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幼馴染の三つ上のお兄ちゃんと十五年後の合コンで再会した話  作者: くろくまくん
幼馴染と過ごす暑い夏編

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新しい洗濯機を買ったよ

コウタの働く家電量販店に辿り着き、ようやくコウタにも会えた。


新しい洗濯機、いいのはあるのかな?



◯登場人物


千代ちよ

22歳 エステティシャン

奈良県橿原(かしはら)市に住む。祖母、母親と三人暮らし。ある日の合コンで、三つ上の幼馴染、コウタと再会する。


康太こうた

25歳 家電量販店のメーカー販売員

瑛人とはバンドを組んでいた。10歳の頃、両親と大阪に引っ越したが、現在は奈良市内に喜平きへいと共に住んでいる。


千代の母

52歳 スーパーのレジのパート

「ごめんな〜、お待たせ。洗濯機、急に潰れて大変やったやんなぁ」


「そうなんよ、ホンマは近くの電気屋さんでもよかったんやけど、チヨがコウちゃんに会いたいって言うから……」


「お母さん!!」


 最近、母親はだいぶ私のことをイジってくる。悪気があるのかないのかわからない所が母親のタチの悪いところだ。


「あ、ほんで聞いてた今の洗濯機の写真とか、寸法測ってきてくれた?」


「うんうん、測って携帯にメモしてるよ。写真はお母さんが撮ってるみたい」


 母親が携帯で撮った写真をコウちゃんに見せる。家の洗濯機の置き場所とか、間口とか玄関を測ったのは洗濯機が通る道がちゃんとあるかどうか、そして今の洗濯機の品番の写真を見るのは、今のがどのくらいの洗濯容量のを使ってるかと、どんなグレードの洗濯機なのかを分かっていたほうが、買い替える時にきちんと買い替えやすいかららしい。


「コウちゃんってエアコン専門なのに、洗濯機もわかるん?」


「ん? てか元々電気屋さんの社員してたからもあるけど、ずっと働いてたらなんとなくは分かるようになるわ、自然と」


 そんなものなのかな。でもきちんと勉強もしてるだろう。


「おばちゃん、ちょっと写真ボヤけとるんやけど……ん〜、でもなんとか品番見れるからいいか。今のは8キロ洗濯できるタイプで、インバーターじゃないやつで、乾燥とかはないやつやね」


「今のってそうなんや、乾燥はないのは知ってたけど、前に買った時は、シーツとか毛布とか洗いたいんよ、って言うたら店員さんにこれを勧められたんと思う」


 母親が答える。


「コウちゃん、インバーターってなんなん? テレビで芸人さんがバーターとか言ってるけど、そういうやつ?」


「それおもろいな〜。言葉は似てるんやけど、全然ちゃうんやで。まぁ簡単に言うと、賢く洗濯してくれるで〜、てやつやな。今使ってるやつはノンインバーターやから、わからんけど脱水の時とか、音うるさかったりしたんちゃう?」


 母親がびっくりする。


「わっ、そやねん! 行きしにチヨと言ってたんやけど、音うるさかったから今度は静かなんがええなぁて言ってたんよ。型番でそんなんもわかるんやね〜」


 なんだか、コウちゃんがホントにしっかり仕事してるんだなぁと思って、私はめちゃくちゃ尊敬した。普段の話しぶりだとわからないもんね。私は測ってきたサイズのメモも見せる。


「うんうん、入り口とか間口も大丈夫で、置くとこはちょっぴり制限はあるんやけど、今と同じ乾燥ないタテ型っていう洗濯機やったら、だいたいのサイズなら置けるかな。今くらいあったらいいん?洗える量は」


「どやろ〜、もう十年以上使ってるから慣れてるんもあるけど、たま〜に洗濯サボった時とか、ぎゅうぎゅうに入れてしもて、洗濯機が悲鳴あげてる時があるかもやわ……」


 何気に恐ろしいことを平気で言う母親だった。


「あはは、一応なんやけど、今言うてたタテ型ってやつは今んとこ12キロ洗いまではあるんやけど、10キロ洗いまでは今と一緒のサイズでいけるから、予算いけるんやったら、ちょっぴり大きくしてもいいと思うで。こっちこっち」


 コウちゃんが案内してくれた場所に、そのタテ型というタイプの大きめサイズが並んでいた。


「ん〜、じゃあ大きめにしとこかな〜、コウちゃんの洗濯物洗う時ももしかしたらあるかもやし……」


「お母さん!!」


 母親は私をイジるのが楽しくなってきたらしい。


「ん、ほな10キロ洗いで、インバーターで、ちゃんとしたメーカーのやったらこれとこれとこれやな。あとは好きなメーカーとかあったら、それにしたらいいと思うで」


 え、そんな、テキトーなの。もっと専門的な商品の違いとかがあると思ったのに。


「コウちゃん、この三つの洗濯機の違いとかはあるん?」


「ん〜、色々細かく言ったらあるにはあるけど、基本的には一緒なんよね。それに洗濯機なんやから、一番は綺麗に洗濯できたらいいやろし、インバーターやから音は静か。あと、なんていうんかオシャレ着洗いみたいなんも出来るから、優しく洗うこともできるで」


 おっ、専門的な説明! それが聞きたかったの。


「お母さんどれでもいいんやけど……あ、コウちゃんの所属してるメーカーのやつ、ってこの三つの中にあるん?」


 母親はホントにどれでもよさそうだ。


「ん〜、一応これが俺のメーカーの作ってる洗濯機やけど……別に性能はあとの二つと変わらんから、おばちゃんの好きに選んだらいいで」


「そうなんや、じゃあこれにするわ。チヨも喜ぶやろし……」


 母親がニヤニヤしながら、コウちゃんのメーカーの洗濯機を指差す。なんで私が喜ぶのよ〜! まぁ……でも、コウちゃんのメーカーの洗濯機が家にあると嬉しいのは嬉しい……かも。


「わかった〜、ほな値段安くなるか聞いてくるわ。あっ、潰れてるんやったら早くがいいやんな。それも調べてくるわ」


 聞くところ、コウちゃんはメーカーの販売員だから、価格交渉とか、最終的に購入の手続きはお店の社員さんに交代をするみたい。そういう感じなんだ〜。コウちゃんが離れてから私は母親に聞いた。


「お母さん、そんな簡単に決めちゃっていいん?」


「え、だってちゃんとサイズも見てくれて、要望も聞いてくれてるし、あとはチヨの好きなコウちゃんのメーカーにしたらいいだけやろ?」


「それはどっちでもいいの! まぁお母さんがいいならいいんやけど……」


「あとは出来たら早めに配達してくれたらいいんやけどね。まぁコインランドリーも近くにはあるから、もし遅くなっても、コインランドリーで凌いだらなんとかなるでしょ」


 話してるうちに、コウちゃんがお店の社員さんを連れてやってきた。


「ちょうど在庫あるやつなんと、配達の便もまだそっちは混んでないみたいで二日後にいけるみたいやで」


「「えっ! そんな早いん?」」


 つい母親とハモってしまった。暑いエアコンが売れる時期だと配達も混んでいると思っていたからだ。エアコンの工事の便と、洗濯機とかの配達の便は何やら違うらしい。


「コウやんのご家族って聞いたんで、値段も頑張っときましたよ〜! 今の洗濯機のリサイクル費用も込みでこれでどうですか?」


 コウやん、って呼ばれてるんだ。というか……家族? ツッコむべきか、スルーするべきか。


「わぁ〜! そんなに安くしてくれるんやね〜! ほなそれでお願いします。早くて安くて美味い。なんか牛丼屋さんみたいやね〜!」


 母親よ、全然モノが違うぞ。それにコウちゃんが家族ってとこ、スルーかい。まぁまぁ、思ってたよりお安く頑張ってくれたのならいいのかな。


「おばちゃん、よかったやんか。やっぱ持つべきものは家族やな〜」


 コウちゃんまで。てか、おばちゃんという呼び方が、違和感ないのコウちゃんくらいだよ〜。ユカリやヒナでも「チヨのお母さん」て呼ぶのに。


 そして、無事洗濯機が買えたんだけど、今日はもう一ついいことがあった。


「コウちゃんお昼ご飯まだなん? 洗濯機も思ってたより安くしてもらったし、一緒にお昼食べへん? なんでも好きなもん言いよ〜」


「おっ、おばちゃん太っ腹〜! このあとちょうど行こうと思ってたんよ。ほな着替えてくるから、店の入り口で待っててもらってもいい?」


 お昼休憩に行くところだったコウちゃんと、一緒にお昼ご飯食べに行くことになったのだ。母親ナイスだ!



◇ ◇ ◇



 結局お昼は、同じモール内の、回転寿司屋さんで食べた。コウちゃんは海鮮が割と好きらしい。これは新情報だ。ちょっぴり値段はお高めのとこだったけど、お寿司だけでなく一品とか、ジュースもミックスジュースがあったりと、凄く美味しかった。


 外食に母親と行くことが、あまりないからというのもあるけど、母親はそういう時は意外と気前が良いということも知った。ケチケチしてないって言うのかな。私も少し出そうと思ったけど全部母親が払ってくれた。


 コウちゃんの仕事姿も見れて、直接接客も受けることができて、それにランチまで一緒に出来て。


「お母さん、今日はありがとう!」


「ん? どうしたんチヨ。洗濯機買いに来ただけで、お礼言われるん初めてやわ」


 お母さんって……天然だったっけ……?



無事、洗濯機を買い替えることが出来、


ランチも母親とコウタの三人で楽しく食べたチヨ。


仕事をしている、コウタを間近で見ることが出来て、とても満足なチヨだった。


※奈良の大和郡山市に実際にショッピングモールや家電量販店はありますが、もちろんですがコウタはいません。会いに行って、接客を受けようとされた方は、ご承知おきください。

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― 新着の感想 ―
 チヨちゃんのお母さんも、「コウちゃんなら娘の相手としても安心かな」という気持ちがあるのでしょうね。
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