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幼馴染の三つ上のお兄ちゃんと十五年後の合コンで再会した話  作者: くろくまくん
幼馴染と過ごす暑い夏編

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お祭り前の友人との会話

可愛い浴衣も見つかり、準備万端でお祭りに挑むことになったチヨ。


コウタとの二人きりは叶わなかったが、コウタとおにへー、チヨとユカリの、四人でお祭りを楽しむことに。



◯登場人物


千代ちよ

22歳 エステティシャン

奈良県橿原(かしはら)市に住む。祖母、母親と三人暮らし。ある日の合コンで、三つ上の幼馴染、コウタと再会する。


由香里ゆかり

22歳 エステティシャン

千代の同期。美人で計算高い。


康太こうた

25歳 家電量販店のメーカー販売員

瑛人とはバンドを組んでいた。10歳の頃、両親と大阪に引っ越したが、現在は奈良市内に喜平きへいと共に住んでいる。


喜平きへい(おにへー)

21歳 家電量販店のインターネットの契約説明員

コウタと奈良の家電量販店で知り合い、その後ルームシェアをすることになった。

 そして、橿原のお祭り当日。


 私もユカリも早めに仕事を上がって、浴衣の着付けとか準備があるからだけど、準備万端でスタンバイしていた。


 私の浴衣も凄く気に入ってたんだけど、待ち合わせで来たユカリの浴衣もとても素敵だった。藤色をベースに私と同じ桜の模様で、帯は薄い紫と、統一感があって素敵! 大人っぽい雰囲気だった。


 コウちゃんとおにへーくんが来るまでの間、近くのカフェでコーヒーを飲みながら待つことにした。


「ユカリの浴衣めちゃくちゃいい! 着こなすよね〜!」


「でしょでしょ? 大人の色気でおにへーくんを落とすのだよ。というチヨも、凄く素敵! 黒地に八重桜なんてオシャレだよね〜」


 ユカリは私の浴衣も褒めてくれる。やっぱり優しいな、ユカリ。


「お婆ちゃんのお下がりなんだけどね。私も実は気に入ってるんだ〜。コウちゃん気に入ってくれるかな」


「チヨはもう、コウちゃん一筋だね〜。まぁ小さな頃に離ればなれになった幼馴染だもんね。次はもう離れないように、しっかり捕まえていてね、ってなもんだよね」


 ユカリはたまに母親みたいなことを言う。まぁ元々姉御肌なところもあるのかな〜?


「コウちゃんがもう少し、私のこと女性として意識してくれたらいいんだけどな〜。なんだか、まだ妹みたいなそんな感じなような気がしてるよ」


「チヨ、それはあれだよ。押しが足りないんじゃないの〜? 男なんてガバっといって、ドン! それでイチコロだよ〜!」


 え、ガバっといって、ドンてなに。


「ユカリ、たまによくわからないこと言うよね〜」


「あはは、チヨは真面目ですな〜。要は勢いも大事ってことだよ。いつまでも待ってるだけじゃ、男の子も同じように待っていたり、もしかしたらこっちに遠慮してるだけの時もあるからね」


 ユカリの言うことも、なんとなくわかる気がした。私がコウちゃんに嫌われないように、って気持ちを素直に伝えられないように、もしかしたらコウちゃんも……てことはあるのかな。


「そういう時って、男がリードするもんじゃないの? あまりガツガツ行き過ぎると、っていう気もして……」


「ん〜、まぁ相手にもよるよね。でも、貴方のことが好きだよ。私は貴方に好意を持ってるよ。ということを気付いてもらうようにすることは、ガツガツではないんでない?」


 ユカリが言うことはいちいち的を射てるような気がした。


「え〜、どうしたらそういう、さり気なさって出せるんだろう? ユカリ師匠! 是非教えてくだされ〜!」


「ふむふむ、まぁ仕方ないのう。ひとつ伝授してしんぜようか。秘技を……」


 なんか大層な言い方だけど、なんだなんだ?


「好きな相手のことを、ずっと見つめる! これだけでよいぞ」


 ホントかーい!! まぁ、なんだかモテるユカリが言うから説得力はある。


「わ、わかったよ。まぁタイミング見てやってみる」


 ちょうどその時、コウちゃんから着信が入る。


「もしもし、もう仕事終わった〜?」


『うんうん、さっき終わっておにへーと一緒にそっち向かってるとこやで〜、三十分くらいで着くと思うわ』


「わかったよ、おつかれさま。気をつけて安全運転で来てね〜」


 電話を切った。


「コウちゃん達向かってきてるとこみたい」


「おぉ、そろそろですな〜。私はもうキュートイケメンくんのことで頭がいっぱいだよ〜」


 ユカリは年下はあまり好きでないようなこと言ってた気がするけども、そうでもないのかな? でも、私はおにへーくんのことは、全然話してもないから悪いんだけど、イメージはそんなに良くないんだけどな〜。


 だって、今回も二人きりのお祭りデートを邪魔したんだもん!


「あ、お祭り会場もここから少し歩くし、そろそろ行っとく?」


「だね〜、浴衣だと歩くのもゆっくりになるからね」


 というわけで、ゆっくりとお祭り会場に向かうことにした。ここから徒歩で五分くらいだと思うけど、人混み具合ではもう少しかかるかもだからね。


 少し歩くと、お祭りならではの賑やかな音や声が聞こえてくる。なんだか久しぶりのお祭りだけど懐かしいな。太鼓の音が響く中で、親子だったり、恋人同士だったり、夫婦だったり、友達同士、色々な会話が混ざりあって、全部含めてお祭りなんだよね。


 コウちゃんに、お祭り会場に向かっていることをメールで伝えておいた。


「チヨ、唐揚げとポテト食べようよ〜」


 ユカリが出店の看板を見て言ってくる。


「はは〜ん。男の子達が来る前に、揚げ物とかガッツリ系は先に食べておくという魂胆ですな? ユカリ、お主もワルよのう〜」


「私が食べたいのもあるけども、先に買っておいて、後から来る男衆に気の効く女子アピールをするというダブルの計算もあるのであーる!」


 ホントかよ〜! 食べさしの唐揚げはバレるよね。でも、私も唐揚げ食べたかったから、ユカリと半分こずつで買って食べることにする。


 せっかくのお祭りなんだから、楽しまないとね。


 出店の脇で唐揚げとポテトを食べていると、


「チヨ〜、探したで〜! ごめんな、遅れて」


 コウちゃんが手を振ってこっちに歩いてきた。横におにへーくんも並んでいる。


「やっほ〜! ごめんねお邪魔しちゃって。おにへーだよ〜」


 名前を説明してるかどうか、関係なく普通に名乗るところがなかなかだと思った。面白い性格なのかな?


「おにへーくん、こんばんは! あの時一緒にいたユカリです! あと、コウタくんの彼女のチヨだよ〜」


「ユカリ!」


 彼女にはまだなってないよ〜! まぁそれもユカリの勢いというやつなのか。


「さぁ、さっそくお祭りを楽しもう〜!」


 おにへーくんのかけ声を合図に、私達は出店の並ぶお祭り会場の真ん中へと向かう。


 

お祭り前に、ユカリと女子トークをするチヨ。


コウタとの仲を進展させるための方法を伝授されるが……?


さて、楽しいお祭りのスタートです。

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