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幼馴染の三つ上のお兄ちゃんと十五年後の合コンで再会した話  作者: くろくまくん
星空☆キラキラデート編

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天川の満天の星空の下で

天川てんかわ村に向かう途中の道中も、


コウタとの会話を楽しむチヨ。


天川の星空は無事に見れるかな?



◯登場人物


千代ちよ

22歳 エステティシャン

奈良県橿原(かしはら)市に住む。祖母、母親と三人暮らし。ある日の合コンで、三つ上の幼馴染、コウタと再会する。


康太こうた

25歳 家電量販店のメーカー販売員

瑛人とはバンドを組んでいた。10歳の頃、両親と大阪に引っ越したが、現在は奈良市内に喜平きへいと共に住んでいる。

 嫌なことをしない、だけじゃなくて。喜んでくれるようなこと、嬉しいと思うことをできるようになれたらいいな。


 私はコウちゃんの温もりを感じながら、そう思った。大好きな人なら、大切な人なら、もっと喜んでほしいと思うに違いない。


 もっと楽しんでほしいと思うに違いない。


「私……これからもコウちゃんと色んなところに行ったりしたいな〜、コウちゃんはここに行ってみたい、とかあったりするん?」


「ん〜、そう言われると意外とそういうのないんよな〜。つまんない性格かもやけど、たとえば近所の公園とかでぼーっとしたり、道端を散歩して花を眺めてたりとか、そういうなんでもないような生活が良かったりはするかも」


 あ、もしかしたらコウちゃんは、観光スポットとか、そういうのもホントは苦手だったりしたのかな……それなら悪かったな。


「ごめん、コウちゃん。私、自分が星空見に行きたいから、無理強いしちゃって……」


「あっ! ちゃうちゃう。星空とか綺麗な景色は好きやで。それに……もし、俺だけなら行くことがなかったところに、行けるチャンスをくれたんやから、逆にチヨには感謝やわ」


 そう言って、握った手を更にギュッとしてくれた。コウちゃんは、やっぱり優しい。


「もぉ〜、そんなこと言ってくれたら嬉しいけど、あまり無理しないでね。私……コウちゃんにも色々喜んで欲しいんやから」


「へ? 俺に喜んでほしいってどういうこと?」


「もうそれはいいの〜。あっ! だいぶ星がたくさん見えるようになってきたよ〜! このあたりが天川村なのかな?」


 コウちゃんにツッコまれそうだったので、私は話を変えた。


「ん〜、どうなんやろ? ナビではあと十分くらいって書いてるから、そろそろかもやな。駐車場停めて少し歩くと思うで」


 話してたのは、天川村でも洞川どろがわというキャンプ場があるとこあたりが、周りが木に囲まれており、街の明かりも届かない場所なので、凄く綺麗に星が見えるとのこと。


 駐車場に着く前に、もう一つのオニギリを、今度は半分こして食べた。恥ずかしいけどちょこっとお腹空いてたから。


「よしっ、ここからは少し歩きやで〜。エンジン停めたら一切明かりがなくなるから、携帯のライトで照らしながら行こか〜」


 車を降りると、ホントに周りは真っ暗だった。きっと月明かりがあるとまた違うんだろうけど、新月を狙って来たからね。


 木々の隙間から、もうすでに綺麗な星空が見えてきていた。もう少し歩くと、ひらけた所に出てくるらしい。


 コウちゃんは私の手をしっかり握って、先導してくれた。


「よし、到着やで〜! おぉっ、めちゃくちゃ綺麗やんか〜!!」


 満天の星空……という言葉を聞いたことがあるけど、ホントにそんな感じ……橿原かしはらも空は綺麗なんだけど、見えている星の数が違う。


「コウちゃん、あの川みたいな星のカタマリが天の川なんかな〜! めちゃくちゃ綺麗……」


「なぁ、凄いな〜! あ、向こうの原っぱに寝転んで見上げたほうが、全体見れるんちゃう?」


 ゆっくり、ゆっくりと歩いて、寝転べそうな平たい場所に行き、そして、寝転んでから携帯のライトを消した。


 わ。


 わっ!


「わ〜〜〜!! なんかプラネタリウムみたいやぁ〜!」


 我ながら単純な例えなのかもしれない。


 でも、ホントにそんな感じ。


 地面に寝転んでるんだけど、自分が宙に浮いているような。


 今、コウちゃんの手を離してしまうと、飛んでいってしまうような、そんな感覚になった。


「コウ……ちゃん??」


「あぁ、ごめんな、チヨ。綺麗過ぎて無言になってしもた。綺麗やなぁ〜!」


 良かった……コウちゃんが喜んでくれて。こんな綺麗な星空を二人で見れるなんて、幸せだ。


「あっ! 見て! 流れ星!! コウちゃん見えた?」


「おぉ、見えたで! てか、すっごい流れとるで」


 何秒かに一回くらい、星が流れてるような。


「もうこれだけ流れてたらお願いたくさんできそうやね」


「あはは、あまり欲張ると良くないで〜」


 私とコウちゃんは、星空と一体になってる。もう横を見ても何も見えないくらいの暗闇で。


 星空だけが見えている感じ。今は、手だけがコウちゃんと繋がっている。


「コウちゃん、星見てる〜?」


「うんうん、どうしたん、チヨ?」


 私は少しだけ、勇気を出してみた。


「夜やから少しだけ冷えてきたみたい……」


「あ、どうしよ、車戻ろっか?」


 ううん、そうじゃないの。


「少しだけくっつきたいな……」


 断られたらどうしよう……コウちゃんが私のこと、妹みたいにしか思ってなかったとしたら。


「わかったで、もうちょいこっちきてみ」


 相変わらず軽い感じのコウちゃん。


 でも、私はそれに乗って、両手をコウちゃんの方に絡ませて、身体全体でくっつくように寄り添った。


「ありがとぉ……コウちゃんあったかいわ」


「そかそか。それは良かったわ。チヨは相変わらず甘えたやなぁ〜」


 そうだよ。私は甘えん坊だよ。ずっとコウちゃんに甘えていたいよ。


 明るい所では、きっと恥ずかしくてこんなにくっつけなかったと思う。


 でも、今は何も見えないのもあって、私自身が少し大胆になれてる気もする。


「コウちゃん、こうしてたら嫌?」


「ん〜、素直に言うと少し照れるで。だってお互いもう大人やからなぁ〜」


 照れる、っていう言葉が、もしかしたら私を女性として、意識してくれてる、ってことなのかも。


 私はそう都合よく解釈した。


 コウちゃんの声が私の近くで響く。


 ずっとずっとこうしてたいな。


「コウちゃん、私の方見て……」


「ん、見てるで? どうしたん」


 私はコウちゃんの声が出ている所へ、私の顔を近づけた……その時。


「ん? 携帯震えてるわ」


 めちゃくちゃ空気読めない携帯だよ〜!!


「あれ、お母さんだ。ごめん、コウちゃん。出てもいい?」


 きっと、何時に帰ってくるとかそんな電話に違いない。


「どうしたんお母さん……」


『チヨ! 婆ちゃんが……』


 え。

天川の満天の星空の下、


コウタと濃密な時間を過ごすチヨ。


ただ、その時。


母親からの電話で……?


挿絵(By みてみん)

上の画像は、生成AIにて、今回のエピソードのイメージを作成したものです。

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― 新着の感想 ―
天川村の星空、きっと綺麗なのでしょうね。 ネタバレするわけにはいかないのですが、最後に小さく悲鳴を上げた、ということだけ……。とても心配です。
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