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後方兵科が異世界転移!?  作者: お芋さん
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すいません。56話で風呂場に呼びに来た人物をガージからガパティへと訂正しました。


ガージ・・・アレーシャの部隊の脳筋

ガパティ・・・フォックス族の長


なんで間違えちゃったかなぁ・・・。

 ネムレでワイルダーネスと、彼らを慕う冒険者らが集まり宴会があった次の日。石田は普通にネムレの一室で目を覚ました。昨晩は冒険者らの宴会ということで遅くまで騒ぐのかと思いきや、日が沈んでからおよそ2時間ほどで冒険者らはそれぞれの宿へと戻っていった。(もちろん、ワイルダーネスも自分たちの宿へと帰った。)意外なことにきちんと翌日の活動に支障が出ないよう自制しているのだそうだ。


 0800時、ワイルダーネスがネムレに訪れてきた。昨日破れた服を修復して渡す約束をしていた。服の方は材津の頑張りにより昨晩のうちに完成していた。


「おう。イシダ。この野戦服っていいな!」


 彼らは昨日貸し出した野戦服を着てやってきた。筋肉質な体をしている彼らには非常によく似合っている。加えてこの服は意外とスキンヘッドが良く似合う。新品の野戦服というのがあれだったが、熟練の兵士って感じの見た目をしていた。


「えぇ。まぁ、それは戦闘用の服ですからね。動きやすいですよね」


 新しく材津さんが作ってくれた服を渡す。新しくと言っても、昨日の服をそのままストレッチ素材で作り直しただけだった。


「・・・また、その服か?」

「えぇ。見た目は同じですが、素材が違います。ぜひ皆さんに着てもらいたいのです」

「・・・・・・また、破ってしまうと思うが・・・」

「まぁ、まずは着てみてください」


 ワイルダーネスの面々はおずおずと着替えた。


「あれ?」

「生地が伸びる?」

「・・・全然苦しくない・・・」


 彼らはストレッチ素材の服を着るのは初めてだという。


「凄い肌触りがいいな!」

「体を締め付けるのによく動く!」

「いや、むしろ俺らの速度上がってないか?!」


 彼らの体感だが、少し移動速度が高くなっているという。


(こんな時鑑定とかステータスチェックの能力があればなぁ・・・)


「まぁ、今日はその服を着て街で活動してみてください。彼女らのセンスを信じるなら、それで大分女性らの反応も変わると思います」

「そ・・・そうか?」

「・・・よ・・・よし、今日こそは・・・!」

「お・・・おう・・・」


 彼らは緊張した面持ちでそれぞれ服装をチェックした後、出かけて行った。


~~~~~~~~~~


 彼らを見送ったあと、石田も出かけた。目的地はルブアの城だ。アレーシャにDランクへ昇格したことの報告と、推薦状についてのお礼をしに行く予定だ。

 本日の活動については先ほど朝のミーティングを行って、それぞれ既に行動に移っていた。湯川と間宮には領の館の改修作業をお願いした。古井には機種転換訓練を、京藤・ナイチンゲール・瑞山にはタミーナ達の警護をお願いした。

 材津と浦風はロックリザードの鱗に関する研究結果をまとめている。本日の午後は彼女らが研究報告をしたいとの話だったので、石田もルブアでの用事が済み次第、領に戻る予定だ。


 城に行き、手近な兵士にアレーシャの居場所を尋ねるとアレーシャの執務室に通された。執務室に入ると、中にはヒシャムもいた。2人は書類を手にしていて、どうやら話し合いをしていた様だった。


「おっ!これはイシダ様。お久しぶりです」(ヒシャム)

「お久しぶりです。ヒシャムさん。アレーシャさん」

「お久しぶりです。今日はどうされました?」(アレーシャ)


 石田はDランクへの昇進した証拠として冒険者証を取り出す。


「あ、はい。アレーシャさんの推薦状のおかげでDランクへ昇進することができましたので、その報告とお礼に参りました」

「あら、これはご丁寧にありがとうございます」


 冒険者証をしまい、そして新しく小さな細長い箱を取り出す。そしてその箱をアレーシャに渡す。


「これは?」

「はい。推薦状をいただいたお礼の品です。どうぞ」

「・・・ありがとうございます。開けてみても?」

「どうぞ」


 アレーシャが受け取り箱を開ける。すると中から高級ボールペンが出てきた。本体は黒色で口金やクリップ、ノックカバーに金色が使われている。華やかではないが、高級感を感じさせるボールペンだ。


「高級なボールペンです。タミーナさんが販売しているものは安物というか・・・廉価なボールペンです。事務仕事に使うには問題ないのですが、アレーシャさんのように地位のある方が使うには少々格式にかけるといいますか・・・」

「ああ!なるほど。これなら確かに王都で開かれる会合などにもっていっても恥ずかしくないということですね」

「はい」

「ありがとうございます!嬉しいです!」

「喜んでいただけて何よりです。あと、箱の中を見てください」

「はい。・・・・・・これは?」


 箱の中からは交換用のインクチューブが3本出てきた。


「交換用のインクチューブです」

「交換用・・・?」


(あっ・・・そうか・・・使い方を知らないのか・・・)


「えっと、使い方を説明しますね。そのボールペンをお借りしてもよろしいですか?」

「どうぞ」


 アレーシャからボールペンを受け取る。ボールペンの先端、口金を回しボールペンを分解する。そして中からインクチューブを取り出す。


「ボールペンはこちらの口金を回すと分解できる構造になっています。そして分解していただいて、この部分にインクが入っているんです」


 ボールペンの中から出てきたインクチューブを見せる。そしてそのインクチューブが箱の中に収められているものと同じものであることを示す。


「もしこちらのボールペンが書けなくなりましたら、こうして分解していただいて、インクチューブを新しいものに取り換えてください」

「はい。わかりました」(アレーシャ)

「ははぁ・・・こういう構造になっているんですね・・・」(ヒシャム)


 ヒシャムが分解されたボールペンを興味深そうに眺める。ヒシャムは何かを思い出したような動きをしてタミーナが販売しているボールペンを取り出してクリップ部分を指さす。


「そういえば、イシダ様。このボールペンのここの部分なのですが、飛び出していてどうも収まりが悪いのです。ここは何するところなんでしょうか?」

「そこですか?そこはクリップと呼びます。何かを挟むための場所なんです」

「・・・何かを挟むための場所・・・ですか?」


 石田は分解したボールペンを元に戻しアレーシャに返す。そして自分もボールペン(安物)を取り出す。


「例えばですね、このボールペンをこのようにしてポケットに入れると、落ちません」


 ボールペンをポケットに入れる。この時クリップ部分でポケット入口の布を挟む。


「っ・・・なるほど!」

「こうすると外で仕事をしながらでも落としてなくす心配はありません。あとは・・・」


 石田は手帳を取り出す。手帳の適当なページを開きそこにボールペンのクリップを挟む。クリップ部分が手帳のページ側に、本体が手帳の外側に来るように挟む。そして手帳を閉じる。


「このようにボールペンで適当なページを挟んで手帳ごとしまっておくと、手帳とボールペンがバラバラにならず便利です。後目的のページもすぐ開けて便利ですよ」

「「・・・・・・」」


(あれ?・・・反応がない)


 2人の目線はイシダの手元の手帳に集まっていた。


「その・・・手帳とはその紙の束ですか?」

「?・・・はい」

「えっと・・・少しお借りできますか?」


 ボールペンが付いた状態の手帳を渡す。アレーシャらはそれを受け取る。そしてページを開きながら手帳を確認していった。手帳と言っても日付やカレンダーなどはついていない。ただの罫線が付いたページが淡々と続く物だった。


「これは・・・便利ですね・・・。1枚1枚がばらけることなくまとまっている」(アレーシャ)

「多少雑に扱っても紙がバラバラになることはないですな・・・」(ヒシャム)

「・・・こうやって紙を束ねて使ったりしないんですか?」


 実際アレーシャの部屋の本棚にはたくさんの本が並んでいた。


「えぇ。重要な書類や学術的な内容をまとめて製本することはあります。しかし、それは大体通常サイズの紙を使って製本します。このように持ち運ぶ前提の小さな紙束というのは初めてみました・・・。これは使いやすいように線まで引いてあるのですね・・・」

「・・・そうだったんですね・・・」

「これもタミーナ氏が販売しているんですか?」

「いえ。取り扱ってないですね・・・」

「・・・その、これも卸したりしないんですか?」

「・・・検討しておきます」


 その後、冒険者組合に軍から依頼を出す件などを話し合った。すぐに依頼を出すことは難しいので3日後あたりに依頼を出すとの話だった。少し話をしてから退室した。


~~~~~~~~~~


 ネムレの裏庭に天幕を設置して領にもどった。時刻はまだ1100時だ。少し早いが領の研究所に向かう事にしよう。一応、予定より早いので連絡だけは入れておく。タブレットを取り出し、浦風につなぐ。


「浦風さん。石田です。今大丈夫?」

『・・・』

「・・・」

『ごめんごめん。少しタブレットを出すのに手間取っとった』

「ルブアの用事が早く終わったんで今から研究所の方に向かおうと思うんだけど大丈夫?」

『え~と、ちょっと待って・・・大丈夫そうじゃけ、そのまま来んさい』

「OK。じゃあ、向かいます」


 ゲートをくぐる。転送施設を出る。隣が領主の館になっているが、湯川が作業をしていた。何やら重機が勝手に動いているように見えるが・・・よくよく見ると妖精が走り回っていた。湯川の周りには数体の妖精が漂っている。湯川が手元にある紙をもとにそれぞれの妖精に指示を出していた。間宮は資材の運搬を指揮しているようで、建設現場隣に資材を積み上げる作業を指示していた。間宮も同じくその周辺には数体の妖精さんが漂っている。


(・・・あ~・・・あんな感じで仕事するんだ・・・。確か、練度が高まると呼び出せる妖精の数が増えるんだっけ?・・・なるほど。練度が上がると・・・つまり部下が増えるような感じなのかな?)


 2人とも忙しそうにしているので邪魔するのも悪いと思い声をかけずに去った。そのまま研究所の方へ。研究所は様々な棟が立ち並ぶ場所だった。実験用と思しき大きな建屋があったり、大学の研究棟のような建物もあったりと様々な棟が立ち並んでいた。石田は最も手近なところに立っている棟へ入る。それは大学の研究棟のような感じの建物だった。中へ入ると浦風がちょうどエントランスへ降りてきたところだった。


「あ、司令。早いね。こっち、ついてきて」

「りょ~かい」


 浦風に案内されて移動する。目的地は同建物の2階、部屋の入口には「談話室」と書かれていた。中に入るとあまり広い部屋ではなかった。プロジェクターが中央にドンと置かれ正面のホワイトボード左端に青い画面が表示され、「入力無し」と表示されていた。プロジェクターの横にはPCを操作している材津がいた。


「連れてきたよ」

「ありがとう。ちょっと待ってくださいね。すぐに始められます・・・」


 浦風に案内されて、最も見やすい席に座る。浦風は天井からスクリーンを下ろす。そして材津がカーテンを閉めて部屋の電気を2/3ほど消した。材津と浦風の2人がホワイトボードの正面に立った。


「じゃあ、始めるね」

「これより『鱗に関する調査報告会』を開始します」

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