44話 改革
「リーちゃん、教会の椅子の数減らして長机を置くよう手配して。金はサイタニ屋さんが金のアデヤ像売った金があるから大工にでも発注して」
「私が?なんで?」
「リーちゃんは読み書きソロバン全部できるから。どのくらいの長さの机をいくつ必要とか計算できるでしょ?」
「そのくらいなら」
やっぱできる子だ。
「人の動線とかも考えて効率よくね。万が一のときの避難方法も頭に置いて」
「わかりました」
やっぱできるな。
「ユイは教会の連中に指示して、不要になった服とかあと子供が小さい頃使ってた教本やら擦り切れた筆でもええわ。なんでも不用品あったら教会前の箱に寄付できるように段取りして。お前はその辺のアデヤ砲で壊れた机の木片にサインでも書いて、それを寄付してくれた人にプレゼントできるように」
「私のサインがノベルティ?そんなのでいいの?」
「なんでもええよ。信者には聖女様のもんなら何でもお宝だろ」
「ふ~ん、まあいいけど」
「後は…」
「ソラ、あなた一体何なのよ?なんでそんな次々思いつくわけ?」
「アホ、俺は腐っても葬祭プランナーやぞ?腐って無いけど。段取りなんて受注行く前から考えとるちゅうねん。葬儀の電話受けたら、住所聞いた時点で大体の流れは決まってるようなもんや。大体それで収まっとった。今回やってこうなる前から計画しとったに決まっとるやん」
「呆れた。いつからよ…」
「ん?この町に初めて来て若旦那と口論した時。外の浮浪児見て、あれどうしよう?って。このまま見て見ぬふりはできんよなぁって。さぁ、まだまだやる事あるぞ。これから殿さんとこ行かなきゃ」
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「こんちは!」
もう大手門も顔パスで入れる僕ら。まぁ殿さんの頭叩いてゆるされるくらいの仲やし。それが面白くない側近もいるだろうけど関係ない。別に僕ら殿さんに取り入ろうとしているわけでも無いし。むしろその逆だ。とりあえず何事もなく書院に通される。
メンツは僕、ウミ、ユイ、そして無理やり連れて来た若旦那。あと犬ね。
「呼んでくれたらこっちから行くが」
と気さくに言うけど、殿様が来たらサイタニ屋の従業員が対応に追われるわ。暗殺防止の為のセキュリティもない。
「ここからはちょっと大変な話するけどいいですか?」
「もちろんだ。聖女様の御付きとしか思っていなかったが、ソラと申したな。お前のお陰でわしは色んなことを知れた。なんでも言ってくれ」
「私は…じゃないな、聖女様は割と未来が見える。完全じゃないけど多分こんなことが起きるだろうなって事ね。ただそうする為には今のままでは不完全」
「まぁ心に染みておる。ただどうしたらいいかは思いつかん」
「だから聖女様が色々と道を示してくれるのでそれに従てもらえば」
「わかった。聖女様。ぜひ教えを乞いたい」
と頭を下げる。この殿様、世間知らずだっただけで根は素直だな。
「わかりました。ではそちらにいるソラからいう事を聞いてください」
お前、心を読んで真似するの面倒になって丸投げしたな?聖女と僕じゃ言葉の重さが違うと思うんだけどなぁ。
「では、ソラよ。なんなりと申してみよ」
「では私から。まず郷士の男達について。彼らはこれまで教育も受けず、ただ日銭を稼ぐことしか考えていませんでした。ろくに働き方も働く場所も無かった。だからその受け皿を作りましょう!読み書きできなくてもまずはやってみる。身体を使う大工仕事、土木作業、あと一番大事なのは荒れた田畑の手入れです。これらはアテがあったので手配しています。あ、漁業とかもいいですね。道具を与えて獲り方覚えたら労働力になります」
ここに来る前に久しぶりに伝書ガラスのローパちゃんを使って、安穏寺さんに手紙を送った。城の事はなんとかなったので安心してねと。代わりにお願い聞いてと。
* **安穏寺さんへのお願い**
* 檀家の大工や土工、農家の人を指導者として数名コーチに送り出して。
* 宿とメシはこっちもち。
* 留守の間の家族の生活費や、特別手当の給金は藩から支給。
* 農家の人が留守にしてる間は、安穏寺さんがボランティアで作業してあげて。
* 野菜の種や苗は安穏寺さんよろしく。いっぱい植えてたから多少融通してくれるでしょ?
これで仕事関係の依頼はOK。
「男たちはそんな感じでやってください。藩のお金を使う事になりますがそれ以上に見返りは出ます。税もこれまで以上に入ります。金を得た郷士達が町に入るようになれば消費も増え、流通も活性化します。商店も儲かります」
「なるほどのぉ」
「あと女性達です。こちらも動ける者は商店や食堂で店番や配膳をさせるところからでいいでしょう。手先の器用なものは縫い仕事に従事させてもいいですし。そのうち読み書きソロバンができるようになったらもっと働き場所も増えます。まあ家の事もあるので時間を分けて働くようにできるといいかもです」
ついパートタイムの事を口走ったけど、あれはあれでいいシステムよな。働く主婦にとっては。
「あとアデヤ教会ですがこっちはもう勝手に進めてます。教会は学校にします。郷士の子、上士の子、商人の子、農人の子、学びたい大人だれでもが入れる場所にします。そこは身分の上下関係なくみんな平等に扱います」
「できるのか、そんな事?少なからず町民が先生役だと上士の子には遠慮するぞ。逆に上士が先生となるとまず町民への差別の気持ちは出るだろう」
「そう思いまして、誰にも平等に相手ができる上に立つ先生を考えています。先生?いや校長ですね」
「そうか、それは任せる。上士の子とあの浮浪児達が一緒にの、ふふふ。面白い」
「あと郷士の子や浮浪児の恰好はなんとかさせます。服は町民からいらない服を寄付してもらってそれを配ろうと思います。手洗いうがいも町の入り口に水場を用意して、そこで綺麗にしてから入るように指導します。あとは教本が集まるかどうかですけど」
「本か?それなら書庫の物を持っていくがいい。あとな、服に関しても城にたくさん反物もあろう。あとわしの古着も持っていくがいい」
殿様の子供服を浮浪児が?面白いな、それ。ぜひやってみよう!金とか銀とかの糸使ってるやろ、絶対。
「まだありまして…」
「申せ」
「郷士の集落に公共の湯屋を作ってください。殿様も思ったでしょ?臭いって。風呂が無いからですよ。藩の金を使って申し訳ないですが、まずは清潔にしないと町に受け入れられないと思います」
「まさにそうじゃの。あい分かった」
「さらに…」
「なんでも申せ。遠慮はいらん」
「売られた郷士の子の買戻し。これの触れを出してもらえませんか?」
「…浮浪児以外の子達か」
「そうです。親元に帰りたい子もいると思うんです。逆にもう今の生活の方がいいという子はそのままでもいいです。ただ、子供が希望したら自宅に帰る権利を与えてやっと欲しいです」
「帰る家と言っても…あのボロボロの家か?」
「それを自分たちで直させるんです。その為の大工の技術です。土工の技術です。農業の知識です。必要だから与えるじゃダメなんです。自分で考えて自分らで作らせる。水が無いから井戸を作ってあげましたじゃダメなんです。やり方を教えて自分らで作らせる。維持管理の仕方を考える。必要なら追加で作る。楽だからって与えただけじゃ身につかない。自分らで考えさせなきゃダメです。その考える力を子供のうちから勉強させるための学校です。みな平等に同じことを学れば最初は身分の違いで軋轢は生まれるでしょうが、子供どうしです。いつかは真の友情も生まれましょう。生まれなんて関係ないんです。自分がどうしたいか、どうなりたいかそれだけですよ。かわいそうだからお金をあげる、じゃないんですよね」
「お主…一体その考えどこで学んだ?」
「学んでなんていませんけど、色々と新聞…瓦版とか見てたり人から聞いたりして思ってたことです。それをここでやってみたいんです。失敗したらごめんなさい。でもね、歴史ってずっと続くんですよ。間違ってたらやり直しましょう。正解ばっかりも面白くないですしね。昔々、弘法大師空海さんは讃岐の国にため池をいっぱい作ったそうですよ。渇水で田畑の水が干からびて飢饉にならないようにあちこちに。それが1000年以上経ってもその土地の農業を支えてるそうですよ。そんなん未来を目指しましょう」
「なるほどのぉ。しかし郷士達が家を建てるにしても資材がいるぞ」
「それはなぜか教会の隣の大きなお屋敷が昨日の雷かなんかで綺麗に壊れましてね。小さい教会を作るにしてもかなりの資材が余って置き場に困るみたいなんです」
「それをアデヤ教会として寄付するわ」
とユイ。
「殿!そう言えば山から間引いた杉なども山の斜面にに置きっぱなしですぞ。処分に困っておりますが」
あ、ダンディ家老。君、この前いい仕事したな。見直したよ。今回もいい事言った。
「それを板にできる職人がいたらいいですね」とウミ。丸太あってもなぁ。
「ソラ、それはわしにやらせろ。藩の金ではない。わしの金で板にして寄付するわ」
「恐れながら殿、その役目は私に」
と家老。
「私の先祖のしたことが今の、これまでの郷士を苦しめてきました。罪滅ぼしになるとは思いませんが、家財を投げうってでもここは私に」
「バカを申せ!それを見逃してきたわしの責任ぞ」
ああめんどくさい。レジ前のおばちゃんのレシートで私払う、ここか私がのやり取り見てるみたいや。
「じゃあ二人で折半でね!」
これでOK。飲み食いしたら割り勘が一番!
郷士達の家も仕事も子供らの件もなんとかなりそう。あとは…
「最後に一番大事な事」
「一番?」
「郷士達の再雇用」
「再雇用とな?」
「平時は畑仕事とかしてもいざという時は兵となるのが郷士の本来の役目。それを元通りにして欲しい。今は郷士がいないもんとされているから」
「しかし太平の世となり久しい。もう戦とかは考えにくいぞ」
「いえ、まだあります……聖女が予言を~」
ちらっとユイを見る。
「オホン、そうです。備えあれば患いなしです」
「なるほど…だが今まで無為にブラブラ仕事もろくにせず過ごしてきた郷士達が今すぐ役に立つとは思えんぞ」
「そこなんですよね。でも誰か世話役決めて上士との間を取り持って調練とかしたらなんとかなるかと。私の知る限り、これからは武士、町人、百姓関係なく兵になる時が来ます。それがいいとかは言いませんが、藩にとっては今後必要な過程です」
奇兵隊ってのも出てくるかもしれんしな。
「誰ぞ適任はおるのか?」
「いや、それが全く…」
「郷士の子で心当たりがありますが」
あ、若旦那連れて来てたの忘れてた。いたんだった。
「誰?」
「風呂屋の釜焚きをしているもんですが。ヤツは郷士の中でも一目置かれております。男気があって面倒見がいい。子供の頃に口減らしで売られてきた奴で、今は町に住んどりますがいまでもちょくちょく実家に戻っては親の面倒を見とる立派な男です」
「サイタニ屋、お前はなぜそれを知っておる?」
「今だからいいますが私も元は郷士の出ですき。何代か前の先祖が商才があったようで、丁稚奉公から身を起して今では町一番の老舗宿になりましたが、最初の頃は色々苦労したそうです」
「え?若旦那、郷士の出?じゃあなんで最初に会ったときに郷士の子の事をあんなボロクソに言ったのさ」
「色々あると言うたろう。彼らに多少の金の工面もしとりますが焼け石に水ですき。その場で金を与えても美味いもん食って終わり。なんの解決にもならんがです。でもさっきの話を聞いて私も性根を入れ替えて手伝います。アデヤ教会の司祭様のえいように使われとりましたき」
土佐弁入る時は多分本心だな。心を飾ってない。いいと思うよ。
「ではサイタニ屋の推す者と会ってみて、ソラが良いと思えば連れて参れ。わしが直接あって人となりを見て決めるぞ」
僕もえらい信頼されたもんだな、こりゃ。
「しかしまぁたくさん注文ばっかりつけよってからに。ソラ、わしからも願いがあるが聞いてくれるか?」
「できる事だったらいいですよ」
「お前とそっちのウミ、お主らわしの臣下となれ。わしの治世を助けよ」
「え?嫌です」
即答。ウミは無視してる。殿様を無視すんな。
「嫌か?」
「興味が無いと言うかやることあるんで。そもそも僕ら帰る所ありますし」
「どこかの藩の家臣じゃったか?」
「え?あっ!今、気づいたけど、なにこれ?偶然?うちの社長も殿様と同じ山内だわ!奇遇!!すげ~。僕、山内社長の部下です。一番下っ端」
「社長とはなんじゃ?どこの藩じゃ?」
「ん~讃岐の丸亀藩辺りの葬儀屋の大旦那に雇われてる売り子?みたいな」
「お前みたいなのが店の売り子?ウソじゃろ?」
「本当なんだなぁ~これが。一番下っ端で雑用専門。まだまだ見習いですわ」
「それは凄いとこじゃの…社長とやらが羨ましいぞ。まぁ他所の家臣を引き抜くのは不義理じゃの。今は諦めるわ。では食客と言う形でどうじゃ?お前がこの藩におる間」
「食客?飯食わしてくれるならそれでいいけど、もうすぐ旅に出るよ」
「構わん。それで頼む」
へいへいそれで気が済むならね。あんまり断るのも悪いし。高知も広いからセーブポイントとしてこの城を使えばただでメシと風呂ゲットできる。ユイのどこでもドア使えるかもしれんし。
「イヤよ」あ、そう。
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「ところで風呂屋ってどこ?」
「もうすぐですよ、ほらあそこ」
「ああ、あのでっかいとこ?」
「そうです。そこで三助をしてます」
「?」
「風呂を沸かしたり、薪を割ったり、客の背中を流したり結構重労働をする人の事だよ」
にゃんこスターしか頭に浮かばんかったので助かったよウミ。
「本当に無知ね、ソラって」
チッ、文句を言われつつ風呂屋の裏にまわる。
「お~い四郎よ!いまちょっといいかね?」
と若旦那が背中を向けた男に声をかける。
「なんじゃ?宿屋のボンがなんぞ?今忙しいがよ」
と振り向いた。がっちりした体格に日焼けした肌。口では文句言いつつ若旦那を見て嬉そうに笑う口元から見える白い歯。ん?既視感あるな。
「ソラ君、この人」
やっぱそうやんな?
「あの人の子孫ね」
ユイも?桂浜で吉田さんと親しげに喋ってた仕切り役の人と瓜二つだ。絶対血縁者に間違いない。
「あなたに話があります!」
そこで僕はこれまでの経緯、そしてこれからの事を四郎さんに伝えた。4男坊だから四郎。いらない子として小さい頃売られてきてそこから毎日薪割りと風呂焚き、客の相手をしてきたそうだ。話を聞いてめっちゃ驚いていたけど、めっちゃさっぱりした人で、理科してからは早かった。決断力いいわ~。ま、これから大変さ、ふふ。
風呂屋の店主に殿様の呼び出しという事を告げ、サイタニ屋に戻り、若旦那の礼服を着せ皆で登城した。筋肉つきすぎで胸元きつそうやけど我慢させた。リーちゃんも引っ張って来た。ちょっとおめかしチャイナ。連れ出すのは若旦那のOKが出ているから問題無い。
「殿様、連れて来たよ。彼なら間違いない。当時の郷士のまとめ役の子孫です(多分)」
と告げると
「お主がか。誠に長い間、お主やお主ら家族、郷士家族には苦労を掛けた…」
と殿様が泣いて詫びる。まぁ色々な思いがこみ上げるわな。それを見ている家老も一緒に泣いている。
「なにが起きちゅうが?」
と四郎さんオロオロしてる。わけわからんな、突然連れてこられて顔を見るなり初対面の殿様と家老が泣いたら。しばらく二人は泣き続け、落ち着いたころに
「サイタニ屋!」
と若旦那が殿様に呼ばれた。ん?手打ちにされるのか?
「バカなの?」
ユイが睨む。
「この度の事、誠にご苦労であった。その功とこれからの事を鑑みそなたを上士として取り立てる。藩の為に励め」
え?町人から出世?凄い。
「名を与えるが何か希望はあるか?」
と家老が言う。そうか、名字帯刀許されるのか?ぽっちゃり若旦那が?ま、学校の事とか仕事あるから城に詰めさせる方が便利か。
「それでは郷士の頃に名乗っておった『坂本』を名乗らせていただければ」
「サイタニ改め坂本と申すか?よかろう。今日よりお主は坂本じゃ。宿の仕事は他の者に任せお主は城勤めじゃ。四郎!お前も郷士としてしばらくは坂本と共に調練に励み他の郷士をまとめよ。おまえがこれから上士と郷士の架け橋となるのじゃ」
「私が?郷士として?ははっ!」
と慣れない土下座をしてかしこまる四郎さん。三助からこっちも出世だな。あとは色々あるけど段取りしたからなんとかなるだろう!
「そちは……リー・チャンと申すか?そなたには教会跡に作る学校なるものの差配役を命じる」
「え?私?なんで?」
とオロオロ。でもね、そりゃリーちゃんあっての計画だもん。
「お主については聖女以下ウミ、ソラから話を聞いている。異国から来た一族にもかかわらず町に溶け込み、サイタニ屋で働いているらしいな。読み書き、そろばんもできる上に目端も効いて対応力に優れていると聞いている。異国の文化を捨てずそれでも皆に受け入れられているのじゃな。その経験を生かして上士、郷士、町人が雑多に混じり合う学校の礎となって欲しいのだ。頼む」
と殿様が頭を下げる。
「えっえっ?私、私は空海様の元で修行を…」
「リーちゃん、これも修行だよ」
とウミがささやく。
「また高知まわったら帰りに寄るよ。その時学校がちゃんと機能してたら、その時は旅に出れるようだったら検討しよう」
と提案する。
「わ、わかりました!やってみます」
修行には貪欲やな。でもいい事だ。
「じゃあそう言う事で、殿様。色々ありがとう。僕らはそろそろこの町を出ますわ。次行くところあるので」
「おいおい、まだ何も始まって無かろうが?」
「僕らは種はまいたので育てるのはあなたの仕事ですよ」
そう言って城を出た。なんかご褒美にお金くれたけど、重たいのでアデヤ教会復興の募金箱にぶち込んだ。
「お金全部入れてどうすんの?」
「もとはと言えば俺らのせいでアデヤさん色々壊してくれたやろ?その費用の足しや。新しい司祭の家も建てなあかし、小さい教会もいるやろ?あの大聖堂みたいなの丸ごと学校にするし」
「純金のアデヤ像で余裕でお釣り出るわよ。金の相場知らないの?高騰中よ」
「え?マジ?じゃあ返して」
「あ、これ賽銭泥棒できないように一度入れたら手が入らないよ」
とウミ。
「やっちゃったわね」
あう~。
「ところで若旦那だけど、あれって…」
「ああ竜馬さんにつながるんやろうな、この先」
「ぽっちゃりさんだけどね」
それはあいつが食いすぎだからだ。
「調練で絞られたらいい感じになるさ」
「今度こそ最御崎寺だね、室戸の」
「室戸…この前、中岡いうのが飛んで行ったぞ、桂浜から」
「ああ、もうからみたくないわね、霊とかお腹いっぱいだわ。しばらくノー霊で」
「いてもスルーしよ、スルー」
「目があっても見なかった事にしましょうね」
などと言いながらサイタニ屋に戻るのだった。飯食って寝たら出発しよう!
*(第45話へ続く)*




