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第三章 そうちゃんって、かっこいいよね。

その日の夜。


私はこうくんで頭がいっぱいだった。


ファッション雑誌の恋占いのコーナーを読んで、ニヤニヤ。


「やっほー」

そうちゃんがやってきた。

台所でママが

「やっほー」と返事をした。


私とりっくんは、特に何も。

私は雑誌に釘付け。

りっくんはゲームに釘付け。


「総一、今日とんかつ。食べてく?」

ママが言った。

「はい!いただきます!!」

「ほーい。」


そうちゃんが私の隣に座った。

「何読んでるの?」

「雑誌。」

「それは見たらわかる。」

そう言いながら、そうちゃんが覗き込んできた。

そして、

「こいうらなーい?好きな人でも居んの?」

私はそうちゃんの方を見た。

「好きな人というか、彼氏いるし。」

「は?!」

そうちゃんが目を見開いた。

私はふふ〜んと笑って、雑誌に目を戻した。

「楓!!すー、彼氏がいるって!」

ママはとんかつを揚げながら、

「そーなんだぁ〜、だれぇ〜??」

と聞いてきた。

「こうくんだよ」

私は答えた。

「こここここ…こうくん?!」

「にわとりなの?」

そうちゃんの反応を見てりっくんが笑いながら言った。


「あぁ〜、3丁目のこうきくんね」

おかずをお皿に盛りながら、ママは言った。

「そーそー」

「待て待て待て、すー、まだ11歳だよね?」

「"もう"11歳です。」

私は言った。

「今の子達は割と普通みたいよ?」

ママが机にご飯を並べながら言った。

するとりっくんが、

「僕もこないだまで彼女いた。」

「「え?!」」

そうちゃんと私の声が揃う。

それは初耳だよ。

「あれ?別れちゃったの?」

と、ママが。

「え、ママ知ってたの。」


「別れたというか…交換日記めんどくさくて。

返さなかったら、別れようって。」

「そうなの。」とママは笑った。


そうちゃんが立ち上がった。

「まてまてまてまて、落ち着け?」

「総一がね?」「「そうちゃんがね?」」

私とママとりっくんの声が重なった。


「えーっと。小学生で付き合うとか、何するの??」

あたふたそうちゃん。

「一緒に帰ったり、お手紙書いたり?時々遊びにも行くのかな??」

ママが言った。



我に返った。

初彼の響きに完全に浮かれていた。


確かに。私とこうくんはこれから、どうしたらいいんだ??

付き合うって、なにするの??



あたふたし続けるそうちゃんを無視して、

これからの私とこうくんの事を考えていた。





次の日、学校に行くと、

男子達がニヤニヤしながら近づいてきた。


「これ。こうきから」

小さいメモ紙。


中には

『今日、いっしょにかえろう。』と、

大きくゴツゴツした字で書いてあった。


今まで何回も一緒に帰ったりしてたのに、

なんでこんなにドキドキするの?


「分かったって言ってて。」


その男子は「おっけい!」と、教室を出て行った。


すると、マナミが

「なんで、自分でこないの?」

ぬっと出てきた。

「うわ!びっくりした。」

「なんで、こうくん自分でこないの?」

「は…恥ずかしいんじゃない?」

私はランドセルを机に置いて言った。


言われてみたら、確かに。

なんで自分でこないの。



さっきのドキドキが嘘みたいに、スッと消えた。

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