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第四章 そうちゃんって、弱虫だよね。

東堂先輩は、

なんだかよく喋る人だった。


サッカーは5歳の頃からしてて、

社会人サッカーと部活の掛け持ち。

家は、私の家とは反対方向。

8歳下の弟がいる。

チーズケーキとコーラが好きで、

コーヒーは飲めない。

らしい。


先輩は自分の話を永遠にしていた。


でも、自慢な感じじゃない。

聞いてて楽しかった。

先輩の話を聞いていたら、

あっという間にアパートに着いた。


「じゃあ、はい。」

先輩がボールペンを差し出した。

疑いの目を向けると、

「今度はちゃんと、どうぞ!」

そう言って、私の手を取って、ボールペンを握らせた。

手を開くと、ボールペンとメモ紙。


顔を上げ、先輩の顔を見ると、

「それ、俺のケー番とメアドね。」

「え…私、携帯持ってなくて…」

「じゃあ、家電からかけて。じゃーね!」

そういって走って行ってしまった。


ドッドッドッ。


自分の鼓動が大きくなっていた。




次の日の朝。


教室に入ると、カコが手招きしてきた。

ニタついている。


「どうだった??」

「なにが?」

「分かってるくせに!東堂先輩!」

「…んー。よく喋る人だね。」

「何それ。」

「5歳でサッカー始めたとか、チーズケーキとコーラが好きとか?」

「…チーズケーキとコーラ?それって…一緒に食べるのかな?」

「それ私も思ったの。」

2人で笑った。


ケー番を渡された事は…今は、何となく言わなかった。



昼休み。

窓際の席でカコと日向ぼっこをしながら、

喋ってると。

「あ!ちょっと!」

急にカコが小さく叫ぶ。

「なに?」

「あっちあっち」小声で斜め上を指差す。

見上げると、渡り廊下に先輩男子の群れが。

その中に東堂先輩が居た。


先輩も私に気づいた。

一瞬、目が合う。

笑って手を振ってきた。


「え?!お前誰に手振ってんの?!」

絡んできた男子に先輩は「いいから!」と

笑いながら、行ってしまった。


「えーーーー?!手振ったよ?!」

「カコさん、お静かに。」

「待って、付き合ってる??」

「そんなわけ!」

「絶対気あるよね?!すーのこと好きだよね?!」

「カコさん。落ち着いて。」


落ち着いてと言いながら、

私の心臓は、全然落ち着いていなかった。



放課後、部室で着替えていると、先輩達が入って来た。


挨拶をすると、私だけスルー。



あれ?聞こえなかったかな。



部活が始まる。

パスの相手は先輩後輩でする事になっている。


1人の先輩と組んでパスを始めると、

明らかにわざと、遠くに飛ばしたり、

強く打って来られたり、弾いたボールを取りに行くと、「遅いんだけど。」と。


急に…なに??


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