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第三章 そうちゃんって、かっこいいよね。

そうちゃんの家。


私とりっくんは、ママを見る。

でも、ママは降りない。エンジンも切らない。


そのうち、玄関が開いた。


そうちゃんのお父さんが出てきた。

車の中をのぞいて、

ゆっくり、運転席のドアを開ける。


「かえ、久しぶりやね。どうしたんね。」

「おっちゃん……」


そのまま、

ママはハンドルに突っ伏した。


肩が、小さく揺れる。


そうちゃんのお父さんは、

ママの肩をぽん、ぽん、と叩いて、私たちを見た。


「ココア入れてやるよ。上がっといで」


その声は、いつも通りだった。


三人で家に上がった。


ママは落ち着くと、

お仏壇にお線香をあげた。


ココアを待っていると、玄関が開いた。


「親父、封筒この大きさしかなかったんやけど……」


そうちゃんが入ってきた。

私たちを見つけて、止まる。

とりあえず、私は手を挙げてみせた。

「やっほ」


「え?!どうした?」


びっくりした顔。


でも、泣いたあとみたいなママを見て、

あぁ、って顔になった。


何も聞かない。


そうちゃんのお父さんが、ココアを持ってきてくれた。


「お?これは持っとる。もうちょっと小さかやつよ」

「えー?もう明日でいい?」

「明日でよか。」

そう言いながら、私とりっくんの前に

コップいっぱいに入ったココアを置いた。



そうちゃんは、ママに手招きをして、2人で台所に入って行った。




ママとそうちゃんは、たぶん、おじいちゃんの話をしている。

そうちゃんがうんうんって頷いてるのが見えた。





そうちゃんのお父さんが、ガサガサと袋を開けて、

「食べる?」と差し出した。



かりんとう………



食べた事あったかな〜

と思いながら、いらないとも言えなくて、

一本取った。


りっくんも、恐る恐る袋に手を入れて、一本取った。


端っこをカリッとかじった。


甘くて…これは美味しいなぁ。


りっくんも同じことを思ったみたい。

あっという間に、かりんとうの袋は空になった。



そうちゃんが、ママの背中をポンポンと叩いた。

ママの目から、ぽろ、ぽろ。とまた涙が落ちた。




そして、しばらくして、


「さて、と言うことで。」

そうちゃんが、いつもの声で戻ってきた。

後ろからは泣き止んだ、ママが歩いてくる。


そうちゃんは、座布団に座ると、

机から身を乗り出して、りっくんを見る。


「りく、明日からうちでお留守だ。」


りっくんが顔を上げた。


「いいの??」

ママが言う。


隣でみかんを食べながら、そうちゃんのお父さんが

「よかよか。うちにおいで。」と言った。



そうちゃんがにやっとした。


「でも、りく。仕事手伝えよ?」


「え?!」


りっくんが、今日いちばん大きな声を出した。

ココアが、少し揺れた。


そうちゃんは笑って、


「甘くねーぞ?畑は。」


りっくんは、ちょっとだけ困った顔をしたけど、

うん、と小さくうなずいた。

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