ!】


【デザイナー何考えてんだよ】


【デザイナーいる前提なの草】


【いや待って】


【俺分かったかも】


【何が】


【あの鳥、モズじゃない?】


【モズ?】


【たぶん】


【詳しい人きた】


【生物班お願いします】


【モズって何する鳥?】


【獲物を捕まえる】


【まあ鳥だからな】


【そうじゃなくて、捕まえた獲物を枝とかに刺しておく習性がある】


【怖っ】


【急に怖い話になった】


【モズのはやにえな】


【あー聞いたことある】


【つまりキャッチする鳥】


【…………】


【ん?】


【モズが獲物をキャッチ】


【野球のキャッチャー】


【UFOキャッチャー】


【…………】


【…………】


【まさか】


【キャッチャー三つ掛けてる!?】


【トリプルキャッチャーwww】


【キャッチャー盛りすぎだろ!!】


【一体の怪人にキャッチャー何個入れるんだよ!】


【キャッチャーの過積載】


【欲張りセット】


【制作陣「キャッチャーって言いたかった」】


【絶対それだろwww】


【じゃあ名前なんだよ】


【モズキャッチャー】


【そのまんまじゃねえか!!】


【でも絶対それっぽい】


【公式名称知らないのに命名される怪人】


【もうモズキャッチャーでいいだろ】


【異議なし】


【本怪人の意見も聞け】


【モズキャッチャー「え?」】


【本人困惑してて草】


 そんなコメント欄の騒ぎなど、画面の中にいる本人たちが知るはずもない。


 KIDは怪人――視聴者たちによって勝手に「モズキャッチャー」と命名された相手と向き合っている。


【さて】


【名前決めてる場合じゃなかった】


【戦闘だ】


【KIDいけ!】


【今日も頼むぞ】


 KIDが一歩前へ出た。


 怪人を見据え。


『今度は俺の番だ』


【お】


【きた】


【戦闘開始か】


【このセリフ好き】


【いけええええ!!】


 そして。


『いいね、よろしく!』


【出たああああああああ!!】


【wwwwwwwwww】


【待ってました!!】


【はい定番】


【もう完全に定番だろこれwww】


【戦闘開始のゴング=いいねよろしく】


【怪人「まだ押してないんでちょっと待ってください」】


【待つなwww】


【押したぞ!】


【俺も押した】


【いいねしたから勝てよ!】


【命懸けで宣伝する配信者の鑑】


【いいね押さないと戦ってくれないの?】


【そんなヒーロー嫌だわ】


【チャンネル登録もよろしく!】


【そこまで言ったら終わりだろ】


【そのうち「通知をオンに!」とか言いそう】


【戦闘前に全部済ませるな】


【怪人が待ってくれてるの想像したら草】


 ――戦闘開始。


 KIDが駆ける。


 モズキャッチャーも動く。


【始まった!】


【いけ!】


【おお!】


【今回も速いな】


【相手も動けるぞ】


【見た目ふざけてるのに強そう】


【見た目ふざけてるは失礼だろ】


【キャッチャー三つ積んでる奴をどう評価しろと】


【機能美です】


【どこの機能だよ】


 拳。


 爪。


 蹴り。


 互いの攻撃が目まぐるしく交差する。


 KIDが懐へ踏み込み、拳を叩き込む。


 モズキャッチャーの身体が揺れる。


 だが、倒れない。


【うお】


【危なっ】


【今回普通に強い】


【KID押してない?】


【まだ分からん】


【モズキャッチャー頑丈だな】


【その名前もう確定なの?】


【我々の中では】


【勝手に公式化すんなwww】


 戦闘が続く。


 地上では、KIDが少しずつ押し始めていた。


 その最中。


 モズキャッチャーが大きく跳び上がる。


 そして。


 翼を広げた。


【あ】


【飛んだ】


【やっぱ鳥だ】


【そりゃ飛ぶよな】


【モズだし】


【空中戦か】


【でも大丈夫だろ】


【だな】


【KIDも飛べる】


【ワシがある】


【はいワシの出番】


【翼出せ翼!】


【ワシ待機】


【ワシ「呼んだ?」】


【勝ったな】


【解散】


【早い早いwww】


 ところが。


 KIDは飛ばない。


【……ん?】


【あれ?】


【どうした】


【早くワシ使えよ】


【何してる?】


 KIDは手元を確認している。


 明らかに、何かを探している。


【メモリー探してる?】


【あれ】


【…………】


【おい】


【まさか】


【ワシは?】


【ワシどうした?】


【翼どうした翼】


【KIDさん?】


【…………】


【ないの?】


【まさかワシないの!?】


【えええええ!?】


【お前ワシどこやった!!】


【なくした!?】


【変身アイテムなくすヒーロー初めて見たwww】


【笑い事じゃねえだろ】


【大事なやつだぞ!】


【ちゃんと名前書いとけ】


【小学生か】


【「KIDのもの」って書いとけ】


【拾った人どうすんだよwww】


【交番に届けろ】


【ちょうど警察いるじゃん】


【「すみません、ワシ落としたんですけど」】


【警察「ワシ?」】


【「はい、ワシです」】


【警察「鳥ですか?」】


【「メモリーです」】


【警察「???」】


【特徴を教えてください】


【「ワシです」】


【だから特徴を聞いてんだよwww】


 だが。


 モズキャッチャーは、当然そんな事情など待ってはくれない。


 上空から一気に急降下。


 KIDが慌てて横へかわす。


【うわ!】


【危なっ】


【ワシ探してる場合じゃねえ!】


【どうするんだよ】


【遠距離攻撃ある?】


【銃は?】


【届いても当てるの難しそう】


【相手ずっと動いてるしな】


 そして。


 KIDが別のメモリーを取り出した。


【お】


【何か使うぞ】


【代替手段あるのか】


【何のメモリー?】


【…………】


【待て】


【それ】


【まさか】


 メモリーを装填。


 KIDが地面へ足をつける。


 脚へ力を込め。


 一気に――。


 跳んだ。


【ノミwwwwwwww】


【そっち!?】


【なんでだよ!!】


【ワシがないからノミ!?】


【飛べないなら跳べばいいじゃない】


【マリー・アントワネットみたいに言うなwww】


【空にいるなら跳べば届く理論】


【力技すぎる】


【頭いいのか悪いのか分からん】


【でも高さは届いてるぞ】


【ノミすげえ】


【急にノミへの評価上がってて草】


 KIDが一気に上空へ。


 モズキャッチャーの高さまで迫る。


【届く!】


【いけるじゃん!】


【ノミ最強説】


【ワシいらなかった?】


【ワシ派を刺激するな】


 だが。


 モズキャッチャーが、ひらりと横へ移動した。


【あ】


【…………】


【避けられた】


【そりゃそうだ】


【KIDそのまま飛んでったwww】


【直線しか無理なのか】


【ジャンプだからな】


【空中で曲がれません】


【悲しい現実】


【飛行と跳躍の違いを身をもって学ぶ配信】


【物理の授業かな?】


【先生! KID君が自由落下してます!】


【受け身取れ!】


 落下。


 着地。


 だがKIDは諦めない。


 もう一度。


 跳ぶ。


【また行った!】


【頑張れ!】


【頑張れノミ!】


【もうKIDじゃなくてノミ応援してるじゃん】


【ノミに罪はない】


【ノミ「俺は悪くない」】


【そりゃそう】


【問題は空中機動できないこと】


【つまり対空砲みたいなもんか】


【人間対空砲KID】


【人間ではないだろ】


【そこから議論始めるな】


 跳ぶ。


 避けられる。


 落ちる。


 また跳ぶ。


 モズキャッチャーは、KIDの直線的な軌道を完全に読み始めていた。


【あああ惜しい!】


【横移動されたら終わりだな】


【直線番長】


【高さは十分なんだけどな】


【これ敵からしたらタイミング合わせて横に動くだけじゃね?】


【攻略法バレた】


【モズキャッチャー賢い】


【そもそも鳥相手にノミで空中戦挑んでるのがおかしい】


【でも他にないんだろ】


【ワシ……】


【ワシの話はやめろ】


【まだ見つかってないんだぞ!】


【死亡扱いすんなwww】


 しかし。


 笑っていられたのも、そこまでだった。


 急降下。


 回避。


 跳躍。


 空振り。


 その背後へ回り込まれる。


 KIDが地面へ叩き落とされた。


【うわ!】


【やば】


【今の入ったぞ】


【今回マジで相性悪い】


【上取られると何もできないな】


【ノミじゃ限界ある】


【笑ってたけど普通に危ないぞ】


【どうすんだこれ】


【ワシさえあれば】


【ワシ派が元気を取り戻した】


【今だけは正論】


 KIDが立ち上がる。


 再び構える。


 だが。


 身体の動きは、明らかに鈍くなっていた。


 モズキャッチャーが上空から狙いを定める。


 そして。


 急降下。


【まずい】


【避けろ!】


【動けKID!】


【これヤバいぞ!】


 その時。


【ん?】


【待て】


【画面端】


【誰かいる】


【誰?】


【あ】


【あいつだ】


【また謎の戦士!】


【出たあああ】


【こいつまたいるのか】


【毎回どこから見てるんだよ】


【高みの見物】


【助けるなら最初から助けろ】


【謎の戦士「成長を見守っています」】


【保護者かよ】


【KIDのお父さん説】


【やめろwww】


 謎の戦士が、何かを取り出す。


【何持ってる?】


【メモリーじゃね?】


【また新しいやつ?】


【おいおい】


 そして。


 KIDへ向かって投げた。


『三番!』


【三番!?】


【何が!?】


【説明終わり!?】


【相変わらず言葉足りねえwww】


【三番ってどこだよ】


【スロットじゃね?】


【たぶん三番に入れろって意味】


【KIDよく分かるな】


【付き合い長くなってきたんだろ】


【会話が省エネすぎる】


【謎の戦士「三番!」】


【KID「了解!」】


【俺「???」】


【視聴者置いてけぼりwww】


 KIDが受け取った。


 見る。


 そして。


 三番へ装填する。


【入れた!】


【何だ?】


【新メモリー!】


【見えた?】


【虫っぽい】


【トンボ?】


【いや待て】


【オニヤンマじゃね?】


【オニヤンマ!?】


【オニヤンマだ!】


【昆虫系きた!】


【ノミも昆虫だろ】


【あ】


【そうだった】


【ノミの立場www】


 次の瞬間。


 KIDの背部に、二対の羽が展開する。


 そして。


 飛んだ。


【うおおおおおおお!!】


【飛んだ!!】


【飛べる!】


【新しい翼!!】


【オニヤンマ飛行フォーム!】


【ワシの代わり来た!】


【ワシ失業】


【失業じゃねえ! 行方不明だ!】


【そこ重要なのかwww】


【ワシ派激怒】


【オニヤンマ派ですよろしくお願いします】


【派閥作るの早すぎるだろ】


 さっきまでとは。


 まるで違う。


 直進。


 急旋回。


 上昇。


 急降下。


 空中で、自分の意思のまま方向を変える。


【速っ!!】


【何だ今の!】


【曲がった!】


【空中で自由に動ける!】


【ノミと全然違うwww】


【ノミをいじめるな】


【さっきまでの苦労は何だったんだ】


【ジャンプと飛行の圧倒的格差】


【オニヤンマ強えええ】


【ワシより小回り利く?】


【おい】


【何】


【今ワシよりって言ったか?】


【ワシ派来たwww】


【戦争始めんな】


【ワシは長距離飛行、オニヤンマは空中機動とか違いあるんじゃね?】


【急に考察勢が仕事した】


【たぶん役割違うんだろ】


【なるほど】


【じゃあワシ返して】


【結局そこかよ】


 空中戦の主導権が。


 一気に変わった。


 今度はKIDがモズキャッチャーを追いかける。


【追いついた!】


【いける!】


【完全に形勢逆転】


【オニヤンマつええ!】


【でも決め手どうする?】


【飛べるようになっただけじゃ倒せなくね?】


 拳を当てる。


 蹴りを入れる。


 だが。


 モズキャッチャーは倒れない。


 その時。


 KIDがさらに別のメモリーを使用した。


【え?】


【まだある!?】


【今度は何!?】


【脚変わった?】


【鳥っぽい】


【鳥?】


【おお、飛行系追加か?】


【待って】


【あれ】


【ヒクイドリじゃね?】


【ヒクイドリ?】


【…………】


【飛べねえ鳥じゃねえか!!】


【なんでだよwww】


【空中戦だぞ!?】


【ここで飛べない鳥!?】


【せっかくオニヤンマで飛んだのに!】


【ヒクイドリさんに謝れ】


【いや飛べないのは事実だろ】


【鳥枠なのに飛行能力ゼロ】


【今回のテーマ「飛ぶ」じゃないの?】


【ヒクイドリ「蹴ります」】


【聞いてねえwww】


 ところが。


 生物に詳しいらしい視聴者が反応する。


【いや待て】


【ヒクイドリはヤバいぞ】


【何が?】


【脚】


【脚?】


【蹴りがめちゃくちゃ強い】


【爪もヤバい】


【あ】


【つまり】


【オニヤンマで飛んで】


【ヒクイドリで蹴る?】


【…………】


【あ】


【なるほど】


【そういうこと!?】


【組み合わせか!!】


 KIDがオニヤンマの機動力で、一気にモズキャッチャーへ迫る。


 逃げる。


 追う。


 曲がる。


 さらに高度を上げる。


 今度は。


 KIDが上を取った。


【おお!】


【上取った!】


【さっきと逆だ!】


【来るぞこれ】


【オニヤンマで加速して】


【ヒクイドリの脚!】


【やる気だ!】


 KIDが急降下。


 速度を乗せ。


 さらに。


 爪を備えた脚を引く。


【いけえええええええ!!】


 直撃。


【うおおおおおおおおお!!】


【入ったああああ!!】


【つっよ!!】


【ヒクイドリさんごめんなさい】


【ごめんなさい】


【飛べない鳥とか言ってすみませんでした】


【手のひら返し早すぎwww】


【飛ぶ必要なかったわ】


【オニヤンマが飛んでくれるからな】


【空中移動担当オニヤンマ】


【攻撃担当ヒクイドリ】


【役割分担できてる】


【これ面白いな】


【メモリー単体じゃなくて組み合わせるのか】


【じゃあ組み合わせ何通りあるんだ?】


【考察班出番だぞ】


【計算班も呼べ】


【まずメモリー総数が分からん】


【詰んだwww】


 そして。


 モズキャッチャーが地上へ叩き落とされる。


 やがてその身体は崩れ。


 動かなくなった。


【勝ったあああああ!!】


【KID勝利!】


【お疲れ!】


【今回は危なかったな】


【序盤かなり詰んでた】


【オニヤンマ来なかったらどうしてたんだ】


【ノミで頑張る】


【無茶言うな】


【ワシを探す】


【戦闘中に捜索活動すんなwww】


 戦いが終わると。


 配信を見ていた者たちの興味は。


 すぐ別の方向へ向かい始めた。


【ところで】


【何】


【今回二つ増えたよな】


【オニヤンマとヒクイドリ】


【そう】


【ってことは】


【まだメモリーあるんじゃね?】


【…………】


【確かに】


【あの謎の戦士が持ってきたし】


【何個持ってんだあいつ】


【メモリー屋さん】


【謎の戦士「毎度どうも」】


【通販かよ】


【KID自分で持ってるのと、後から渡されるのがあるのか?】


【そもそも誰が作ってんだ】


【謎しかねえ】


【一覧欲しい】


【誰かまとめて】


【wiki班!】


【もうある】


【仕事早すぎるだろwww】


 そして。


 誰かが。


 余計な一言を書き込んだ。


【次に出るメモリー予想しようぜ】


【やる】


【面白そう】


【参加】


【当たったら何もらえる?】


【名誉】


【いらねえwww】


【いいね一個】


【KIDから?】


【無理だろ】


【じゃあ自己申告でいいね押しとけ】


 こうして。


 誰に頼まれたわけでもない。


 公式企画でもない。


 次回メモリー予想大会が始まった。


【俺チーター】


【高速系】


【でもオニヤンマ速いぞ】


【地上高速枠だろ】


【なるほど】


【カブトムシ】


【昆虫系あるなら王道】


【クワガタ】


【カブトとセットで来そう】


【ライオン】


【絶対強い】


【ゴリラ】


【パワー枠】


【サメ】


【水中戦用】


【オオカミ】


【嗅覚とか?】


【ヘビ】


【毒?】


【カマキリ】


【腕が武器になりそう】


【シャコ】


【パンチ】


【デンキウナギ】


【電撃】


【コウモリ】


【超音波】


【フクロウ】


【夜間戦】


【急にみんな真面目に考察し始めたwww】


【じゃあナマケモノ】


【何に使うんだよ】


【省エネ】


【戦闘中に休むな】


【カメ】


【防御】


【それ普通にありそう】


【アルマジロ】


【それも防御】


【ヤマアラシ】


【遠距離?】


【針飛ばす前提なの草】


【タコ】


【腕増える?】


【スロット足りなくなるぞ】


【イカ】


【タコと何が違うんだよ】


【墨】


【視界妨害か】


【意外と使えそうなのやめろwww】


【カメレオン】


【透明化】


【お】


【それありそう】


【ドラゴン】


【実在する生き物にしろ】


【恐竜】


【実在してた】


【絶滅種ありなの?】


【マンモス】


【だからルール分からんって】


【幻獣ありならユニコーン】


【何の能力だよ】


【角】


【雑www】


【ワシ】


【もう出てる!】


【ワシ復活】


【それ新メモリー予想じゃねえだろ】


【俺はワシが帰ってくると信じてる】


【ワシファン重いな】


 賞品なし。


 ルールなし。


 公式ですらない。


 それでも。


 異様なほど盛り上がっていく。


【俺チーターで登録】


【俺カブトムシ】


【ライオン】


【オオカミ】


【サメ】


【カメレオン】


【シャコ】


【ワシ】


【だからワシは違うwww】


【次回答え合わせな】


【覚えてたらな】


【誰かスクショしとけ】


【もうした】


【仕事早い】


 そんな中。


 一つのコメントが流れた。


【ところでさ】


【ん?】


【今回、警察映ってなかった?】


 コメントの流れが。


 少しだけ変わった。


【いた】


【いたな】


【警察官っぽい人】


【何人かいたよな】


【あれエキストラだろ】


【だと思う】


【撮影なんだから普通に役者】


【今回は警察まで出したのか】


【制作費上がってんな】


【シリーズ人気出たから予算増えた?】


【シリーズって何だよwww】


 ところが。


【いや】


【何】


【エキストラにしては迫真すぎない?】


【それ】


【俺も思った】


【負傷者運んでたよな】


【動きが普通にガチっぽかった】


【演技だろ】


【演技だったら上手すぎ】


【スタントマンじゃね】


【全員?】


【全員】


【何人雇ってんだよwww】


【金かかりすぎだろ】


【スポンサーいるんじゃね?】


【スポンサーどこだよ】


【いいね】


【え】


【俺たち?】


【「いいねよろしく」は資金調達だった!?】


【一いいね何円だよwww】


【じゃあもっと押さなきゃ】


【一回しか押せねえよ】


 そして。


 当然のように。


 始まった。


【いや、警察本物だろ】


【出た実在派】


【怪人もKIDも本物だから】


【はいはい】


【まだ信じてんの?】


【じゃああの戦闘どうやって撮影してんだよ】


【CG】


【出た万能CG】


【今の技術ならできる】


【じゃあ制作会社どこ?】


【知らん】


【監督は?】


【知らん】


【KID役の俳優は?】


【知らん】


【怪人役は?】


【知らん】


【ロケ地は?】


【知らん】


【何なら知ってるんだよ!!】


【CGだということ】


【根拠は!?】


【CGっぽいから】


【雑すぎるwww】


 実在派。


 特撮派。


 CG派。


 エキストラ派。


 さらに。


【俺はドッキリ番組説を推す】


【誰に対するドッキリだよ】


【視聴者】


【規模デカすぎwww】


【政府の実験説】


【急に陰謀論】


【実は海外撮影】


【日本の警察映ってるだろ】


【衣装】


【もう何でもありじゃねえか】


 火は。


 どんどん大きくなる。


【本物だって!】


【作り物!】


【じゃあ証拠出せ!】


【この動画!】


【その動画が作り物かどうかで揉めてんだろ!!】


【警察に問い合わせれば?】


【お前やれよ】


【嫌だよ】


【なんで】


【怒られそう】


【そこだけ常識人になるなwww】


【「ネット配信に出てた怪人って本物ですか?」】


【電話受けた警察官かわいそう】


【やめてあげてwww】


 もはや。


 誰もモズキャッチャーとの戦闘について話していない。


【警察が本物なら怪人も本物】


【それは飛躍】


【でも警察が本物なら撮影じゃないだろ】


【映画撮影に本物の警察が協力することあるぞ】


【じゃあ映画なの?】


【タイトルは?】


【知らん】


【公開日は?】


【知らん】


【だから何なら知ってるんだよwww】


【KIDがいいねを欲しがっている】


【それだけは確定】


【確定事項そこなの草】


 コメント欄は。


 完全に炎上していた。


【実在派必死すぎ】


【エキストラ派も苦しくなってきたな】


【次回同じ警察官いたらどうする?】


【専属エキストラ】


【便利すぎるだろwww】


【じゃあ毎回いたら?】


【レギュラーキャスト】


【絶対認めない気だwww】


【本物だったら?】


【謝る】


【誰に?】


【警察】


【何をだよ】


 延々と続く。


 終わらない。


 そして。


 ついに。


【もういい】


【何が】


【そんなことより次のメモリー予想しようぜ】


【逃げたああああwww】


【議論から逃げるな!】


【俺チーター】


【戻るの早い】


【カブトムシ】


【ライオン】


【オオカミ】


【サメ】


【カメレオン】


【シャコ】


【ワシ】


【だからワシはもう出てる!!】


【でも今ないだろ!】


【ないからって新メモリー扱いすんな!】


【じゃあ次回はワシ捜索回】


【怪人と戦えwww】


【警察もいるし捜索願出そう】


【「落とし物はワシのメモリーです」】


【またその話かよ】


【特徴は?】


【ワシ】


【だから特徴を言え!!】


 結局。


 怪人が本物なのか。


 KIDが何者なのか。


 警察官は本物なのか。


 映像は特撮なのか。


 CGなのか。


 エキストラなのか。


 次のメモリーは何なのか。


 何一つ。


 答えは出なかった。


 ただ一つ。


 視聴者たちの意見が。


 珍しく。


 ほぼ一致したことがある。


【で】


【結局】


【ワシどこ行った?】


【それな】


【それだけはマジで気になる】


【KID、ちゃんと探せよ】


【次回までに見つけとけ】


【ワシーーーー!!】


 画面の向こうで。


 そんな騒ぎが起きていることなど。


 もちろん。


 KID本人は知る由もない。


 そして。


 勝手に始まった次回メモリー予想大会。


 次の配信で。


 当たった。


 外れた。


 そんなことで。


 彼らが再び大騒ぎすることになるのだが。


 それは。


 また別の話である。


――つづく


――――――――――


※本作は、作者が物語のストーリー、世界観、キャラクター、設定、展開を考案し、AIとの対話を通じて文章の整理・推敲・執筆補助を行いながら制作しています。


物語の方向性、設定、展開、および最終的な内容の判断は作者自身が行っています。


本作では「人間とAIが協力して、一つの物語を作る」という創作の形にも取り組んでいます。


※本作品は「小説家になろう」「カクヨム」の両サイトに掲載しています。

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