閑話「ワシはどうした」
『ビーストギア』
間話「ワシはどうした」
『――配信開始』
【きたああああああああ!!】
【配信開始!】
【待ってました!】
【通知見て飛んできた】
【また始まったぞwww】
【もう完全に恒例行事】
【不定期なのに恒例行事とは】
【怪人の都合で配信日決まるから仕方ない】
【怪人「次回は来週金曜日20時からです」】
【予定組むなwww】
【もう「配信開始」聞くと安心する】
【怪人が出てる時点で安心できねえよ】
【でも分かる】
【分かるんかい】
【今日も生きてたKID】
【生存確認配信みたいに言うな】
今回も。
何の予告もなく、唐突に配信は始まった。
画面には、すでにKIDの姿が映っている。
そして。
その向こうには――。
【……なんだあれ】
【鳥?】
【鳥だな】
【今回鳥系か】
【なんかゴチャゴチャしてない?】
【待て】
【顔よく見てみ】
【ん?】
【マスクしてね?】
【マスク?】
【あれ野球のキャッチャーマスクじゃね?】
【…………】
【言われてみれば】
【キャッチャーのマスクだwww】
【なんで鳥が野球の防具つけてんだよ】
【野球好きなんだろ】
【怪人にも趣味くらいある】
【そこ尊重する必要ある?】
画面の向こうで、怪人がわずかに身体の向きを変えた。
異形の鳥。
顔には、野球の捕手が使うものを思わせるマスク。
そして。
その背中には、鳥にはあまりにも似つかわしくないものが背負われている。
【待て待て待て】
【背中なんだあれ】
【なんか箱ついてない?】
【箱?】
【機械っぽい】
【…………】
【あれさ】
【何】
【UFOキャッチャーの筐体じゃね?】
【は?】
【どこが】
【よく見ろ】
【…………】
【あ】
【マジだ】
【UFOキャッチャーだwww】
【なんで!?】
【鳥+野球+ゲームセンター!?】
【情報量多すぎるだろ!】
【デザイナー何考えてんだよ】
【デザイナーいる前提なの草】
【いや待って】
【俺分かったかも】
【何が】
【あの鳥、モズじゃない?】
【モズ?】
【たぶん】
【詳しい人きた】
【生物班お願いします】
【モズって何する鳥?】
【獲物を捕まえる】
【まあ鳥だからな】
【そうじゃなくて、捕まえた獲物を枝とかに刺しておく習性がある】
【怖っ】
【急に怖い話になった】
【モズのはやにえな】
【あー聞いたことある】
【つまりキャッチする鳥】
【…………】
【ん?】
【モズが獲物をキャッチ】
【野球のキャッチャー】
【UFOキャッチャー】
【…………】
【…………】
【まさか】
【キャッチャー三つ掛けてる!?】
【トリプルキャッチャーwww】
【キャッチャー盛りすぎだろ!!】
【一体の怪人にキャッチャー何個入れるんだよ!】
【キャッチャーの過積載】
【欲張りセット】
【制作陣「キャッチャーって言いたかった」】
【絶対それだろwww】
【じゃあ名前なんだよ】
【モズキャッチャー】
【そのまんまじゃねえか!!】
【でも絶対それっぽい】
【公式名称知らないのに命名される怪人】
【もうモズキャッチャーでいいだろ】
【異議なし】
【本怪人の意見も聞け】
【モズキャッチャー「え?」】
【本人困惑してて草】
そんなコメント欄の騒ぎなど、画面の中にいる本人たちが知るはずもない。
KIDは怪人――視聴者たちによって勝手に「モズキャッチャー」と命名された相手と向き合っている。
【さて】
【名前決めてる場合じゃなかった】
【戦闘だ】
【KIDいけ!】
【今日も頼むぞ】
KIDが一歩前へ出た。
怪人を見据え。
『今度は俺の番だ』
【お】
【きた】
【戦闘開始か】
【このセリフ好き】
【いけええええ!!】
そして。
『いいね、よろしく!』
【出たああああああああ!!】
【wwwwwwwwww】
【待ってました!!】
【はい定番】
【もう完全に定番だろこれwww】
【戦闘開始のゴング=いいねよろしく】
【怪人「まだ押してないんでちょっと待ってください」】
【待つなwww】
【押したぞ!】
【俺も押した】
【いいねしたから勝てよ!】
【命懸けで宣伝する配信者の鑑】
【いいね押さないと戦ってくれないの?】
【そんなヒーロー嫌だわ】
【チャンネル登録もよろしく!】
【そこまで言ったら終わりだろ】
【そのうち「通知をオンに!」とか言いそう】
【戦闘前に全部済ませるな】
【怪人が待ってくれてるの想像したら草】
――戦闘開始。
KIDが駆ける。
モズキャッチャーも動く。
【始まった!】
【いけ!】
【おお!】
【今回も速いな】
【相手も動けるぞ】
【見た目ふざけてるのに強そう】
【見た目ふざけてるは失礼だろ】
【キャッチャー三つ積んでる奴をどう評価しろと】
【機能美です】
【どこの機能だよ】
拳。
爪。
蹴り。
互いの攻撃が目まぐるしく交差する。
KIDが懐へ踏み込み、拳を叩き込む。
モズキャッチャーの身体が揺れる。
だが、倒れない。
【うお】
【危なっ】
【今回普通に強い】
【KID押してない?】
【まだ分からん】
【モズキャッチャー頑丈だな】
【その名前もう確定なの?】
【我々の中では】
【勝手に公式化すんなwww】
戦闘が続く。
地上では、KIDが少しずつ押し始めていた。
その最中。
モズキャッチャーが大きく跳び上がる。
そして。
翼を広げた。
【あ】
【飛んだ】
【やっぱ鳥だ】
【そりゃ飛ぶよな】
【モズだし】
【空中戦か】
【でも大丈夫だろ】
【だな】
【KIDも飛べる】
【ワシがある】
【はいワシの出番】
【翼出せ翼!】
【ワシ待機】
【ワシ「呼んだ?」】
【勝ったな】
【解散】
【早い早いwww】
ところが。
KIDは飛ばない。
【……ん?】
【あれ?】
【どうした】
【早くワシ使えよ】
【何してる?】
KIDは手元を確認している。
明らかに、何かを探している。
【メモリー探してる?】
【あれ】
【…………】
【おい】
【まさか】
【ワシは?】
【ワシどうした?】
【翼どうした翼】
【KIDさん?】
【…………】
【ないの?】
【まさかワシないの!?】
【えええええ!?】
【お前ワシどこやった!!】
【なくした!?】
【変身アイテムなくすヒーロー初めて見たwww】
【笑い事じゃねえだろ】
【大事なやつだぞ!】
【ちゃんと名前書いとけ】
【小学生か】
【「KIDのもの」って書いとけ】
【拾った人どうすんだよwww】
【交番に届けろ】
【ちょうど警察いるじゃん】
【「すみません、ワシ落としたんですけど」】
【警察「ワシ?」】
【「はい、ワシです」】
【警察「鳥ですか?」】
【「メモリーです」】
【警察「???」】
【特徴を教えてください】
【「ワシです」】
【だから特徴を聞いてんだよwww】
だが。
モズキャッチャーは、当然そんな事情など待ってはくれない。
上空から一気に急降下。
KIDが慌てて横へかわす。
【うわ!】
【危なっ】
【ワシ探してる場合じゃねえ!】
【どうするんだよ】
【遠距離攻撃ある?】
【銃は?】
【届いても当てるの難しそう】
【相手ずっと動いてるしな】
そして。
KIDが別のメモリーを取り出した。
【お】
【何か使うぞ】
【代替手段あるのか】
【何のメモリー?】
【…………】
【待て】
【それ】
【まさか】
メモリーを装填。
KIDが地面へ足をつける。
脚へ力を込め。
一気に――。
跳んだ。
【ノミwwwwwwww】
【そっち!?】
【なんでだよ!!】
【ワシがないからノミ!?】
【飛べないなら跳べばいいじゃない】
【マリー・アントワネットみたいに言うなwww】
【空にいるなら跳べば届く理論】
【力技すぎる】
【頭いいのか悪いのか分からん】
【でも高さは届いてるぞ】
【ノミすげえ】
【急にノミへの評価上がってて草】
KIDが一気に上空へ。
モズキャッチャーの高さまで迫る。
【届く!】
【いけるじゃん!】
【ノミ最強説】
【ワシいらなかった?】
【ワシ派を刺激するな】
だが。
モズキャッチャーが、ひらりと横へ移動した。
【あ】
【…………】
【避けられた】
【そりゃそうだ】
【KIDそのまま飛んでったwww】
【直線しか無理なのか】
【ジャンプだからな】
【空中で曲がれません】
【悲しい現実】
【飛行と跳躍の違いを身をもって学ぶ配信】
【物理の授業かな?】
【先生! KID君が自由落下してます!】
【受け身取れ!】
落下。
着地。
だがKIDは諦めない。
もう一度。
跳ぶ。
【また行った!】
【頑張れ!】
【頑張れノミ!】
【もうKIDじゃなくてノミ応援してるじゃん】
【ノミに罪はない】
【ノミ「俺は悪くない」】
【そりゃそう】
【問題は空中機動できないこと】
【つまり対空砲みたいなもんか】
【人間対空砲KID】
【人間ではないだろ】
【そこから議論始めるな】
跳ぶ。
避けられる。
落ちる。
また跳ぶ。
モズキャッチャーは、KIDの直線的な軌道を完全に読み始めていた。
【あああ惜しい!】
【横移動されたら終わりだな】
【直線番長】
【高さは十分なんだけどな】
【これ敵からしたらタイミング合わせて横に動くだけじゃね?】
【攻略法バレた】
【モズキャッチャー賢い】
【そもそも鳥相手にノミで空中戦挑んでるのがおかしい】
【でも他にないんだろ】
【ワシ……】
【ワシの話はやめろ】
【まだ見つかってないんだぞ!】
【死亡扱いすんなwww】
しかし。
笑っていられたのも、そこまでだった。
急降下。
回避。
跳躍。
空振り。
その背後へ回り込まれる。
KIDが地面へ叩き落とされた。
【うわ!】
【やば】
【今の入ったぞ】
【今回マジで相性悪い】
【上取られると何もできないな】
【ノミじゃ限界ある】
【笑ってたけど普通に危ないぞ】
【どうすんだこれ】
【ワシさえあれば】
【ワシ派が元気を取り戻した】
【今だけは正論】
KIDが立ち上がる。
再び構える。
だが。
身体の動きは、明らかに鈍くなっていた。
モズキャッチャーが上空から狙いを定める。
そして。
急降下。
【まずい】
【避けろ!】
【動けKID!】
【これヤバいぞ!】
その時。
【ん?】
【待て】
【画面端】
【誰かいる】
【誰?】
【あ】
【あいつだ】
【また謎の戦士!】
【出たあああ】
【こいつまたいるのか】
【毎回どこから見てるんだよ】
【高みの見物】
【助けるなら最初から助けろ】
【謎の戦士「成長を見守っています」】
【保護者かよ】
【KIDのお父さん説】
【やめろwww】
謎の戦士が、何かを取り出す。
【何持ってる?】
【メモリーじゃね?】
【また新しいやつ?】
【おいおい】
そして。
KIDへ向かって投げた。
『三番!』
【三番!?】
【何が!?】
【説明終わり!?】
【相変わらず言葉足りねえwww】
【三番ってどこだよ】
【スロットじゃね?】
【たぶん三番に入れろって意味】
【KIDよく分かるな】
【付き合い長くなってきたんだろ】
【会話が省エネすぎる】
【謎の戦士「三番!」】
【KID「了解!」】
【俺「???」】
【視聴者置いてけぼりwww】
KIDが受け取った。
見る。
そして。
三番へ装填する。
【入れた!】
【何だ?】
【新メモリー!】
【見えた?】
【虫っぽい】
【トンボ?】
【いや待て】
【オニヤンマじゃね?】
【オニヤンマ!?】
【オニヤンマだ!】
【昆虫系きた!】
【ノミも昆虫だろ】
【あ】
【そうだった】
【ノミの立場www】
次の瞬間。
KIDの背部に、二対の羽が展開する。
そして。
飛んだ。
【うおおおおおおお!!】
【飛んだ!!】
【飛べる!】
【新しい翼!!】
【オニヤンマ飛行フォーム!】
【ワシの代わり来た!】
【ワシ失業】
【失業じゃねえ! 行方不明だ!】
【そこ重要なのかwww】
【ワシ派激怒】
【オニヤンマ派ですよろしくお願いします】
【派閥作るの早すぎるだろ】
さっきまでとは。
まるで違う。
直進。
急旋回。
上昇。
急降下。
空中で、自分の意思のまま方向を変える。
【速っ!!】
【何だ今の!】
【曲がった!】
【空中で自由に動ける!】
【ノミと全然違うwww】
【ノミをいじめるな】
【さっきまでの苦労は何だったんだ】
【ジャンプと飛行の圧倒的格差】
【オニヤンマ強えええ】
【ワシより小回り利く?】
【おい】
【何】
【今ワシよりって言ったか?】
【ワシ派来たwww】
【戦争始めんな】
【ワシは長距離飛行、オニヤンマは空中機動とか違いあるんじゃね?】
【急に考察勢が仕事した】
【たぶん役割違うんだろ】
【なるほど】
【じゃあワシ返して】
【結局そこかよ】
空中戦の主導権が。
一気に変わった。
今度はKIDがモズキャッチャーを追いかける。
【追いついた!】
【いける!】
【完全に形勢逆転】
【オニヤンマつええ!】
【でも決め手どうする?】
【飛べるようになっただけじゃ倒せなくね?】
拳を当てる。
蹴りを入れる。
だが。
モズキャッチャーは倒れない。
その時。
KIDがさらに別のメモリーを使用した。
【え?】
【まだある!?】
【今度は何!?】
【脚変わった?】
【鳥っぽい】
【鳥?】
【おお、飛行系追加か?】
【待って】
【あれ】
【ヒクイドリじゃね?】
【ヒクイドリ?】
【…………】
【飛べねえ鳥じゃねえか!!】
【なんでだよwww】
【空中戦だぞ!?】
【ここで飛べない鳥!?】
【せっかくオニヤンマで飛んだのに!】
【ヒクイドリさんに謝れ】
【いや飛べないのは事実だろ】
【鳥枠なのに飛行能力ゼロ】
【今回のテーマ「飛ぶ」じゃないの?】
【ヒクイドリ「蹴ります」】
【聞いてねえwww】
ところが。
生物に詳しいらしい視聴者が反応する。
【いや待て】
【ヒクイドリはヤバいぞ】
【何が?】
【脚】
【脚?】
【蹴りがめちゃくちゃ強い】
【爪もヤバい】
【あ】
【つまり】
【オニヤンマで飛んで】
【ヒクイドリで蹴る?】
【…………】
【あ】
【なるほど】
【そういうこと!?】
【組み合わせか!!】
KIDがオニヤンマの機動力で、一気にモズキャッチャーへ迫る。
逃げる。
追う。
曲がる。
さらに高度を上げる。
今度は。
KIDが上を取った。
【おお!】
【上取った!】
【さっきと逆だ!】
【来るぞこれ】
【オニヤンマで加速して】
【ヒクイドリの脚!】
【やる気だ!】
KIDが急降下。
速度を乗せ。
さらに。
爪を備えた脚を引く。
【いけえええええええ!!】
直撃。
【うおおおおおおおおお!!】
【入ったああああ!!】
【つっよ!!】
【ヒクイドリさんごめんなさい】
【ごめんなさい】
【飛べない鳥とか言ってすみませんでした】
【手のひら返し早すぎwww】
【飛ぶ必要なかったわ】
【オニヤンマが飛んでくれるからな】
【空中移動担当オニヤンマ】
【攻撃担当ヒクイドリ】
【役割分担できてる】
【これ面白いな】
【メモリー単体じゃなくて組み合わせるのか】
【じゃあ組み合わせ何通りあるんだ?】
【考察班出番だぞ】
【計算班も呼べ】
【まずメモリー総数が分からん】
【詰んだwww】
そして。
モズキャッチャーが地上へ叩き落とされる。
やがてその身体は崩れ。
動かなくなった。
【勝ったあああああ!!】
【KID勝利!】
【お疲れ!】
【今回は危なかったな】
【序盤かなり詰んでた】
【オニヤンマ来なかったらどうしてたんだ】
【ノミで頑張る】
【無茶言うな】
【ワシを探す】
【戦闘中に捜索活動すんなwww】
戦いが終わると。
配信を見ていた者たちの興味は。
すぐ別の方向へ向かい始めた。
【ところで】
【何】
【今回二つ増えたよな】
【オニヤンマとヒクイドリ】
【そう】
【ってことは】
【まだメモリーあるんじゃね?】
【…………】
【確かに】
【あの謎の戦士が持ってきたし】
【何個持ってんだあいつ】
【メモリー屋さん】
【謎の戦士「毎度どうも」】
【通販かよ】
【KID自分で持ってるのと、後から渡されるのがあるのか?】
【そもそも誰が作ってんだ】
【謎しかねえ】
【一覧欲しい】
【誰かまとめて】
【wiki班!】
【もうある】
【仕事早すぎるだろwww】
そして。
誰かが。
余計な一言を書き込んだ。
【次に出るメモリー予想しようぜ】
【やる】
【面白そう】
【参加】
【当たったら何もらえる?】
【名誉】
【いらねえwww】
【いいね一個】
【KIDから?】
【無理だろ】
【じゃあ自己申告でいいね押しとけ】
こうして。
誰に頼まれたわけでもない。
公式企画でもない。
次回メモリー予想大会が始まった。
【俺チーター】
【高速系】
【でもオニヤンマ速いぞ】
【地上高速枠だろ】
【なるほど】
【カブトムシ】
【昆虫系あるなら王道】
【クワガタ】
【カブトとセットで来そう】
【ライオン】
【絶対強い】
【ゴリラ】
【パワー枠】
【サメ】
【水中戦用】
【オオカミ】
【嗅覚とか?】
【ヘビ】
【毒?】
【カマキリ】
【腕が武器になりそう】
【シャコ】
【パンチ】
【デンキウナギ】
【電撃】
【コウモリ】
【超音波】
【フクロウ】
【夜間戦】
【急にみんな真面目に考察し始めたwww】
【じゃあナマケモノ】
【何に使うんだよ】
【省エネ】
【戦闘中に休むな】
【カメ】
【防御】
【それ普通にありそう】
【アルマジロ】
【それも防御】
【ヤマアラシ】
【遠距離?】
【針飛ばす前提なの草】
【タコ】
【腕増える?】
【スロット足りなくなるぞ】
【イカ】
【タコと何が違うんだよ】
【墨】
【視界妨害か】
【意外と使えそうなのやめろwww】
【カメレオン】
【透明化】
【お】
【それありそう】
【ドラゴン】
【実在する生き物にしろ】
【恐竜】
【実在してた】
【絶滅種ありなの?】
【マンモス】
【だからルール分からんって】
【幻獣ありならユニコーン】
【何の能力だよ】
【角】
【雑www】
【ワシ】
【もう出てる!】
【ワシ復活】
【それ新メモリー予想じゃねえだろ】
【俺はワシが帰ってくると信じてる】
【ワシファン重いな】
賞品なし。
ルールなし。
公式ですらない。
それでも。
異様なほど盛り上がっていく。
【俺チーターで登録】
【俺カブトムシ】
【ライオン】
【オオカミ】
【サメ】
【カメレオン】
【シャコ】
【ワシ】
【だからワシは違うwww】
【次回答え合わせな】
【覚えてたらな】
【誰かスクショしとけ】
【もうした】
【仕事早い】
そんな中。
一つのコメントが流れた。
【ところでさ】
【ん?】
【今回、警察映ってなかった?】
コメントの流れが。
少しだけ変わった。
【いた】
【いたな】
【警察官っぽい人】
【何人かいたよな】
【あれエキストラだろ】
【だと思う】
【撮影なんだから普通に役者】
【今回は警察まで出したのか】
【制作費上がってんな】
【シリーズ人気出たから予算増えた?】
【シリーズって何だよwww】
ところが。
【いや】
【何】
【エキストラにしては迫真すぎない?】
【それ】
【俺も思った】
【負傷者運んでたよな】
【動きが普通にガチっぽかった】
【演技だろ】
【演技だったら上手すぎ】
【スタントマンじゃね】
【全員?】
【全員】
【何人雇ってんだよwww】
【金かかりすぎだろ】
【スポンサーいるんじゃね?】
【スポンサーどこだよ】
【いいね】
【え】
【俺たち?】
【「いいねよろしく」は資金調達だった!?】
【一いいね何円だよwww】
【じゃあもっと押さなきゃ】
【一回しか押せねえよ】
そして。
当然のように。
始まった。
【いや、警察本物だろ】
【出た実在派】
【怪人もKIDも本物だから】
【はいはい】
【まだ信じてんの?】
【じゃああの戦闘どうやって撮影してんだよ】
【CG】
【出た万能CG】
【今の技術ならできる】
【じゃあ制作会社どこ?】
【知らん】
【監督は?】
【知らん】
【KID役の俳優は?】
【知らん】
【怪人役は?】
【知らん】
【ロケ地は?】
【知らん】
【何なら知ってるんだよ!!】
【CGだということ】
【根拠は!?】
【CGっぽいから】
【雑すぎるwww】
実在派。
特撮派。
CG派。
エキストラ派。
さらに。
【俺はドッキリ番組説を推す】
【誰に対するドッキリだよ】
【視聴者】
【規模デカすぎwww】
【政府の実験説】
【急に陰謀論】
【実は海外撮影】
【日本の警察映ってるだろ】
【衣装】
【もう何でもありじゃねえか】
火は。
どんどん大きくなる。
【本物だって!】
【作り物!】
【じゃあ証拠出せ!】
【この動画!】
【その動画が作り物かどうかで揉めてんだろ!!】
【警察に問い合わせれば?】
【お前やれよ】
【嫌だよ】
【なんで】
【怒られそう】
【そこだけ常識人になるなwww】
【「ネット配信に出てた怪人って本物ですか?」】
【電話受けた警察官かわいそう】
【やめてあげてwww】
もはや。
誰もモズキャッチャーとの戦闘について話していない。
【警察が本物なら怪人も本物】
【それは飛躍】
【でも警察が本物なら撮影じゃないだろ】
【映画撮影に本物の警察が協力することあるぞ】
【じゃあ映画なの?】
【タイトルは?】
【知らん】
【公開日は?】
【知らん】
【だから何なら知ってるんだよwww】
【KIDがいいねを欲しがっている】
【それだけは確定】
【確定事項そこなの草】
コメント欄は。
完全に炎上していた。
【実在派必死すぎ】
【エキストラ派も苦しくなってきたな】
【次回同じ警察官いたらどうする?】
【専属エキストラ】
【便利すぎるだろwww】
【じゃあ毎回いたら?】
【レギュラーキャスト】
【絶対認めない気だwww】
【本物だったら?】
【謝る】
【誰に?】
【警察】
【何をだよ】
延々と続く。
終わらない。
そして。
ついに。
【もういい】
【何が】
【そんなことより次のメモリー予想しようぜ】
【逃げたああああwww】
【議論から逃げるな!】
【俺チーター】
【戻るの早い】
【カブトムシ】
【ライオン】
【オオカミ】
【サメ】
【カメレオン】
【シャコ】
【ワシ】
【だからワシはもう出てる!!】
【でも今ないだろ!】
【ないからって新メモリー扱いすんな!】
【じゃあ次回はワシ捜索回】
【怪人と戦えwww】
【警察もいるし捜索願出そう】
【「落とし物はワシのメモリーです」】
【またその話かよ】
【特徴は?】
【ワシ】
【だから特徴を言え!!】
結局。
怪人が本物なのか。
KIDが何者なのか。
警察官は本物なのか。
映像は特撮なのか。
CGなのか。
エキストラなのか。
次のメモリーは何なのか。
何一つ。
答えは出なかった。
ただ一つ。
視聴者たちの意見が。
珍しく。
ほぼ一致したことがある。
【で】
【結局】
【ワシどこ行った?】
【それな】
【それだけはマジで気になる】
【KID、ちゃんと探せよ】
【次回までに見つけとけ】
【ワシーーーー!!】
画面の向こうで。
そんな騒ぎが起きていることなど。
もちろん。
KID本人は知る由もない。
そして。
勝手に始まった次回メモリー予想大会。
次の配信で。
当たった。
外れた。
そんなことで。
彼らが再び大騒ぎすることになるのだが。
それは。
また別の話である。
――つづく
――――――――――
※本作は、作者が物語のストーリー、世界観、キャラクター、設定、展開を考案し、AIとの対話を通じて文章の整理・推敲・執筆補助を行いながら制作しています。
物語の方向性、設定、展開、および最終的な内容の判断は作者自身が行っています。
本作では「人間とAIが協力して、一つの物語を作る」という創作の形にも取り組んでいます。
※本作品は「小説家になろう」「カクヨム」の両サイトに掲載しています。




