2016~2017年における評価ポイントの変化
これまでは小説件数を使って分析をしてきました。投稿された小説に与えられた評価ポイントの分布がどうなっているのかを紹介しましたけど、今度は評価ポイントに焦点を当ててみたいと思います。
最初に見ていただくのは、2016年と2017年に投稿された小説に読者が与えた評価ポイントのグラフです。
上記が2016年と2017年に読者が付けたポイントの総数です。単純に付いたポイントを集計しただけですが、1千万以上も付いているんですね。いや、これはすごいです。これだけ付いているんですから、もう少しくらい私の書いた小説に付いてくれていても……なんて思っても仕方ないんですが、思わずため息が出てしまいます。
それはともかく、2016年よりも2017年の方がたくさんポイントを付けてもらえていますよね。『小説家になろう』でユーザー登録する読者も増えているでしょうから、これはある意味当然とも言えます。読者の数が増えているのに付けてもらえる評価ポイントが減っているとなるとさすがに問題ですからね。
次は、各大ジャンルごとにどのくらいの評価ポイントを付けてもらえているのかをグラフで表してみました。
うんうん、さすがに全体的に付けられた評価ポイントが増えているだけあって、どの大ジャンルも2016年に比べて増えていますよねって言おうとしたんですけど……あれ? SFだけ減ってる?! その他ですら増えているのに一体どうしたのでしょうか。何が原因なのか探ってみましょう。
上記の表は総合得点の他に、ブックマーク数、評価点、評価者数の各項目で2016年と2017年の数値を並べたものです。
一番上が総合得点、つまり普段評価ポイントと私が呼んでいるものなんですけど、確かにSFだけが減っています。総合得点は「ブックマーク数×2+評価点」の合計ですから、ブックマーク数と評価点の項目を見てみます。すると、SFのブックマーク数は2016年に比べて2017年にその数を減らしています。評価点は増えているんですけどね。評価者数は増えているのでポイントを付けてくれる読者は増えているんですが、以前ほどブックマークをしてくれないみたいです。うーん、読んで面白かったら評価するけど、後で再び読む気はないからブックマークはしない、ということでしょうか。読者としての私はむしろブックマークを付ける派なので、この行動原理がよくわからないです。何にせよ、大ジャンルとしてのSFはブックマークを付けてもらえないことによることで、評価ポイントを減らしているようです。
次は、転生転移の小説について見ていきます。グラフはどのような形を形成しているでしょうか。
こちらは数百万単位なんですね。これも結構大きな数値ですよねってのんきに考えていたんですけど、転生転移のフラグが付いていない小説も含めた全体の評価ポイント数の約3分の1もあるんですよね。小説の数ですと約5分の1しかないことを考えますと、依然としてたくさん評価ポイントを付けてもらえていると言えそうです。
それでは、大ジャンル単位で見たときはどのようになっているでしょうか。
ファンタジーが圧倒的首位で次点が恋愛というのは予定通りとして、今度はSFだけではなくて、文芸とその他の評価ポイントも2016年よりも2017年の方が少ないです。転生転移はファンタジーに集中しているという先入観があるせいか、これにはあまり驚きはありませんでした。しかし何が原因なのかは気になります。
ということで上記の表を引っ張り出してきました。数値ばかりにで見にくいですが、見方は転生転移を含めない場合のものと同じです。
表からは、ブックマーク数、評価点ともに数値を大きく減らしていることが見て取れます。評価者数も減っていることから、本当に地盤沈下を起こしたみたいに読者が離れていってしまっているようですね。半分以下に減った文芸とその他のブックマーク数がすごいことになっています。これでは評価ポイントが減ってしまうのも無理はありません。恋愛とファンタジーは4項目ともに増えていますので、転移転生ものはこの2つの大ジャンルに人気が集中してきているようです。
次は、ジャンル単位で見ていきます。まずは棒グラフから見てください。
ハイファンタジーが圧倒的で異世界が次点、続いて現実世界、ローファンタジー、VRゲームが伸びていますけど、数値がないので具体的にはわかりません。どうして数値を取っ払ったのかと言いますと、あんまりにも数値がごちゃごちゃして見にくかったからです。そのため、具体的な評価は次の表を見ながら行うことにします。
この表でまず見るべきは総合得点の変化です。2016年と2017年でどのように変化をしているかなんですけど、ヒューマンドラマ、コメディー、VRゲーム、宇宙、空想科学が前年よりも低くなっています。どれも共通してブックマーク数が減っているのが原因です。評価者数と評価点は増えているのに、どうしてブックマークは減っているんでしょうね。不思議な現象です。
数値が減っている話ばかりではつまらないので、今度は逆に増えているジャンルに目を向けてみます。最初におやっと思ったのは、純文学が5割増しくらいに総合得点を増やしている点です。評価者数が5割増しになっただけでなく、評価点は6割増しになっていました。個人的には廃れていてもおかしくないジャンルと思っていただけに、この増え方には驚きました。次は同じ文芸の歴史も注目に値します。何しろ4項目とも2倍以上に増えているのですから大したものです。そして同じ文芸の推理も大躍進中です。総合得点が6割ほど増えています。他には衰退しているSFの中で唯一パニックだけは健闘しています。密かに流行っているのでしょうか。
では次に、転生転移のグラフを見てみましょう。
更に極端なことになっていますね。そして先ほどと同じように数値がありません。ハイファンタジー1強で異世界がそれに続いていると言うことくらいしかわからないです。なので次の表を見ながら話をしていきます。
異世界とハイファンタジー以外で数値を伸ばしているところはどれだけあるのか探してみますと、おや、意外とありますね。推理、ホラー、アクション、宇宙、パニック、童話、詩、エッセイ、リプレイですか。推理なんて10倍近く膨れ上がっていますよ。次が宇宙の4倍弱で詩の3倍、そして童話の2倍以上と続いています。まぁ、元が少なすぎるジャンルもありますが、ポイントをたくさん入れてもらえるようになることは良いことです。
逆に大きく減らしたジャンルは、純文学、歴史、コメディー、空想科学、その他です。何やらどこもとんでもない減りっぷりをしておりまして、軒並み半分以下になっています。一体何があったんでしょうか。とても気になります。
評価ポイントの変化については以上です。小説の件数だけでは見えてこない面を見ることができて面白かったですね。投稿された小説の数が作者の傾向を表すならば、小説に与えられた評価ポイントは読者の傾向を表すので、この2つの側面を見比べて考察をすると、また違った『小説家になろう』の一面を見ることができるかもしれないです。
ということで、今回のデータ分析はここまでです。前回よりも公開する内容が減っていますが、とりあえずやりたいことができたので良しとします。これでやりたいことは大体やったわけですが、見たいものを全部見たような気がしないんですよね。それが何かは自分でもまだわかっていないですけど、それが何かはこれから考えていきたいと思います。