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後方兵科が異世界転移!?  作者: お芋さん
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 幼いころお母様に読んでもらったおとぎ話にドラゴンを従えた英雄の話があった。主人公は貴族の次男だった。主人公は国の姫様と出会い相思相愛になる。しかし家格も低く、家督相続の可能性も低い主人公はどうあってもその恋が叶う可能性がなかった。だが突如その国は戦争に巻き込まれ敗れてしまう。その時戦争に勝利した国が姫様を奪っていく。国がなくなり身分も失ってしまった主人公はすべてを捨てて姫様を救出するために旅立つ。様々な苦難を乗り越え成長しながら姫様の元へ急ぐ主人公。一刻も早く姫様のもとにたどり着きたい主人公はあろうことかドラゴンたちが生息する山脈を踏破しようとする。そこで出会ったドラゴンと死闘を繰り広げ、服従させた。ドラゴンにまたがりさっそうと姫の元へ駆けつけ救出し物語は終わる。

 ラブロマンスで始まり、冒険物語として盛り上がり、ハッピーエンドで終わる。幼い私はその物語が大好きだった。

 でも、大きくなり現実を知った。旅をしている冒険者がルブアの街に立ち寄ったことがあった。その冒険者に話を聞いた。ドラゴンは最強の種族だった。

 またある時、軍を率いる兄たちのワイバーン討伐任務に同行させてもらったことがある。ドラゴン種の最弱とされるワイバーンでさえ100人の兵士でどうにか討伐できるほどの強さだった。その戦いぶりを見てドラゴンを服従させる事がいかに不可能なことかを思い知らされた。


 だが・・・目の前にドラゴンを仲間にした男が現れた。



~~~~~~~~~~


 アレーシャさんが立ち上がり真剣な顔をして問いかけてきた。


「あなたは・・・姫を探し旅をしているのですか?」

「・・・は?」


(突然の不思議発言・・・一体何を言っているのだろう?)


「あー・・・いえ、全然そんなこと無いです」


 と答えるとアレーシャさんはしばらく固まっていた。そして突然ハッとした表情を作り、顔が真っ赤になりしゃがみこんでしまった。両手で顔を隠してしまっている。


「ごめんなさい!今の忘れてください!」


 顔をふさいだ手のおかげでくぐもった声だった。


「・・・はい」


 なにか恥ずかしいことだったのだろう。想像がついたのでそっとしておくことにした。すると砦のほうから数人の兵士が駆けてきた。


「姫様!どうされたのですか!?」

「大丈夫ですか!?」


(ん?・・・姫様?)


 二人の兵士がアレーシャさんとの間に割って入り、ほかの兵士がアレーシャさんの周りを囲む。


「お前何をした!」

「事と次第によっては、タダでは置かんぞ!」


 そういうと兵士の一人が剣を抜いた。


「待て!手を出すな!」


 アレーシャさんだった。慌てた様子で立ち上がり、真剣な顔つきで全員に指示を出した。


「いいか、決してその人に手を出すな!手を出せばドラゴンを相手にすることになるぞ!」

「姫様?」

「ドラゴン・・・ですか?」


 アレーシャさんの周囲にいた兵士たちは、その内容に疑問を覚えたようだった。ドラゴンと言われて何のことかわかっていないあたりを見ると、盗賊の移送作業を行っていて今までの状況を分かっていないようだった。特に顕著なのが剣を抜いた兵士だった。


「へっ!姫様、たとえドラゴンと戦うことになろうと負けたりはしませんよ!」

「よせ!ガージ!」


 自信たっぷりに宣言するだけあってその兵士・・・ガージはとても大きな体をしていた。身長は190cmは確実にあるだろう。筋肉で膨れ上がった上半身で肩幅も大きい。ゴリマッチョの手本ともいうべき体形をしていた。


『発砲許可を』

『伏せていただければ叩き込みます』


 通信が入った。振り返ってみるとトラックのあたりで京藤さんとナイチンゲールさんがこちらに銃口を向けていた。人差し指はトリガーガードにかけてあるので、発砲の心配はないが・・・心臓に悪い。


「ダメだ。今攻撃したら砦に残してきた人たちが危ない」

『・・・了解』

『では、少しでも距離をとれませんか?』

『ふむ。吾輩に任せよ』


 すると目の前の地面からファティが仁王立ちの姿でせりあがってきた。ファティは剣を抜いたガージを正面に捕らえ警戒した視線を向けていた。


「なっ?!竜人・・・か?」


 他の兵士も剣の柄に手をかけ、すぐに抜ける姿勢を作る。


「やめよッ!」


 アレーシャさんの怒声が響き渡った。


「ガージ、剣を納めよ。他の者も剣から手を放せ」

「しかし・・・」

「何度も言わせるな!」

「は・・・はい」


 ガージを除いて、兵士らは剣から手を離した。


「いや、でも姫様。こんな奴らに俺ら負けませんよ」

「おい・・・ガージ」


 周りの兵士が止めにかかるがそれを無視してさらに続ける。


「大体こんな連中があの盗賊を倒したって、絶対嘘ですぜ。馬車に運び込む時に見ましたけどこんな奴らに負けるような連中じゃありませんでしたよ」

「やめろ、ガージ」


(う~ん。血気盛んなタイプか。脳筋だな・・・。どうするか・・・。こういうタイプに一番いいのは実力で打ちのめすことだけど・・・残念なことにそんな腕力は俺にはない。俺にある力と言えば・・・天幕召喚、通訳、フィールド付与とかといったところだなぁ・・・。そうだ!さっき冒険者を育てる云々とうそをついたし・・・いっちょ実験と売り込みを兼ねてデモンストレーションしてみますか!)


「おい!ガージいい加減にしないと・・・」


 とアレーシャさんが声を上げたところだった。


―パンパン


 手をたたき注目を集める。


「ご提案があります。私の能力はそこの彼が言う通り戦闘に向いたものではありません」


 というとアレーシャさんが目を白黒させていた。


「冒険者を育てていたと話しましたよね?お見せしましょう」


~~~~~~~~~~~~


 準備が必要と説明し一度砦へ戻る。砦ではフォックス族や被害者の5名には休むように伝えた。ただ、天幕はこれから利用するので洞穴内の適当な小部屋を使ってもらうようにお願いした。天幕を撤収させ砦を出ようとすると興味があるということでガパティ、フェーネ、タミーナ、ターニャ、ラエレン、ナーダ、ザリファがついて来た。ガパティとフェーネはまだしも・・・そのほかの5人にはあまり来て欲しくなかった・・・。

 砦を出てアレーシャさんらの所に戻ろうとすると、フェーネを足止めするために出ていた部隊がアレーシャさんらと合流していた。どうやら足止め部隊の指揮はヒシャムさんがしていたらしい。アレーシャさんの前に完全武装のヒシャムさんが立っていて何か話をしている。会話が終わったようで、ヒシャムさんが動き出した。ガージのもとに行って・・・思いっきり頭を殴った。ガージが何か反論しているようだけど、その上からヒシャムさんがさらに殴って怒鳴りつけている。何やらヒシャムさんの部隊の人たちは頭を抱えたり苦笑したりしている。

 アレーシャさん達のところへたどり着く。


「どうも。お待たせしました」

「いえ、大丈夫です」


 アレーシャさんに話しかけると、すぐにヒシャムさんがこちらに気づいてやってきた。


「イシダ様、このたびはうちのバカがご迷惑をおかけしました」

「ヒシャムさん。気にしてませんよ。それよりちょっとまだ準備があるので失礼しますね」


 タブレットを取り出す。天幕の召喚を行う。トラックの隣に天幕が現れる。

 次にトラックの近くで話をしているファティ・京藤・ナイチンゲールの元へ行く。


「ファティ、お願いがある」

「うむ。なんじゃ?」

「ドラゴンに戻ってから、彼らの相手をしてほしい」

「ふむ?それは殺さぬようにかの?」

「いや、殺すつもりでやってくれていい」

「ほう?」

「ちょっと俺の能力を試してみたいんだ」

「どんな能力じゃ?」

「死にそうになったものをあの天幕へ転送する能力」

「んなっ?」

「だから殺すつもりでやってくれた方がいい。ちゃんとこの力が機能するかを見てみたいんだ」

「それは、このフィールドが機能するか確認したいってことなのかな?」


 京藤さんの質問だった。


「半分正解。召喚で付与されるフィールドとこの付与するタイプのフィールドは同じものなのかちょっと気になってね。付与するフィールドはどうも力の加え方で種類がいくつかあるらしい。ちなみにそこから言うと召喚で付与されるフィールドは最高品質のものだったよ」

「うん。そっか、うん・・・ってそうじゃなくて、フィールドを付与するのはいいんだけど、彼らに死ぬ経験をしろっていうのは無理がないかな?君はどんな理由で彼らにファティと戦う状況を用意したんだい?」

「・・・あ・・・」

「あら~・・・これは何も説明していない感じですかね~」

「・・・・・・・・・はい」

「はぁー・・・事前にボク達に相談して欲しかったよ」

「申し訳ないです」

「ここまでの経緯を話してくれるかな?」


~~~~~


 天幕でコーヒーをふるまったことや、冒険者の教育施設を運営したというウソをついたこと、アレーシャさんに天幕で電子機器を見せたこと、これからフィールドを付与して実戦さながらの演習をデモンストレーションしようとしていることを話した。


~~~~~


「はぁ~・・・・」

「潜在的な脅威に対してその行動はないですね~」

「まぁ、その冒険者育成施設っていうのはいい案だと思う。実際それならボクの能力を生かしながら現地通貨を稼げるしね。で、そのために演示を行うっていうのは分かったけど・・・」

「そうですねぇ~・・・どうやってフィールドがあれば死なずに済むってことを説明するかですね」

「一番簡単なのは誰かにフィールドを張って一回死なないってことを演示することなんだけど・・・」

「私たちでは手品か何かだと信用されない可能性が高いですからねぇ・・・」


 と行き詰りかけたところだった。


「でしたら私たちを使っていただけませんか?」


 声のした方を向くとガパティとフェーネがたっていた。


「すいません。盗み聞きするつもりは無かったのですが、私たちの耳は遠くの音も聞き取りますので・・・」

「ガパティさん・・・」

「助けていただいた恩を少しでも返せればと思います。どうぞ、私たちを利用してください」

「ありがとうございます。・・・しかし、一度死ぬような経験をしていただくことになりますが・・・」

「かまいません」

「イシダ様に助けていただいたこの命です。どうぞ如何様にもご利用ください」


(う・・・う~ん?・・・なんか重たいぞ?そんな大したことしてないよね?)


「分かりました。ではお二人の力をお借りします」

「はい」


 ファティのほうへ向き直る。


「ファティ」

「うむ」

「ちょっと手を出してくれる」

「こうか?」


 ファティが伸ばした手をつかみフィールドを展開しようとする。すると膨大な量の魔力を消費することが分かった。パントムの召喚よりはるかに大きく、おそらく全快の状態でも1回フィールドを張ると一発で倒れてしまう量だ。


「あ・・・あー。ごめん。ファティにフィールドを付与しようとしたんだけど・・・魔力が足りないわ・・・」

「そうか。残念じゃのぅ。まぁじゃが、吾輩には必要ないのぅ。あそこの人らと戦うのじゃろ?なら何が起ころうと吾輩が負けることはないからのぅ」

「あ・・・あーそうか。うん。申し訳ないけどファティはフィールドなしでお願いね」

「うむ」

更新が遅くなりました。すいません。

土日もしっかり取り組んだんですが・・・計4本書いて内3本が没でした。

書いて読んで「うん。これはない!」・・・orz

―――

初めての作品でいまだ要領がつかめておりません。

不定期更新なのはそんな理由です。すんません!

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