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その32 綺麗なお屋敷


 大きな門から入るとそこには広大な庭が広がっていた。中央には朽ちかけた石像が佇んでいる。あちこち欠けているが、その凛々しさと美しさを兼ね備えた姿はまるで番人だ。ローデラが言っていた女戦士だろうか。


 そして周りを見渡すと屋敷の周りにもかつての栄華が見受けられる。ローデラが雑草の方は除去してくれて綺麗ではあるものの、石やレンガは古い遺跡のように所々崩れている。


 静かな屋敷にギィーと軋む音が響く。それと同時に一筋の光が差し込んだ。光はだんだん大きくなると今度はバスターたちの影が現れた。

 それを2階の手すりから見ていた女性は彼らが入ってくると煙となって姿を消した。



「おじゃましまーす・・・」

 

 警戒しているのか、恐る恐る入る勇者パーティ4人。しかし次の瞬間、4人から驚きの声が漏れた。

 まず目に入ったのは広いホールだ。そして目の前には2つの階段は左右対称に緩いカーブを描いて上の階へと続いている。

 そしてホールの両サイドや正面奥にドアがあることからたくさんの部屋があるようだ。余程装飾に凝っているのか床以外に平たい部分がなく、壁を登れるんじゃ無いかというくらいデコボコしている。


「流石地主の家ね」

 シイシンは感心しながら持ってる自身の背丈ほど杖を床についた。ツルツルの床と杖が当たり高い音が響く。


「にしても綺麗だな、本当に廃墟なのか・・・?」


 パワードは辺りを見回す。彼の言う通り、壁や地面に傷や欠けている部分があるものの誰かが定期的に掃除しているのではないかというくらい綺麗だ。蜘蛛の巣も見当たらない。それが逆にパワードやメイシンにとっては不安感となる。



「すごいね、たくさん部屋があるみたいだよ」


「どっか隠し部屋がないか探してみようぜ!」

 

 そう言うとバスターはグードを肩に乗せて階段の方へと向かっていく。


「ちょっと、遊びに来てるんじゃ無いのよ。ここに何かが潜んでるんだから気をつけないと・・・」


 メイシンの杖がポワッと光り出す。するとグードがバスターの肩からフワッと浮かび上がり彼女の方へとゆっくりと移動した。


「あっ・・・!」


 油断してしまったと言わんばかりにバスターは振り返る。しかしもうすでにグードはメイシンにお姫様抱っこされていた。バスターはプンスカ怒りながら彼女のところまで駆け寄る。


「お前、何すんだよ!」


「あんたといるとグードが怪我しかねないわ」

 メイシンはゆっくりとグードを降す。


「この広い屋敷の方を調べねーといけねーんだから手分けした方がいいだろ」

「じゃあ私はグードとローデラが襲われたっていう書斎を調べるわ、あんたは1人で隠し部屋でもなんでも探しなさいよ」

「やだよ、現場ってそれこそ危険じゃねぇか」

「アホといるよりはマシよ」

「あんだって!?」


 バスターとメイシンのケンカが始まった。グードが後ろの方で眺めているとパワードが更にその後ろから現れた。

「あんなアホどもはほっといて、俺たちは少し探索でもするか」


「あぁ?」

「なんですって!?」

 怒る2人の目線がパワードに向かった。一触即発の状態だ。


 しかし、次の瞬間、今まで開いていたドアがバンッという音と共に勢いよく閉まった。ケンカが一瞬にして止まる。


「風か・・・?」

 バスター含めて3人がドアを見つめたまま固まる。グードが駆け寄り両開きの扉のドアノブを掴み必死にガチャガチャと回す。


 しばらくするとグードの手が止まる。

「開かない・・・」


「マジかよ・・・」

 バスター、パワードも扉を開けようとするがびくともしない。


「どうやら、ただの屋敷じゃないみたいね・・・」


 

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