第十九話【幼馴染みはすべてを見透かす能力者(ウソ)】
海外出張ならぬ作品出張。ぼくは○斗だよ。ってなんで名前に伏字が使われるのさ!
だって、他の作品の人が来てちゃ、マズそうだし。
真が呼んだくせに……。
まあ、ぶっちゃけた話、キャラクターのレパートリーが思いつかなかっただけらしいけど。
ぶっちゃけたねぇ。でも、いいの? ぼくが出ちゃったら、時系列が合わなくない?
ああ、それなら大丈夫。アキの存在は無いも同然だから、時系列とか関係ないよ。
ぼくが呼ばれた意味ないよねそれ……。
さて、皆さん。それではボロ秀第十九話の。
【幼馴染みはすべてを見透かす能力者】を軽ーく流し読みしちゃってください。
アキ、余計なこと言わない。
だって、こんな長い駄文誰が真剣に読むの? 僕でももっとマシな文作れるよ。
ごもっとも。
朝の登校はなにかをふと、振り返ってしまうものなのかもしれない。
特に前日、起こったことが多いほどそうなりやすいと俺は考える。
おまけにだ、隣に頼りになる相談役がいるってのがデカイ。
「いや、ホント昨日は色々あった……」
「……お前、ボクにはなにも言わなかったくせに。都合が悪くなれば、頼るのか」
相談役、築谷翼さん。いつもなら、遅刻ギリギリに登校する(ていうかほとんど遅刻)この人が何故、俺と同じ時間帯に歩いているのか。
それは、簡単な話だ。この人のお宅に伺い、姉上様に起して来てもらった。寝起きの翼は大層、機嫌が悪かったようだが俺の顔を見るなり血相を変えて三分で身支度を済ませた。女性は用意に時間を要すると聞くがこの翼に限って言えば、関係ないのだろう。半ば、男みたいな気質だしな。
それでも今現在、絶賛不機嫌状態なんだが。
翼は長い髪を耳にかけ、鋭い目線を突きつけてくる。
「ちっ……もう吹っ切れたと思ってたのによ。まだ根に持ってんのか?」
「……根には持っていない。ただ、納得がいかないだけだ」
表情を暗く濁らせて呟く。俺は聞き返した。
「納得?」
「何故、秀本人から事の顛末を聴けなかったのか? ボクはそこまで、お前に過小評価されていたか」
失望と苛立ち、双方の感情を二つの眼に宿して、面を上げたコイツのこういう顔は生半可な回答じゃあ消えない。
俺はやや歩調を強めて、見上げている翼に強い口調で物言う。
「そんなわけあるか! 俺にとってお前はっ……いや、悪かったよ。翼にはなにがあっても最初に言うべきだった……」
照れ臭さから言葉を飲み込んだ俺はさぞ顔が紅いことだろう。
反省の色でも誤魔化せないほどかもしれない。俺を下から探り見る翼に感付かれまいと腕で顔の下半分を隠す。
それでも、そこは長年付き添ってきた幼馴染み。
隠すという行為そのものが答えになってしまった。
「久しぶりに秀の照れた顔が拝めたことに免じて、許してやろう。ふふっ」
先程の不機嫌面は何処へ行ったのか、はにかんでいる翼さん。
しかし、照れたくらいで許してくれるとは……俺の照れ顔ってそんなに希少なのか? なんなら、犯罪を犯しても照れれば警察も見逃してくれたり、はしないか。
「ああ、そうだ。今度秀がケガをしてしまったら、ボクが手当てをしてやるからな。だから、安心してやらなきゃいけないことをやってくるんだ」
コイツ……まさか、果たし状のことも?
いや、知られていない方がおかしいのか。
「幼馴染みだからって、見透かし過ぎだ……」
「ボクはただの幼馴染みじゃない。秀の理解者兼ブレーキ役兼幼馴染みだ」
「兼ね過ぎてて、なんかアレだ……」
「……よ、よめか?」
紅くなるくらいなら無理すんな。
「いや、姉貴みたいだなーと。それに嫁さんだと、剣間とキャラかぶりする」
「アリアめっ……存在が邪魔だ」
「なんて理不尽な」
そんなマジな顔で言うなよ……。アイツが居なきゃ、大誠の歯止めが効かないだろ。
*
教室に入ったら、誰かに話しかけられる呪いでも掛かってんのか、俺は?
「筆無君、ちょっとよろしいですか?」
相変わらずの殺風景なツラで俺の手を拐った天咲委員長は周囲の目線など気にせず、廊下を闊歩した。翼の静止の呼び止めも虚しく、見知らない教室に入らされる。机と椅子が積まれて、黒板も所々薄汚れていた。
「どこだと思いますか?」
「何の情報も無しに判断できるものか」
あ、翼さん。着いてきてたんですか。出来れば大人しく待っていて貰いたかったんですけどね。アンタいると会話が進まないからさ。
「貴女は知らないでしょう。ですが、筆無君にはある程度説明してあります」
「なんだと?」
「いや、俺を睨むなよ。昨日話してた部活のことか?」
「その通りです。登校して直ぐに届け出ました。部室、部員、顧問の教員、全て揃いましたから」
頷き、ほんの少しだけ笑顔になった委員長だが、気になることが山のように出てくるんだが。
「手際がいいと言うより、前以て部員以外の条件は満たしていたみたいだな」
「理解が早くて助ります」
「でもまたなんで、俺をここに連れてきたんだ?」
「貴方だけではありませんよ。神乃さんを除いてもう一人、呼んでいます」
天咲さんは積まれていた椅子を一つだけ持ってきて自分だけ座った。なんて自己中な。
俺は自分の分と翼の分と二つ椅子を取ってくる。
「もう一人だと?」
さも当然のように座った翼は怪しんだ目線を委員長に向けるが瞼を閉じた人には意味がない。
「築谷さんには関係ありませんから、教室に戻られてはどうでしょう?」
目を閉じたまま遠回しに立ち去れと告げられた翼さんは頬を痙攣させた。これはまずいなー。
「いやいや、委員長。翼にも説明だけしてもらえるか? こいつは話の解る奴だ。もしかしたら、協力してくれるかもしれねぇぞ」
「筆無君が言うのでしたら……。さて、ではもう一人がそろそろ来る頃合いです」
「なんだよ、もうそいつは学校に来てんのか?」
尋ねると委員長は閉じていた目を見開き、力説を始める。
「私が言うことではありませんが、かなり真面目な人です。登校自体は毎日最初に到着しており、掃除や花瓶の水を変えているのです」
これには流石に驚いた俺達はつい思ったことが口に出る。
「マジか……スゲェな」
「綺麗好きか余程の暇人だな」
おいこら幼馴染み。一言余計だ。
「……綺麗好き、なんですが。可憐な外見と相反する腐食した趣味が……」
「は? お前が言ってるのって襟沢じゃねぇのか?」
「襟沢さんですがなにか?」
「あの歩く空気清浄機が腐っているわけないだろう。全くふざけるのは態度だけにしろ」
「……やはりそうでしたか。本人が来れば分かることですから、今は何も言いません」
「……どういうことなのかさっぱりわからんのは俺だけか?」
「大丈夫だ、ボクも鉄仮面の言っている意味がわからない」
二人の理解力が足りないことに対する溜め息を吐いた委員長はスマホを出して画面を確認するとこっちに見せてくる。
『ついたよ!』
反射で後ろに振り向くとドアの影に紛れて、人型の影があった。
お疲れ様です。皆さん。アキです。(よし、アキ表示なら伏字は掛からない)
お疲れさま。さて、アキにはご退場してもらって――
待って、その前に一言だけ。ぼくは!――プツン
はい。お疲れー。元の作品に帰っていただきました。いやー便利だね。この本文にはない裏技。
じゃあ、皆さん、またね。




