1072手間
ワシとドノヴァンと、尋問を一通り終えた長老の三人で腕を組みテーブルを囲む。
その中心にあるのは、懲罰部隊の一部にようやく回って来たと言う、最新式の魔導銃だ。
「銃身がやや長いことを除けば、大まかな形は俺たちが使うモノと大差はない」
「じゃあ、この飛び出てる筒はなんだ?」
長老がまず口を開けば、すかさず気になった所をドノヴァンが指差し疑問を口にする。
ドノヴァンが指さしたのは、通常、というのが正しいかどうかは分からないが、あえて通常の銃と表現した場合の引き金があるはずの場所の少し銃口側。
通常の銃であれば、マガジン、弾倉などと呼ばれるモノが付いている場所にあるやや太めのグリップのようなモノ。
グリップにしてはストックに近すぎるし、付いている場所を考えても、まず間違いなく弾倉だろう。
「そこに弾をあらかじめ何発も入れておくらしい、そしてこの横にある棒、これを溝にそって上に上げて後ろに引けば、この筒の中に入っているバネの力で弾が中に入るらしい」
「なるほど、それで撃つ時はまた棒を元に戻すと……」
いわゆるボルトアクション式の銃ということだろう、ワシも別に銃に詳しい訳でも無く随分と昔に仕入れた知識なので合ってるかどうかは分からないが、動きとしてはまぁ同じものだろう。
「しかしのぉ、あ奴らは懲罰部隊とやらじゃろ? そこにようやく回ってきたということはじゃ、ある程度ワシらに渡っても大丈夫なモノということではないかの?」
「つまり?」
「もっと良いモノを向こうは持っておるのではないかということじゃ、具体的にどんなと言われてもワシは魔導銃に詳しくは無いから分からんがの」
「確かにその可能性はあるな」
彼らはようやく回ってきた最新式みたいなことを言っていたが、あやつらは懲罰部隊なのであるし下手をすれば、最新式などではなく実は型落ち品な可能性もある。
分からないとは言ったが、狭い洞窟内ということを考えると射程や命中率はさほど考えなくてもいい、となれば威力や連射性能、もしくは取り回しを考えたモノになるだろうか。
それか性能はそのままで量産性をあげたか、それで懲罰部隊まで回ってきたという可能性もある。
「こちらも魔導銃を改良、といけばよいがそれは出来ない」
「ふむ? それはどういうことじゃ?」
ある程度、魔導銃について語ったところで徐に組んだ腕を組みなおし長老がそんなことを言う。
「これ以上は過剰な威力になる、という理由もあるが、懲罰部隊の奴ら曰く近々こちらに本隊とやらが攻めてくるそうだ」
「ほう、それは確かにのんびりとやってる暇はなさそうじゃのぉ……」
敵が攻めてくるのだ、のんびりと開発してる暇などなく早急に迎撃の体勢を整える必要がある。
「して、それはいつじゃ?」
「さぁ?」
近々というのだから具体的な日数は分からずとも、どれくらいので来るのかと長老に聞いてみれば、あんまりなかいとうにワシは内心ずっこけるのだった……




