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第二章 そうちゃんって、泊まらないよね。

その日の夕方。


ジュースとビールとアイスを持って、

そうちゃんが来た。


私とりっくんは、

ごはんをそこそこに切り上げて、

ジュースとお菓子を抱えてゲームを始めた。


こういう日のママは怒らない。

それを、私たちは知っている。


ジュースを飲んで、

お菓子を食べて、

アイスまで食べた。


いつもなら寝る時間なのに、

何も言われない。


だから、ゲームを続けた。


リビングからは、笑い声。


カン、と缶の音。


「総一はさ〜、結婚しないの?」


あおちゃんの声。


「んー、俺は、相手がいませーん!」


そうちゃんが笑う。


「仲間じゃーん!私と結婚する?」


「それは大丈夫でーす!」


「2人とも飲みすぎ」


ママの声も笑ってる。


「楓もすごいよ!1人で子ども育ててる!えらい!」


「そんなことないよ。こうやって総一に助けてもらってるし」


「それでも違うでしょ?可愛がるのと、親の責任は」


少し、静かになった。


「俺はただ、すーとりくと遊んでるだけ。楽しいから来てるだけ」


「そう言ってくれると、本当に嬉しい」


「いいのよ!私も頼ってね!」


「お前は住んでるところが遠い!」


「あー、そうだったわぁ〜」


また、笑い声。


何がそんなに面白いのかは、

よく分からない。


でも、ママが楽しそうなのは、好きだ。


あおちゃんは、

何を考えてるのか分からない。


でも。


嫌いじゃない。


あおちゃんは朝起きるのが遅い。

何回声をかけても、起きない。


こんな大人もいるんだな。



私には、新種の大人だった。



あおちゃんは、ゲームも一緒にしてくれた。


「え、これどうやるの?」

「ジャンプどれ?」

「え、今の何で死んだの?」


そして、すごく下手だった。


りっくんが小さくため息をついて、

私が「そこ違うよ」って教える。


「あー!難しい!これ毎日するの?

すごいね!」


そう言って笑う。


なんか、

かわいい人だなぁ。


二日目の朝。


「あ、そういえばお土産あったわ」


スーツケースの奥から出てきたのは、

カラフルなグミ。


不思議な匂いがする。


一個食べた。


……なんの味?


すごく甘いけど、ちょっとすっぱいけど、

最後に変な味がする。


りっくんと目が合った。


「……どう?」

「……しらん」


あおちゃんは満足そうだった。


子どものことは、

あんまりよく分からないみたい。


でも、一緒に笑うし、

下手でもちゃんと最後までやるし、

私の話も聞いてくれる。


嫌いじゃない。


でも。


そうちゃんのほうが、

ゲームは上手い。


私とりっくんが好きな遊びも知ってる。


アイスも、ちゃんと

私がバニラで、りっくんがチョコって覚えてる。


あおちゃんは、

マイペース。


そうちゃんは、

なんか、ぴったり。


それだけの違い。

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