第二の試練
二人は一旦街に戻り、十分に休息を取った
そして、第二の試練があるという土地へと旅を始めた
道中には魔王の配下と思われる魔物もたびたび見かける
しかし、数はそれほど多くないため遺跡の時ほどの苦労はなかった
フェルネリアの回復の力も大きかった
しかし、魔法は無制限に使えるというわけではなく、使い過ぎれば休息を必要とするのがわかった
第二の試練は険しい山中にあるということだった
山道を進んでいく中、二人は妙な気配に気づく
「誰かに見られている」
ノルヴェインがそうフェルネリアに告げる
「ええ。一人や二人じゃないようですね」
フェルネリアも頷く
そのまま進んでいるところ、周囲から何人かの人物が現れた
明らかに敵意を持っているのがわかる
「あなた達は?」
ノルヴェインがそう尋ねると、その中の一人が答える
「その剣を渡してくれないか?」
「・・・・・・」
「その剣を奪えば高く買い取りたいと言ってる人がいるんだよ」
「誰なんだ、それは?」
「さあな。俺達もよく知らねえ」
ふざけた連中だ
いずれにせよ聖剣を渡すことなんて出来ない
戦うしかないのか
「フェルネリアはさがっていて」
ノルヴェインがそう言うや否や、山賊のような連中は剣を抜く
それから斬り合いに発展した
敵は5人
ノルヴェインは複数人を同時に相手にしないようにうまく立ち回り、一対一の状況を作りながら戦う
やがて一人、また一人と倒していく
そして最後の一人の剣を飛ばした
その体に剣を突きつける
「まだやるのか?」
ノルヴェインは最初の試練で確実に腕を上げていた
それを見るや生き残った最後の一人は降参といった態度になった
「助けてくれ。もう何もしねえよ」
ノルヴェインは剣を収めると尋ねる
「誰に頼まれたんだ?」
「知らねえ。全身に真っ黒な鎧を着た奴だった」
「真っ黒な鎧?そいつはどこにいる」
「街に戻ればまだいるんじゃないか?」
「・・・・・」
どうする
一旦街に戻ってそいつに会いにいくか?
いや、しかし、そんな寄り道をして余計な時間を割きたくはない
「フェルネリア。どう思う?」
「今は試練を急いだほうが良いかと思います」
「ああ、そうだな」
そして、二人は先へと進んでいった
第二の試練は山間にあった
森林というよりは岩場に近い
こちらもやはり遺跡のようなものだった
ここでは人型で攻撃魔法を使ってくる敵が多い
遠距離攻撃の敵に対して剣ではかなり不利だった
しかし戦ううちに気付く
どういう仕組みかわからないが剣で魔法を弾くことができる
また、物影に隠れている敵に対し、壁ごと斬ることもできた
さらに気づいたのは、あきらかに剣の間合いから外れた敵に刃が届いていることだ
もしかしたら、この剣からは何か特別な力が出ているのかもしれない
ノルヴェインは剣のその力を解放することに注意を注いだ
やがてその力が遠距離の敵に届いた
聖剣「グランセイバー」は通常の物理に収まる武器ではない
勇者にしか使えない力が確かにある
だからこそ、この剣に選ばれた者が勇者なのだ
そのことを実感し始めていた
そして、遺跡の中心部分に到達する
しかし、そこで待っていたのはここまで戦った敵とは別のタイプだった
「あれは・・・・俺にそっくりだ」
そう、自分によく似た、しかしあきらかに禍々しい存在がいた
持っている武器もよく似ている
「やるしかないか」
ノルヴェインはその相手に対して近づいていく
次の瞬間、一気に間合いを詰められ、するどい一撃が繰り出された
かろうじて受けるものの、攻撃は止まらない
あきらかに自分の速度を超えている
早すぎる
受けるだけで精一杯だ
なら・・・
躱さずにその動きを止めるだけだ
ノルヴェインは覚悟を決める
敵の繰り出す攻撃をノルヴェインは躱さなかった
両者の剣がお互いを貫く
「やったぜ。ざまあみろ」
そのまま両者が倒れた
「ノル!」
急いでフェルネリアが駆けつける
「悪いな。回復をアテにしてノーガード攻撃をしちまった」
「すぐに治す!」
そうして、ノルヴェインは回復魔法を受けた
回復を受ける中でノルヴェインは感じた
この試練でさらに聖剣「グランセイバー」の力が強化されている
なんとなくそんな気がした
やはりこの試練にはちゃんとした意味がある
聖剣の力を引き出すための何かしらの意味が




