その4 買い物1
「よし、各自何か必要なものがあったら買っていけよー」
バスターがパーティーに呼びかける。
今日この日は魔物の討伐や特にクエストもないため町の市場へとやってきた勇者パーティー4人。グードにはいつも通りカバンが持たされていたが、今日は買い物ということもあってかいつもより少し小さくしぼんでいた。
「はーい」
そういうと4人はそれぞれ目的のものを買いに散った。
「俺は剣でも一応見てみようかな」
「俺も大剣が見たいな」
パワードとバスターは武器屋を目指していった。
「うーん、欲しいもの無いんだよなー」
グードはその辺をブラブラしていた。グードは基本戦わない(戦わせない)し、そもそも剣や杖などが無くても十分強いため武器に困ってはいなかった。
日頃の料理などの家事は他の3人がやってくれることもあるが、グードがやることもあるため大体このような買い物に来た時は食糧を見ることが多い。しかし当分の分の食糧は買ってあり今日は特に買う必要はないため、これといって必要なものがなかったグードはその辺をプラプラしていた。
この町の市場も国の中心の都市ほどではないがやはり人も多く賑わっている。店も武器を売っているお店はもちろん、魚介を売っているお店、果物を売っているお店や雑貨を売っているお店など様々ある。
「ねーグード、何か欲しいものある?」
後ろから小声でメイシンが耳元に話しかけてきた。
そして、最後にフッと息を吹きかけた。
「ヒャッ!?」
思わずグードは前にとぶ。別にグードはこれに弱いわけでは無いのだがメイシンが何度もやるうちに上手くなっていたのである。
メイシンはご満悦な顔でグードの前に回り込んできた。
「メイシンは買うものないの?」
彼女より一回り小さいグードは目の前の彼女を見上げる。
「私は何買おうか決めていないんだよねー」
メイシンはチラッとグードの方に視線を向ける。
「そうなんだ」
「グードも買うもの決まってないんだよね?」
「うん」
「・・・・・・」
メイシンはグードからの言葉を待つようにジッと彼の目を見つめてくる。彼は最初に声をかけられた時点でその言葉を知っていたが、自分からは言おうとしなかった。しかし、ここまでくると言うかとグードは彼女の誘導に乗る形で言った。
「・・・一緒にまわる?」
グードが言った瞬間彼女は満面の笑みかつどこか余裕のある顔で
「いいよ!」
と言った。
彼女は毎回このような形でグードの方から誘ってくるように仕向ける。自分から誘ったほうが早いんじゃないかと最初は思っていたが、どうやらメイシンはグードから誘って欲しいがために誘導しているみたいだ。
「それじゃあ早速行きましょう!」
2人は仲良くしかし目立たないように手を繋いで歩いていった。
一方パワードとバスターは武器屋で剣を見てた。
「うおっ、かっけぇぜこの剣、いや斧か・・・」
バスターは1本の武器を見つめていた。彼の言う通りその武器は剣であり斧だった。待つところは剣と考えて差し支えないだろうが、問題はそっから先だ。いわゆる刃の部分のうち右半分は剣となっているが左半分は斧となっている。そのため違和感しかなかった。
しかしバスターの目の輝きは本物だ。
「ヤベェ、これ買おうかな」
「お前本当に買うのか・・・?」
パワードが冗談だろと言わんばかりにバスターに聞く。
「なんだよかっこいいじゃねぇか!」
バスターは自分の目を疑わない。
だが、パワードはそれに対して冷静だ。
「でもこんなの買って役に立つのか?そもほもどう使うんだよそれ」
確かにと思ったのかバスターは少し不安げな表情になり店員に尋ねる。
「なぁ、この武器ってどう使うんだ?」
「・・・」
素朴な見た目からの店員はかけてる眼鏡をクイッと上げると真剣な顔で答えた。
「その武器は未だかつて誰も使いこなせていません
しかし、勇者様なら使いこなせる・・・私はそう信じています」
「やっぱり、これはやっぱりすごい剣なんだ・・・」
バスターはすっかり感心していた。その様子を見たパワードは心配になる。
「いや、それただ単に使いづらい武器なだけじゃ・・・」
こんなやつがリーダーで大丈夫なんだろうかと思うパワードだった。
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