7 推し
「そういうわけで、じゃっ!」
紅蓮がしゅたっと手を挙げた。
レオンヴァルドがぐいっとその手を下ろした。
「お前は残れ。」
「なんで!?」
「何故と言われても、ここがお前の世界だろう。」
「だってあたし役に立ったよね?あいつらこれからも攻めてくるんだよね?……あたし、いらない……?」
「戦力としては優秀だ。優秀すぎるほどにな。」
「だったら、なんで!」
「また魔力が暴走しても『裏』では対処できん。」
「もう暴走なんてさせない!まだ雇用期間だって残ってるはずだ!」
レオンヴァルドはぐっと詰まった。
「……むしろ何故それほどに『裏』に拘る。
お前は『表』に住まう者だろう。」
「……全力で戦えるのはあそこだけだ。」
レオンヴァルドが片眉を上げた。
「炎なんて、戦うしか能がない。ないのに全力を出し切る事さえできない。あたしが本気で生きられる場所は今あの戦場だけだ。」
「すきぴの役にも立ちたいもんねー?」
「うっさい花守!推しだし!」
「は?」
レオンヴァルドが固まった。
紅蓮がもじもじした。
「は、初めて会った時から……ぜ、全力で推してます!よ、よろしくお願いしますっ!」
紅蓮がバッと頭を下げて手を差し出した。
「は?」
レオンヴァルドが更に固まった。
「おーさまぁ、手ぇ取ってあげなよー」
「ですです!王様、『はい』か『YES』ですよ!」
「待て待て待て待て!」
「「いーえーすっ!いーえーすっ!」」
「だから待て!」
「「「「「「いーえーすっ!いーえーすっ!」」」」」」
「なぜ増える!?」
(……魔女怖い……)
レオンヴァルドは震えながら紅蓮の手を握った。




