3 共闘
王が呆れたような苦笑を浮かべる中、
紅蓮は気を取り直して王に向き直った。
「でもさ、結果的には『表』を守ってくれる事になる。んで、あたしも『表』を守りたい。
……利害一致、って事で、OK?」
王が無言になる。
紅蓮は、ずいっと片手を差し出し王の手を待つ。
「それにさ、門のとこで聞かれた事。
あれは試したんだよね?あたしが何で動くか。」
王がぴくりと眉を上げた。
「反乱軍の目的がそれなら、あたしは金でも恩でもなく、あたしの守りたいもののために、
動くよ。」
王は暫し差し出された手を見つめていた。
いつか、この手を裏切る自分に成り果てるかもしれない。けれど、今は。
王は紅蓮の手を取った。しっかりと握り締める。紅蓮も力を込めて握り返す。
「共闘だ。」
紅蓮の言葉に、二人は目を合わせて頷き合う。
そして、紅蓮がニヤッと笑った。
「ほらほら、王様!王様がこんなとこで黄昏てちゃダメだよ!
今日はみんなで、たらふく食べてたらふく飲んで騒ぐ日だ!」
言えば、ぐいぐいと王を引っ張る。
王は目を丸くして踏鞴を踏んだ。
「グ、グレン其方……!」
「いいからいいから、宴じゃー!」
紅蓮は容赦なく王を引っ張って行く。
この娘は自分を引き摺るのが趣味なのだろうかと遠い目になりながら、王は広間へとズルズルと連れて行かれた。
賑やかな音楽が耳に飛び込んでくる。
輪になって踊る者、乾杯を繰り返す者
笑い声と歌声が二人を迎える。
王の手を離した紅蓮が、タタタッと駆けると床を蹴った。
ダン!とテーブルの上に仁王立ちになる。
すぅっと息を吸い込むと、その声が高らかに広間に響き渡った。
「みんな!今日からこのあたし、『烈火の魔術師』は王の傘下に入る!共に勝利を!!!」
うぉぉぉぉおおおおっ!
広間がうねるような歓声に包まれた。
テーブルから飛び降りた紅蓮が揉みくちゃにされながら大きな口を開けて笑っている。
王は、眩しげにその炎を見つめていた。




