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第一章 そうちゃんって、気づいたらいるよね。

私のいちばん古い記憶は、アパートの駐車場だ。


三輪車に乗っていたら、黒い車が入ってきた。


ドアが開いて、出てきたのは、そうちゃん。


「そうちゃーーーん!!」


三輪車を放り出して、私は走った。


「すっちゃん!今日も元気!!」


そうちゃんは笑って、私の頭をぐしゃぐしゃに撫でた。


この日、そうちゃんが何をしに来たのかは覚えていない。


でも、それから黒い車は、よくうちの駐車場に止まるようになった。


朝から来る日もあった。


私とりっくんを公園に連れて行って、

ブランコを押して、

コンビニでアイスを買ってくれた。


玄関にお米だけ置いて、

「じゃあね」って帰っちゃう日もあった。


何をしに来たのか、よく分からない日もあった。


それでも私は、

そうちゃんが来るのを待っていた。




その日、そうちゃんは大きなスイカと、バナナと、焼き鳥を持ってやって来た。


「あと1時間で始まるぞー!準備だ準備だ!」


「いえーーい!花火だ花火だ!!」


私とりっくんとそうちゃん、三人でぴょんぴょん跳ねた。


「よし!すっちゃん!りっくん!チョコバナナ作るぞ!!」


台所では、ママが焼きそばを炒めている。

ジュウジュウという音と、ソースの匂い。


そうちゃんが来る日は、

ママはいつもより、少しだけ楽しそうだった。


焼きそばと焼き鳥。

スイカ。

チョコバナナは、まだ冷蔵庫の中。


部屋の電気を消して、ママがカーテンを開ける。


ひゅーーーーーー。


ドーーーン!!


窓の向こうが、ぱっと明るくなった。


うちのアパートの窓からは、地元の花火大会が見えた。


私たちは毎年、そこから見た。

そして、それはうちの恒例行事だった。


もちろん。


そうちゃんも一緒に。


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