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その33 出られない


「くそっ、なんだこれ!」


 バスターが屋敷の扉にソード斧を振り下ろす。もちろんぶち壊すためだ。

 しかし、先ほどから何回も試しているが穴を開けることができない。ソード斧が壁に当たっても何の手応えもなく通過するだけだ。


「泥水を切ってるようだぜ」


 呟くバスターの隣でパワードが腰を入れながら拳を壁に叩きつける。しかし今度は殴った所がゴムのように伸び出した。


「ぐっ・・・!」


 必死に押すも突き破ることは出来ず跳ね返されてしまった。


「くそ・・・」


「2人とも、どいてなさい」

 2人の背後ではメイシンが杖を構えており、その前には大岩のような火の玉がメラメラと燃えている。


「おいおい、そんなのぶつけたらこの家が燃えちまうぞ!」

「そうだぞ! 俺たちの家が!」

 

 慌てて火の玉と屋敷の扉の間に立つバスターとパワード。だが彼女はそんなことお構いなしに燃え盛る玉を飛ばした。


「うわわわわわわわー!」

 

 飛んできた火の玉を2人は間一髪横に飛んでかわす。そして火の玉は一直線に扉へと向かって飛んでいく。しかし扉に触れた瞬間、火の玉が大きくなり彼女の方へと跳ね返ってきた。


「うそ・・・!」

 

 咄嗟に彼女は杖を振って自分の火球を弾いた。その先にはさっき横に飛んで避けたパワードとバスターがまだ倒れている。


「うわわわわわわわー!」


 2人は慌てて立ち上がると両手で火の玉を止める。前のめりになり、踏ん張る。


「だっ!」


 2人は息を合わせたかのように叫んだ。そして火の玉は潰れたかのように弾けた。


「殺す気かー!」


 バスターが怒るがメイシンは顎に手を当てて考える。


「困ったわね・・・ 切ってもダメ、殴ってもダメ、魔法もダメ。力づくで出るのは無理ね」


「じゃあ僕が・・・」


 後ろにいたグードが前に出てきた。その体は少し気を張っている。


「待て待て待てっ、大丈夫、俺らでどうにかするから!」

「そうよ、グードは無理しないでっ!」

「俺らに任せろ」


 3人が慌てるようにグードを止める。そう?と言うとグードは力を抜いた。


 バスターが仕切り直すかのようにメイシンの方を向く。


「なぁ、これって魔法とかかかってるんじゃねーの?」

 

 メイシンは壁に近づくとコンコンと叩いた。


「そうね・・・ 断言はできないけど、これは魔法って言うより呪いに近いわ。しかもかなり強力な」


「解けるのか?」


 パワードが尋ねる。


「わからないわ、私の専門じゃないし。でも呪いにせよ魔法にせよ屋敷の内側が強化されているならその根源もこの屋敷にあるはず。探すわよ」


「でもこんな広いんじゃキリがないよ、二手に別れる?」

 グードの提案には全員が賛成した。

 当然の如く3人のグード争奪戦が始まろうとしたがグード本人がこれを抑止、くじ引きをすることとなった。結果、バスターとパワード、メイシンとグードという組み合わせとなった。


「よし、じゃ行くわよ!」

「おー」


「ちょっ待てよ」

 出発しようとするメイシンとグードを止めるバスター。


「俺たち呪いの探知とかお前みたいにできなぇよ」


「しょうがないわね」

 メイシンは袋か長方形の指はどの大きさの紙を取り出した。


「なんだこれは?」

 パワードは不思議そうにひっくり返したりして紙を見つめる。


「それ呪いや魔力の探知する神よ。魔力に近づくと赤色に、呪いだったら黒色に紙が変色するからそれで探して。近くなる程色が強くなるから」


「おう、わかった」

 

 バスターとパワードは紙を半分こにする。


「もし紙が焼け焦げたらかなり強力な呪いや魔法がかかっているからそんときは私を呼んで」

「おう!」


 こうして4人は二手に別れて捜索を開始した。


読んでいただきありがとうございます

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