表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染の三つ上のお兄ちゃんと十五年後の合コンで再会した話  作者: くろくまくん
幼馴染と過ごす暑い夏編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/37

夏祭りの苦い記憶

コウタの勤める家電量販店で洗濯機を無事買うことができ、配達もしてもらった。


これはその数日後のことである。



◯登場人物


千代ちよ

22歳 エステティシャン

奈良県橿原(かしはら)市に住む。祖母、母親と三人暮らし。ある日の合コンで、三つ上の幼馴染、コウタと再会する。


康太こうた

25歳 家電量販店のメーカー販売員

瑛人とはバンドを組んでいた。10歳の頃、両親と大阪に引っ越したが、現在は奈良市内に喜平きへいと共に住んでいる。


千代の母

52歳 スーパーのレジのパート


千代の祖母

78歳

心臓の持病がある。

「いらっしゃい、いらっしゃ〜い、金魚すくいだよ〜! 楽しいよ〜!」


 出店がたくさん出ていて、すごく楽しそうだ。


 わたしはキョロキョロしながら、手に五百円玉を握りしめ、歩いている。


 りんご飴も食べたいけど……わたがしもいいなぁ。んーどうしよう。


 あれ、母ちゃん……


 婆ちゃんもいない。


 コウ兄ちゃんもいないよ……みんなどこいったん? 何してるんやろ?


「コウ兄ちゃん〜! どこいったん〜?」


 え、え、みんなどこ? 怖いよ……知らん人ばかりだよ。


 どこ……みんなどこ?


「コウ兄ちゃん!!」


 あ。


 夢だ……お祭りに行ってる夢……


 コウちゃんが引っ越して行く前の年の、夏祭りの時のことだよね。


 あかん。これはあかん。


 あかんあかんあかん。縁起が悪いぞ。



◇ ◇ ◇



「コウちゃん、お祭り一緒に行きたい!」


 その日の仕事中に早速コウちゃんにメールをした。八月に入った時のことだった。


『チヨいきなりどうしたん? まぁお祭りの出店とかは楽しいからいいんやけど……』


 お祭り中に、はぐれてしまう夢なんて、ダメだよ〜! これは今すぐにでも楽しいお祭りの記憶でリセットしないとだよ! うんうん、そうなのだ。そうでないと、お祭りのたびに悲しい気持ちになってしまう。


「あ、んとね、んとね。橿原のほうで小さい頃に行ってたお祭りあるでしょ? あれならそんなに大きいお祭りじゃないから、人も多くないしちょうどいいかなー、なんて思うんだけど……」


 コウちゃんは人混みがどちらかと言うと苦手らしいので、そのあたりも考える。


 仕事終わり頃にメールが更に返ってきた。


『小さい頃に行った近所のお祭りって、なんかチヨが急に居なくなって泣いとったやつかいな?』


 コウちゃんも覚えてたんだ〜!!


 めちゃ恥ずかしいんですけど!


 コウちゃんが仕事上がったことを確認して、電話をかける。


「私、そんなに泣いてないと思うんだけど〜!」


『おつかれさん、チヨ。ん〜、俺はなんかチヨが泣いてその後俺から離れんかった記憶しかないんやけどな』


 もぉ〜、そんなことだけしっかり覚えてないでほしい!


「あ、そういえばお祭りは土日なんやけど……コウちゃん土日は仕事やんね? 夜とかいけるかな……?」


『土日かぁ〜。まぁ休みは取れんけども、ちょい早めに上がって、そのままそっち行ったらお祭りは行けるんとちゃうかな? てか、どうしたん、急にお祭り行きたいとか』


 お祭りの嫌な夢を見たから、なんて言えない。でも……でも、コウちゃんと二人でお祭り楽しみたい気持ちもあるにはある。


「だって、夏はお祭りかな〜と思って。コウちゃんはなんか他に行きたいところある?」


 いつもコウちゃんは、あまり自分の希望を言わないからだ。


『ん〜、俺も久しぶりにお祭り行きたいかもやわ。最近……ていうか大人になってからお祭り行ってない気ぃするし』


 お、コウちゃんも実はお祭り行きたかったんだ! これはまさかの、バッチリ気が合うというやつでは??


「わ、わ、それじゃ決まり! お盆のあとの土日にお祭りあるよ〜」


『うんうん、わかったで。あ、そういえば洗濯機はあれから調子どう? 普通に使えてるんかな?』


「洗濯機ね〜、お母さんめちゃくちゃ喜んでるよ。音静かやわ〜! 汚れ落ちさっぱり〜! おしゃれ着洗いも〜! て毎日言うてるよ」


 そうなのだ。母親は新しい洗濯機になってホントに嬉しいらしく。洗濯が前より楽しくなったらしい。まぁそれは何よりだけどね。


『あはは、それはよかったやんか。ほなまぁ、お祭り行く日近づいたら、また連絡するわ』


 たまたま私が見た夢キッカケだけど、二人で夏祭りに行くことになったのだ。


 お祭りと言えば……浴衣だよね!!


 浴衣……って家にあったっけ?


「お母さん、お祭りに着ていくような浴衣ってウチにあるん〜?」


「どうしたん急に? コウちゃんとお祭り行くから色気出したいんかいな」


 最近の母親は盛大にイジってくるようになった。


「色気て。理由はともかく、家になんか浴衣とかないん〜?」


「母さんもあまり着た記憶ないんやけど、婆ちゃんのがあるんじゃないん? 聞いてみよか?」


 婆ちゃんの浴衣って、いつ着てたやつよ〜! 五十年前くらい? もしあったとしても大丈夫なのかな?


「わからんけど、いけそうなら聞いてみてよ〜」


 というわけでダメ元でお婆ちゃんに聞いてみる。


「可愛らしい柄の浴衣があるで〜」


 えっ! 婆ちゃん意外と持ってた……


夢からのキッカケだったが、コウタと二人で夏祭りに行くことになったチヨ。


せっかくだから、浴衣を着て行こうとするが、果たして婆ちゃんの浴衣は良い感じなのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
確かに、嫌な記憶は幸せな記憶で上書きしたいかも……。Whiteberryの「夏祭り」を思い出します。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ