7話 準備
この町に来てから3日目の朝となった。
僕は、朝のルーティンとなった、顔と髪の手入れ、朝食をとった後、宿をあける前に宿の定員と話す。
「3日間お世話になりました。」
「うちとしてはもっとゆっくりしていってもいいんだけど、今日はどうするんだい?」
「準備ができたら、早速近場のクエストでも受けようかと。」
「そうかい。 帰ってきたらまた家に来なよ。」
「はい、ありがとうございます。」
そう言って、僕は使っていた部屋の鍵を渡した。
一応、旅の準備は整ってはいるが、今日は待ちに待った日なので忙しいぞ。
取り合えず、今の残金はと。 大銀貨が10枚、銀貨が14枚、銅貨が60枚ほどか。
やはり、無駄遣いをしなければ余裕がある感じだったな。
僕は、ミアとルナを連れて素材を預けたお店に向かった。
朝から冒険者ギルドの裏手にあるお店は活気がある。
そんな人波を進みながら、ミアとルナの手を引いて目的の店へと、そして僕らは店内へ入った。
「ごめん下さい。」
「おう、ミナトモか!」
奥の部屋から顔を覗かせてダンカンさんが返事をくれた。
「あの素材で、こいつを作ってみたんだが、どうだ買わないか?」
そう言って、ダンカンさんは刃の短い短刀を僕に見せてくれた。 その刃は滑らかに輝き、とても切れ味が良さそうではある。
そういえば、以前狼の魔物を解体した時は、調理用のナイフで苦労した事を思えば、この手の物はあると便利だと思う。
「欲しいですけど、いくらですか?」
「そうだな、金貨10枚ってとこだな。」
「手持ちでは足りないんですけど。」
「はっはっは。 おまえがこれから受け取る金から引いとくから安心しろ。」
受け取ったダガーは確かに良い物ではあるが、金貨10枚とはちょっと値がはりすぎでは、もしかしたら今回の素材のお金はあまり残ってないのではないかと少し不安になった。
意気揚々とした感じでダンカンさんからお金の入った小袋を渡される。
そしてその中の一枚を手にして僕に言った。
「こいつは大金貨って言ってな、今渡したダガーと同じ価値がある。 町じゃとんでもねぇ貨幣だからくれぐれも落としたりすんなよ?」
改めて中を確認すると、大金貨が10枚と金貨が100枚入ってあった。
てことは、あの素材1体金貨70枚ってとこか。 やはり良い値がついて良かった、これだけあれば装備を揃えれるぞ。
「あの他の素材を引き取ってもらいたいんですが、いいですか?」
「もちろんいいぜ。」
僕は狼の毛皮を出した。
「お、ダイアーウルフの毛皮じゃね~か。 こいつなら銀貨15枚ってとこだな。」
すでに解体していた為、僕はもっていた毛皮5匹分をダンカンさんに渡す。
「実はコイツの肉が美味くてよ、そっちのが高かったりするんだが、肉は捨てちまったか?」
「いえ、冷凍して保存してます。」
そう言って、冷凍の肉を1つ出してみる。
「ほう、良い鮮度じゃね~か。 これなら1つ銀貨80枚出してもいいぜ。」
「主様、全部売っちゃうんですか?」
ルナとミアが、名残惜しそうに肉塊を見つめている。 確かにあの肉美味かったからな。
しかし、5頭分はさすがに食べきれない、また遭遇する可能性もあるし。
とは言え、2人が悲しそうな顔をさせたので、3つだけ売る事にした。 以前の残りと1つはクエストで郊外へ出た時の食事に使うとしよう。
毛皮と肉の代金が金貨3枚と銀貨15枚が増えた。
「あと、僕が倒した魔物で価値が良く分からない種類が3種と、どでかい主があるんですが。」
「ほう、どでかい主ってのはどんくらいでかい?」
「この店よりでかいですね。」
「なんだとぉ!? まあそんなもん出されてもちょっと困るな、それは後回しで、とりあえず3種類か、1匹づつ出してくれるか?」
僕は、毛むくじゃらの魔物、鉄のような殻の虫、けっこうおっきな羽虫と出してみた。
「それぞれ、数があるんですけど。 一番多い毛むくじゃらの魔物は、素材になりますかね?」
回収から結構日は経っていたが、元から酷い臭いをさせているのは変わらず、腐敗しているかは判断はできない。
「こりゃあ確かにひでえ臭いだな。 でも、毛は素材になるし、こいつ毒系の材料になるかもしれねえ。 あとの2体も素材としちゃあ問題ねえ。 ただ、こっちとしては預かりは10体づつにしてくれるか? 代金は、前と同じ後日で良いよな?」
「はい。 どれくらいで出来そうですかね?」
「まあ、1週間後に来てくれ。」
とりあえず、めんどそうな毛むくじゃらの魔物を9体出してみた。
一気に解体部屋が酷い臭いになる。
思わず、出口側の部屋に退避するミアとルナ。 ごめんよ。
「おぉ、相変わらずすげえな。 あと、そっちの2体は一旦回収しといてくれよ。」
そう言われたので、鉄のような殻の虫とけっこうおっきな羽虫を収納した。
「それじゃあ、またお願いします。」
「おう。 まかせな。」
僕達は酷い臭いがつかないように、早々と素材屋から外へ退避した。
結局増えたお金は大金貨10枚、金貨103枚、銀貨15枚。
元からある銀貨と足して銀貨29枚なんで、合計をギルで表示させると2042960ギルという事に、一気に金持ちになったか。
だが、これから冒険者用に装備を買うからね。 今度は上等な物を揃えるつもりだ。
ストレージのおかげで、お金の残金が分かりやすいのは便利だ。
上機嫌な僕は思わず、ミアとルナを撫でてしまうのだ。
セオリーとしては武器屋だろう。 しかし、僕はすでに最強の武器を持っているのでそこにお金をかけないで良いというのは、かなりの節約になる。 なので、今日のメインは防具屋だ。
僕はダンカンさんのお店から近場でなるべく高い品が売っている防具屋を探してみた。
僕が求めているのは、質も大事だが、装飾だ。 金がかかる物は扱いも上等な物になる。 さらにデザインとかにもこだわりがあるはずだ。
とは言っても、買えなければ意味が無いが、さすがに大金貨10枚相当の品は店先に並んでないので、予算的には十分とも言える。
その中のひとつの高級感のある店に入る事に決めた。
決めてとしては、目につく鎧も良いけど、展示された服のデザインが良かった。 それでも値段は金貨が3枚ほどの品が並んでいたが、他の店では銀貨での品が多い感じだ。
ま、僕が思う以上に金貨は価値が高いようだね。
店内に入ると、客は全然いなかった。 通りは人で多いのにな。
まあ、高いから沢山売る事を目的にしていない可能性は高い。
僕とミアとルナで中の商品を見て回っていると、品の良さそうなおばさんが話かけてきた。
「いらっしゃいませ。 とても若いお客さんね、良かったら何を求めているか教えてくれる?」
完全に子供と侮られてはいる。 でもお客として対応する気なだけで満足しておこう。
「冒険者用の装備で、僕は上着とズボン、手袋かガントレット、ブーツか足用の防具を。 そして、彼女らには」
「ちょっと待って、うちはどれも高価と思うのよ。 そんなに沢山買うのは、あの、予算は大丈夫なの?」
確かに、こんな店に入る人は何かしらの1品を買う事が多いのかもしれない。
僕は硬貨の入った袋を目にさせ、中から大金貨を1つ取って見せてみる。
「お金なら十分に用意してあるから、僕の満足のいく装備を揃えたいんだ。」
僕の手にした大金貨と、硬貨の入った袋を見て安心したようだ。 今度は物を売ろうとする商人の顔つきになった。
「失礼しました。 では、うちの店でお客様の満足のいく品を揃えさせて頂きます。」
そうして、まず僕の装備から選んでいったのだが、デザインは良いのだが、配色がどうしても暗色系になってしまう。
「これはこれで良いのですが、色違いの品はありますか?」
そう言って、身体を跨いでかかる布地を摘まんで聞いてみた。
「はい。 うちは魔法で加工した専用の塗料を使う事で、値は張りますがご希望の配色に変える事ができますよ?」
1つのアイテムにつき専用の塗料を使えば色を変える事が出来るようだが、僕の場合上着と小手と脛当て付きブーツで3ついる感じだ。 塗料は1つ5000ギルという事なので、結構高価ではある。
「それじゃあ、僕の色は赤色でお願いします。」
という事で、僕の装備は整った。 赤をメインとした装備だ。 小手と脛当て付きブーツは特殊な金属を使用しているらしく軽いのに堅さは鉄以上あるらしい。 値段もそれぞれで鎧が買える値段だそうで、合わせて13万ギルとなった。
次はミアの装備だ。
彼女は魔法使い用にとはいえ、尻尾がよく上に持ち上がる癖があるので、短いスカートだとお尻がまる見えになるので、そこは気をつけてあげないといけない。
そして決まったのが、上下で分けた感じの服だ。 健康的さをアピールする感じだ。
下は結局短ズボンにして、尻尾を邪魔しない感じで、足元は素足を強調して短いブーツで。
材質もなんか良い魔獣の革で作られたものを選び、塗料無でも漆黒の色で統一感を出した。
装備した服装を気に入って鏡の前でにゃーにゃー言ってるミアに、質の良い短めのマントを僕がかけてやる。 これで完成だな。 カッコキュートって感じだな。
値段は8万ギル。
最後にルナだが、彼女の地毛の白さは活かしたい。 というか白で揃えると僕の中で決まっていた。
ミアとは違って、メルヘンチックなふわふわとした上品なドレスチックな物を選んだ。 背中にはミアよりも長めの白基調のマント。 足元も何故か太ももまでのストッキングを靴下代わりに買わされていたので、スカートの下がちょっとギャップがあって魅力を増す。 靴も、白を基調としたブーツという感じで良い。
ルナは尻尾が隠れるので、耳を隠せばただの女の子に見えてしまう。 というか、冒険者用にこういうロリータ的な装備の需要はって思った所で、やっぱあるか~って納得してしまった。
「主様、あの、この装備は私はちょっと、人目が気になり過ぎて辛いです。」
確かに、僕がとても満足したところで、他の人にも同じようにとても目を引くだろう。 ただでさえ人目を集めるなら辛いのかもしれない。
「これに合うひさしの大きな魔女用のハットはあるかな?」
そう言うと、ルナには大き目になる魔女のとんがり帽子を持ってきてくれた。 塗料で同じ色合いにすると、ちびっ子魔女の完成だ。
「これで目線を遮れば平気?」
「これなら、はい。 ありがとうございます。」
ルナの合計は、10万ギルとなった。 割と凝ったロリドレス高いのね。
「ミアも帽子欲しいにゃ~。」
ミアのは漆黒の素材を使ったひさしは短めのとんがり帽子を追加で、1万ギル。
「あと、2人の杖を買いたい所だな。」
「それでは、うちの併設の武器店の物をご用意させて貰ってもいいですか?」
「じゃあお願いします。」
ミアの杖は短めの金属製の杖。 その先には目立つ魔石が付けられている。 ダメージを増加させる効果があるらしい。 お値段40万ギル。
ルナの杖は身体に見合わない大きな木製の杖。 なんかありがたい素材らしい。 良く分からない護符が巻いてあるが、それより素材の方が効果があるらしい。 お値段60万ギル。
「そ、それではお会計が、ひゃ、132万ギルになります、けど。 お支払いは?」
僕は大金貨8枚と金貨52枚を渡す。 大金貨を少し残しておいてあとは金貨を使った。
「はい! はい! お買い上げありがとうございます!」
めちゃくちゃ感謝されて、お礼を言われてしまった。
まあ、値段の価値は良く分からないがデザインは良いと思うので、また来ても良いかもね。
「主様、装備は元の服に着替えましょうか?」
「いや、今日はこのままクエストを受けようと思うから、服とか靴は衣類用のリュックにしまってくれるかな?」
そう言われ、ミアとルナは着ていた衣類をリュックに丁寧に納めていた。 まだまだ余裕はありそうなリュックなので良い買い物だったかもしれない。
僕も自分用のリュックに服と靴は布にくるんでからしまう。
そして冒険の準備が出来たという事で今度はギルドへ。
「主様、お腹すきました。」
「あたしもにゃ!」
「じゃあ、ギルドでご飯を食べちゃおうか。」
たしか、酒場と併設されてたはずなんで何か食べ物はあるだろう。
僕達は、高級防具店から冒険者ギルドへ移動した。
ちなみに、残金で言えば、72万と2960ギル。 だいぶ使ったが、これから稼げば良いだけだしな。
冒険者ギルドに入ると、それはそれでまた注目を浴びた。
ふふん、今度は立派な装備だからな。
カウンターにはいかず、手前のテーブル席に僕達は座る。 なぜか対面に2人は座ってくれず僕の左右に席を取る。
座ると、その店の担当であろう可愛い店員さんが注文を取りに来た。
「えっと、この間の子達だよね? 今日は?」
「クエストを受ける前に、お腹を満たそうと思いまして、お勧めのランチを3つお願いします。」
「はい。 じゃあ少し待ってくださいね。」
結構親し気に接してくれるのは、まあ慣れているんだろう。
とは言え、昼時なのに周りはお酒を飲んでいる人がいるのが目立つ。 やはりここは酒場なのだろう。
そして、ランチが運ばれてきて僕達は昼食をいただく。
ミアもルナも恰好は立派になったのだが、相変わらず子供っぽさを全開でランチを食べだした。
僕は、やや多めなランチにちょっと戸惑いつつ、飲み物の果実ジュースを飲んだ。 うん、普通にジュースだな、酒ではなかった。
「よう、ちょっと良いか?」
そう言って、僕の真向かいに猫系の獣人のお姉さんが座ってきた。 その後ろには、犬系の後衛職っぽい女性もついている。
「えっと、何でしょうか?」
「いや何、人間のくせに同胞を2人も番にするなんて、なかなか興味が沸くじゃねぇか。 あたしはBランクパーティー猫目の勇士のリーダー、ニルダだ。 そしてあたしの相棒でパーティーでの後衛を任している、ライムだ。」
ニルダさんに紹介された、ライムさんは席には座らずに立ったままで僕達にお辞儀してくれる。
「この間冒険者登録したばかりだろ? 良かったらあたし達が、一緒にクエストを手伝ってやっても良いぜ。」
なるほど、こうやってパーティーに誘ってくれるのか。 申し出はありがたいが、僕達というか僕にはやりたい事があるし、駆け出しの僕らではニルダさん達のクエストをついていく事になるのは目に見えた。
「ニルダ、この子達の装備、あのデメトザッハ店の品に見えるんだけど?」
「おいおい、あんなボッタ店の品を、子供が手にできるわけないだろ?」
「確かに、どれも高いけど、あそこは縫製技術も、使われる素材も、さらに芸術的なとこまでこだわった究極とも言える品を揃えてる店だから! 私も1品は手にしたいって夢みて頑張ってるんだから!」
ライムさんは高級店をボッタ店と言われた所を、熱く否定していた。 こだわりが高価な品に値するものらしい。
ちなみに、確かに店名はデメトザッハと書いてあった気がする。
「あの、誘ってくれたのは嬉しいんですが、僕らは登録したEランクに沿ったクエストを受ける予定なので。」
「ちょっと良いかしら? 見た所、あなた以外魔法主体みたいだけど、彼女達の魔力はどれくらいなの?」
「まだ、初級レベルとは言われましたけど、これから成長させていく予定なので。」
「初級って、せめて中級はないと戦闘では戦いにならないわよ?」
まあ、旅の中で見せてもらった2人の魔法では、戦いでダメージを取るには確かに厳しいだろう。
「大丈夫です。 一応考えはありますし、いざとなれば僕が頑張るだけですから。」
結局、ニルダさん達の誘いは今回は断ったのだが、ニルダさんは僕を気に入ったのか、僕がランチを食べる間、相席でパーティーあるある雑談を語ってくれた。
僕より先に食べ終わった2人に、僕の料理を少し取り分けてあげて、一緒にランチを楽しむ。
その間、ライムさんは、ミアとルナの魔法使い装備を熱い目で見つめていた。 なんか、本物に見えるとかレプリカのはず、とブツブツ独り言が聞こえてたけど。
ご飯を食べ終え、クエストが載っているだろうボードの所へ移動した。
Eランクのクエストは、けっこう町中のお使いとかある。 信頼度を上げてランクを上げる為のクエストなのだろう。 少し安い金額なので目立つ。
僕がやりたいのはスキルアップを目的とした討伐クエスト。
けっこう弱そうな魔物が載ってあるが、できればこの町から近い所というのも抑えておきたい。
高いランクで高額なクエストは結構町から離れる所にあるのも特徴的だが、低ランクで遠いのは、遠慮したい所だ。
依頼発生場所が近い魔物を3種選んで、僕は受け付けの方へ移動した。
「わりと近い場所にいる魔物の討伐なんだけど、まとめてクエストを受ける事はできるの?」
「はい、出来ますけど、それぞれ個別の報酬の他に10匹以上での固定報酬なので、まとめると大変ですよ?」
「じゃあ、10匹以上倒しても固定報酬は増額はしないんですか?」
「そうですね、個別の報酬が加算されていくだけですね。」
なるほど、それぞれ10匹づつ倒して戻ってからクエストを受け直した方が効率が良いな。
「討伐した時はどうやってカウントするんですかね?」
「それは、登録した冒険者カードを使ってクエストログを確認させてもらう事で、クエスト開始からの数は把握できるようになってますので。」
へえ。 冒険者カードは身分証だけでなく、クエストの内容を把握できる機能も備えているのか、侮り難し。
「ではこれでお願いします。」
「はい。 ジャイアントバット、キラービー、ホーンラビットの討伐クエストを登録しました。 クエストの確認はこの依頼書をお使いください。 何か困った事がありましたら、こちらの方までおこしくださいね。」
一応、名前は無いが、僕達3人はパーティーとして冒険者カードにクエストを登録してもらった。
近いうちに僕のパーティー名を考えておかないといけないな。
ちなみに、発生場所は、この町から西の通りから最初の森に入った所で、馬車を使えば1日もかからずに到着するだろうし、ジャイアントバットは夕方に倒しやすいらしいので、このまま出発すると良いだろう。
後は、クエスト中に使う食料とか水、今回は洗剤とかもちょっとした日用品を準備するつもりだ。
ミアとルナを連れて、クエストの買い出しをし、馬車を貸りる事にした。
とりあえず無事に返してくれればかなり安く貸してくれて、損傷が無ければ1000ギルで、ただ、一度町に戻ったら支払う話なので、近場で使う事は相手も分っているようだ。
3つの固定報酬がもらえたら余裕はあるとはいえ、本当の初心者には結構お金がかかるのは気のせいだろうか? まあ、安全にお使いクエストをやって、上のランクの良いクエストを狙うって手もあるか。
馬車の操作を習ったりして、僕達はようやく町を出発する事にした。
馬車とはいえ、荷台が引いてあるだけの、ホロもない簡易的な物ではある。 低ランクのクエストで高級な馬車で移動するのは、さすがに報酬に見合わないしね。
とはいえ、手荷物を荷台に置いておけるのはとても便利なので、戦闘に集中できて良い。 そして歩いてクエストを選ぶ人もいるかもしれないと思ったり、多分居ないと思うけど。
「ご主人様、ミアが代わりに運転するにゃ。」
僕が馬の手綱をひいてると隣にミアが座って、代わってくれるという。
どうやら、ミアは馬車を使った事があるらしい。 村の外には行った事はないが、村の中で荷物を運ぶ時に利用した事があるそうだ。
なので、僕とルナは荷台で見守り、ミアが馬車を操って目的地の森まで移動する事になった。
いちお、クエスト準備で使ったお金は、6000ギルほど、昼のランチで180ギル。 一週間程の量と余裕を持って買ったけど、多いかな? まあ余ったら次に使えば良いか。
大体の残り金は71万と6千ギルくらいか。 正直、今の所クエストで稼ぐ気はない。
そう、しばらくはミアとルナを立派な魔法使いに育てるのが僕の目的なのだ。




