ほっとしたその後
婆ちゃんも手術で無事に助かりそうらしく、ほっと胸をなでおろす三人。
そして、その後……
◯登場人物
千代
22歳 エステティシャン
奈良県橿原市に住む。祖母、母親と三人暮らし。ある日の合コンで、三つ上の幼馴染、コウタと再会する。
康太
25歳 家電量販店のメーカー販売員
瑛人とはバンドを組んでいた。10歳の頃、両親と大阪に引っ越したが、現在は奈良市内に喜平と共に住んでいる。
千代の母
52歳 スーパーのレジのパート
千代の祖母
78歳
心臓の持病がある。
結局のところ、婆ちゃんの手術は無事終わって、その後一週間は入院することになった。
その夜中は、すぐにコウちゃんを帰らすわけにはいかないので、翌日も仕事は休みを取っていたので、家に泊まってもらったのだ。
え、え、お泊まり!??
「チヨ、何を顔赤くしてるん? もちろん寝るのは別の部屋やで〜」
「わ、わ、わかってるよ〜! 当たり前でしょ〜。あっ、コウちゃんごめんね……こんな汚い家なのに」
前にもしかしたら話したかもだけど、私の住む家は一戸建てで、二階が私と母親の部屋が別々にあって、一階に婆ちゃんの部屋の和室と、LDKとか、お風呂とかがある。
コウちゃんには婆ちゃんの部屋で寝てもらうことにした。あ、お布団はお客さん用の布団だよ。
「いやいや、こっちこそごめんなぁ。全然気ぃ使わんでいいのに。もう適当に雑魚寝させてもらったら帰るで〜」
「コウちゃん、それにしても大っきくなったね〜。前に奈良おったときはこんな小さかったのにね〜」
母親が言う。
「まぁ十五年も経ったらそりゃ背も大きくなるやろ。でも……婆ちゃんそんなに心臓悪くなってたん知らんかったわ。昔は元気やったのになぁ」
と、コウちゃん。
「あ、じゃあ私お風呂先に入ってくるね〜。こ、こ、コウちゃんはゆっくりしててね。お母さんはもう遅いし早く寝るんやで〜」
母親が起きてても、なんかコウちゃんに余計なこと言いそうだからだ。
「うんうん、言わんでもそうさせて貰うわ〜、明日の朝にはまた病院行かなあかんし。コウちゃん、冷蔵庫のもん、適当に食べていいからね。おやすみ」
母親は二階に上がっていった。
「じゃ、じゃあ私もお風呂入ってくるね〜。コウちゃんリビングでゆっくりしてくれてもいいからね」
「うん、わかったで〜。ありがとうな」
なんだか、いつもの私の家にコウちゃんが居るっていうだけで、凄くドキドキするんだけど。
婆ちゃんのこと、ホントにホントに心配だったけども、無事で良かったのと。
あと、婆ちゃんのおかげと言うと言い方悪いんだけども、コウちゃんが家に泊まることになるなんて〜!!
も、もちろん。二人きりではないからね。そんなやましいことはない。充分に健全だよ。
お風呂に入ってる時も、私は色々なことを考え過ぎて、自分でちゃんと洗えたのかもわからなかった。でも、湯船には浸かる。
「天川の星空。綺麗だったなぁ〜」
コウちゃんと二人きりで見れたから。だから余計に綺麗だったと思う。
あと……婆ちゃんのゴタゴタで忘れてたけど……めちゃくちゃ密着してしまったよ。
真っ暗で何も見えなかったのもあってだけど、私、凄く大胆だったかもしれない。
というか……ホントはキス……しそうになってたよね?
コウちゃん、嫌がってなかったよね?
なんだか、それを聞くのも恥ずかしいから聞けないんだけど、もし嫌だったら、くっつくのも嫌だと思うから。
コウちゃんの身体、大きくて、あったかくて。がっしりしてたな。
「な、な、何考えてるの、私!! 違うよ、頼もしいなってことだからね!」
誰に言ってるかわからないけど、お風呂に浸かりながら、私は一人で慌てていた。
お風呂から上がって、髪を乾かして、お水を飲もうとリビングに行くと、コウちゃんがリビングのソファに座っていた。
「あ、まだ起きてたんやね。お風呂入る〜?」
「あ、うん。入らせてもらおかな。チヨ、お風呂で何騒いでたん??」
聞かれてたーーーー!!
◇ ◇ ◇
その後は大人しく自分の部屋で私は寝ていた。
朝になって、病院に婆ちゃんの入院の準備も持って行ったりもあったので、コウちゃんは家に帰ることになった。
「コウちゃん、色々ありがとうね。あ、星空綺麗やったね。すっごく素敵やったね」
「うんうん、そうやな。婆ちゃんもホント良かったわ。また、なんか手伝いとかいることがあったらいつでも言ってな。ほな帰るで〜」
コウちゃんが帰ってから、母親が私に言った。
「コウちゃん、頼もしくなったね〜。すっかり大人になって。チヨ、良かったやんか」
「え、え、何が良かったなん?」
「しっかり捕まえとかんと、男はすぐにフラフラ行ってしまうで〜。頑張るんやで」
言い方よ……まぁ、応援してくれてる、ってことなんだよね。
「お母さん、ありがと。私頑張って、ガッシリ捕まえとく! さ、婆ちゃんとこ行こ〜」
夜遅くだったのと、ゆっくり休んでないこともあり、急きょ、家にコウタが泊まることになり、ドキドキが隠せないチヨ。
その中でも、マイペースなコウタだった。




